当然本ブログにも相当な数のオルガンプレイヤーが登場した。しかし、オルガンジャズを愛している方の中には、ある1プレイヤーを取り上げていない事に怒り心頭かも知れない。
そのプレイヤーこそジョニー ハモンド スミスだ。
1933年、モハメド アリと同じケンタッキー州ルイビルに生まれたジョニー ハモンド スミス。調べても解らなかったが、ハモンドというのは恐らくニックネームであり、オルガンプレイヤーの永遠の愛機、B-3オルガンでお馴染みのハモンドから付けられたものだろう。ハモンドオルガンを演らせたらピカ1という事か。
そしてそんなハモンドのオルガンプレイはまぎれも無く強烈さ、グルーヴ感、アーシー度、その他オルガンジャズに求められる全ての要素においてピカ1だ。ハモンドが弾けば弾くほどハモンド社の株が上昇する、な訳ないか。
何にせよ全くこんな凄いプレイヤーの紹介が何故こんなに遅れてしまったのか。心あるオルガンジャズのファンの方、やきもきさせてごめりんこ。
他の多くのオルガンプレイヤーと同じで1960年代から70年代にかけて、ハモンドはオルガンジャズの宝庫プレステッジ レーヴェルのお世話になっている。そしてやはり我が国では1990年代にレキシントンのジャズ グルーヴ シリーズで紹介された。もちろんそれまでにもハモンドの凄さを認め愛聴していたファンも多かれ少なかれおられただろうけれど、僕の世代では恐らくこのシリーズから聴き出した者がほとんどなのではないか。
紹介する「エブ タイド」もそんな1枚だ。ただ注意しないといけないのは、本作は当初作品中に収められたハモンドのオリジナルである「ゲッティン アップ」をアルバムタイトルとして発売された。ジャズ批評社の「プレステッジ ブック」で同じ番号を調べたら「ゲッティン アップ」で記載されている。
それが何故「エブ タイド」に途中から変更させたのか。「エブ タイド」はロバート マックスウェルという人が作曲した元々はムード音楽的なポピュラー曲である(らしい)。
考えられるのは本作には他に「スタンド バイ ミー」「ノック オン ウッド」「ジ イン クラウド」というソウルヒットナンバーに「サマータイム」といった有名曲が程よい長さで収録されていて、これにハモンドの作曲したナンバーが3曲挟み込まれているといった構成だ。当時のプレステッジのジャズアルバムにはポピュラー曲が多く演奏されているが、本作はその中でもその率はかなり高い。よってタイトルもヒットナンバーを多く演ってまっせ的なニュアンスを出した方が売れると見込んでの変更だったのではないか。まあそれだとプレステッジらしい話ではある。
しかし間違っても本作はただの売れ線を狙ったものではない。それはプレステッジのお抱えプレイヤーの中でもひたすら腕ききなジャズプレイヤーであるヴァージル ジョーンズとヒューストン パーソンがフロントを勤め、ジミー スミスがブルーノートでおもいきりジャズを演奏していた時代のギタリストであるソーネル シュワルツに、1962年にホレス シルバーの日本公演に帯同して「トーキョウ ブルーズ」にも参加したジョン ハリスがドラムを担当しているという点だけでもわかってもらえるだろう。この時代のプレステッジがとにかくジャズに拘っているのは以前にも記した通りだ。
そんなジャズメン達を時にはバップさせ、時にはリフを決めさせ、変幻自在にあやつるハモンド。そして本人はまるでソウルの大スターとなったかの如く強烈なグルーヴを持ってして乗っかっていく。たくさんの優れたオルガンプライヤーを紹介したが、ジミー スミスやジャック マクダフと並んでスターの音を出せるのがハモンドだ。
そんなジョニー ハモンドのソウルジャズ魂で今夜のDoodlin'はまたシャウトするのだ。








