十数センチのその向こう | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

求めても求めても求め足りない気がする。一週間にたった数時間。とても埋め尽くせない。
少ない時間を補うために密度が高くなってしまい、それはすなわち延々と引き続く肉色の交歓になってしまう。

「もっと、

 もっと、

 もっと」
セックスそのものには満足しても、なおと求めてしまうのはお互いに今に至るまでの渇きゆえだろうか。
永い孤独と絶望から解き放たれて、求めることの出来る相手にめぐり合った喜びなのだろうか。


二度三度と果てても、まだ想いに届かない気がしてしまうのは、たかしだけじゃない。

どこまで受け入れて、私は十数センチの繋がりのその向こうまでも欲しい。


もしもの記事で載せた写真。私の顔にはモザイクをかけているけれど、薄目を開けたその表情が愛してるを語っていた。言葉に尽くすことの出来ないこの想いを表現していた。私の指先、たかしの指先までもが愛しているを語っていないだろうか。優しさとぬくもりと喜びを。