「door、今日は打ち合わせで東京に行くけど、帰り逢えるかなー」
「\(^o^)/大丈夫ー
何時頃終わる予定?」
「5時半かな?」
「わかった、6時前にこっちを出発するから」
私達は中間地点で待ち合わせたのだけれど、現われたたかしを見てドキドキした。
萌・萌・萌
やっぱり男のコート姿はいい。よく考えてみたら、たかしのスーツ姿をちゃんと見たのも初めてだ。濃紺のスーツに映えて横顔はいつもより端整に見える。彼にこういう色味が合うとは知らなかった。
壊・壊・壊
居酒屋に入って席に座るとたかしはネクタイを畳んでコートのポケットに入れる。なんだか一つ一つを新鮮に感じる。
こんな風に仕事の後に待ち合わせをするなんて独身時代のデートみたいだ。いや二人ともれっきとした独身だけど、所帯持ちだからそんな風に感じるんだろう。若いカップルに混じって二人で鍋を突付いた。
私たちは子供の頃の話をした。少しずつ解き明かされる、たかしという人物を私は楽しんでいる。
長い時間かけて楽しみを引き伸ばそうと、初めに計画したとおりに。