ふたご座流星群 | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

「ねぇ、三日月が綺麗だよ」

「ほんとだ~doorの眼みたいな形だ

 今夜はきっと流星が見られるよ」

「?」

「ふたご座流星群、今日の朝方が一番凄かったんだろうけど、まだ見られると思うよ」

「イルミネーションの中で見えるかしら」

「街中と違うから、きっと大丈夫だよ」

私たちは宮ヶ瀬 の大きなクリスマスツリーを観にいくことにしてた。

「宮ヶ瀬に行ったのはいつだったっけ」

「先週駐車場で逢って、その前は多摩センターのイルミネーションを見て…」

「その前が宮ヶ瀬だ」

「ついこの間だったような気が…」

「今年の後半はなんだかあっという間に過ぎて行ったね」

「うん、ホントだ。すっごい早かった」

私たちは顔を見合わせて笑った。


3週間ぶりのまともなデート。予想していた渋滞もそれほどではなくて、前回行った時に鹿が飛び出して走り回っていた広場に32メートルの大きなツリーがそびえている。

miyagase 光のトンネルからツリーが透けて、それをバックに私たちは写真を撮った。液晶を見てみると私たちはホントに良く似ている。


川沿いのイルミネーションを冷やかして歩き、ひと月前のことを話しながら展望台の上で星空を眺めた。たかしの言ったとおり、標高が高いせいか星が近く見える。ここから360度に見える夜空のどこを眺めたら良いのだろう。あれがカシオペア、あの辺がアンドロメダと、しばらく二人で星空を見ていた。



「おっ、流れた」

「ええっ」

「今あの辺に」

周りの人の間からも流れたと言う声が上がっている。

「私見落としちゃった」

「はは」

「たかしは行いが良いんだね」


彼は流星に何を祈ったのだろう。たかしの願いはなんだろう。

どうぞ私と同じ願いでありますように。