早起き教信者VSお寝坊の達人 | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

私は基本的にぐうたらな人間で寝坊するのが大好きだ。休みの日ならば二度寝、三度寝は当然。朝の光を浴びてとろとろと眠りに落ちていくあの瞬間の至福といったら無いではないか。


ところが私の父はめったやたらに早く寝て、とてつもなく早く起きる人だ。
何しろ夜の8時に寝て、夜中の12時に起きてしまうのだ。年寄りだから仕方が無いのかもしれない。でも誰もが寝ている丑三つ時に一人でおきていて面白いわけが無い。それで夜9時に寝ることにしたのだけれど、それでも3時には起きてしまうらしい。時間を持て余してる癖に、早起きしただけでなにか偉いとでも思っているようだ。


ところがたかしも同じ信仰の持ち主らしいことが最近判明した。薄々感づいていたのだけれど。


「今春休みで子どもが向こうに行っているから、朝8時に起きても充分間に合うんだけど7時に目が覚めちゃう」
「こらーーーーーーーーっ」
「なんでー怒られちゃうの?」
「もっと早く起きて」
「なんでー?」
「早起きは三文の得なのだ」
「ゆっくりと寝られる至福の時間が…」
「今から早く寝れば」
「3文っていくら?お蕎麦が一杯十六文だったんだから~、50円くらいでしょう」
「6日早起きすればおそばが食べられる」
「50円得してどうする~」
「50円は貴重だー」
「早起きしなくちゃダメなの?」
「ゆっくりど~~ぞ~~~ 遅刻しない程度に」
どうも皮肉っぽい。早起きの何がそんなに得なのだろう。私には全く理解できない。


「明日は何時頃にする?」
「何時がいい?」
「たかしもたまにはお寝坊したらいいよ~~」
「doorが起きられないからね~」
「いぢわる~~


 いぢわる~~


 いぢわる~~」


どうも反応がおかしい。酔ったたかしの反応が無い。


「寝ちゃダメだ!無駄に早起きだから夜が楽しめないんだ」
「doorがいぢけて怒ってるぅ」
「もうちょっとお寝坊になりな
 明日の朝からだ!
 ゆっくり寝る!
 二度寝する!」
「はい」
「明日はゆっくり寝て、起きたら私に電話する!分かったね」


「はい」

おやすみなさい