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Doodlin' Records

神戸元町のバー「Doodlin'」店主がチョイスするジャズレコード紹介。
勝手気ままに書かせていただきます。

クリフォードブラウンの最高に好きなレコードは?と聞かれたら、たいていの人が初めて聴いた盤をあげる。

そういう話を何度か聞いたが、それは大袈裟な話ではない。何を隠そうこの僕のブラウンフェイバリットも初めて買ったブラウンそのものだから。19歳の頃、中古で買いました。

ブラウン=ローチとだけ付けられたこのレコード、確かに一般的には地味な印象しかないかも。しかしエキゾチックな「デリラ」コミカルな「パリの舗道」名曲「ジョードュー」とどれをとっても名演揃い。
特に「ブルーズウォーク」での2管の掛け合いは最高にカッコよくて、これこそバンドとしての理想であると、思わず手を打ちたくなること必至。
素晴らしすぎますブラウン=ローチ。

さて噂のブラウンの映像だが、今発売されてる「ケンバーンズのジャズ第9章」で拝めます。古いだけあって酷い画質だが鼻の形ですぐ彼だとわかった。
「有難う御座います、楽しく演奏できました」という礼儀正しい肉声も収録されてて、誰もに愛されたというその人柄を伺い知る事ができます。


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実はいまだに好きなのか嫌いなのかようわからんのがこのウィントン。

兄貴のブランフォードなら文句なしに大好きなプレイヤーって言い切れるのに。どうも弟の方はねえ…まあウィントンの事知ってる方ならだいたいその理由というか、言いたい事はわかってもらえると思う。

しかしそんなウィントンでも心底カッコよい演奏を連発してくれてた時期があった。
兄貴と別れてカルテットを組んだ頃、86年から2~3年くらいだと思う。アルバムは「Jムード」「スタンダードタイム」「ブルーズアレイ ライブ」の3枚だ。
正直言うとリアルタイムで新譜として聴いて、これらほど興奮した事は他にはない。そのくらいイカしていたし、それは今聴いても同じだ。今回はその最初のアルバムにご登場願おう。
のっけからクールでありながらメラメラと燃えてます。

ところがこの人、その後誰に頼まれたのやら、やたらジャズ界の責任者みたいなスタンスに立ち、それと同時に演奏の方もやたらと説教くさくなって行ってしまった。何か二言めには伝統がどうのこうのと仰ってるような印象。

最近の姿をみてると、ほんとにイケてないと思うのだが。いかが?

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聞き応えという意味ではこの人の右に出る人はおらんであろうチャールズミンガス。

全てを聴いた訳ではないが自身の音楽と社会的メッセージをこれほど上手くシンクロさせて聴かす術を持ちあわせた人など僕の中では皆無であり、天才とはっきり言い切ってしまいたいと思う。

そのミンガスの数多いアルバムから選んだこの一枚、比較的大人数を好むこの人の作品だが、ここでは本人含めてたったの4人。しかしドルフィー、カーソン、リッチモンドとくればこれ以上は不必要であったろうし、事実音楽が証明してくれている。図体同様とにかく濃いことこのうえなしなのだ。

中でも傑作は「フォーバス知事の寓話」。

フォーバスについてはここで詳しく説明するスペースはないけれど、当時の黒人たちにとって軽蔑すべき事をやらかしたおバカさん。
この人をバカにするため作られたこの曲だが、僕はインストでこれほど人をこけにした曲を他に知らない。これは正に強い反骨精神とそれを逆に倍増させる、とびきりのユーモア感を持ちあわせていた結果の賜物でありましょう。

またそこにはダニーリッチモンドという最高にヒップな相棒の存在も大きい。世界にはさまざまな名コンビが存在するけれど、この二人はジャズ界では1~2を争う面白さを誇っております。

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ハンプ御大のオールスターズ、1947年のコンサート録音。

みなさんよくご存知の「スターダスト」を15分にわたって演奏してます。

オールスターズだけあって参加メンバーはなかなか豪華。メロウに歌い上げるウィリースミス、痛快チャーリーシェイバース、芸人スラムスチュワートと、この当時のジャズならではの各人の名人芸がたっぷりと楽しめます。
特に弓弾きとハミングをユニゾンでやってのけるスラムの芸と根性は感動もの。

所謂モダンジャズもいいけど、その前の世代にあたる人達の演奏も本当に素晴らしいものが多い。

そしてそんな強者をさらにおしのけてご登場するのがハンプ御大。
一心不乱にのりまくっている様はレコードで聴いててもそのすさまじい凄みが伝わってきます。
それはまるでオオミエをきる大衆演劇のスターみたい。いよ!まってました!って本当に声を出したくなること必至。

ジャズは芸能。そしてジャズマンは芸人でありスター。それでいいではないか、それこそが正しいのではないかと、聴くたびに実感する1枚なのであります。

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どうみてもヤクザである。

タイトルを直訳すると「ジャック兄ぃ、ボスとの会合」、いや「兄貴、ボスとの杯」まあなんでもよいや、とにかく世界中のジャズアルバムの中で東映度が100を超えたのはこのアルバムくらいだ。聴く前に必ず荒波から三角マークが浮かんでくる。

手前の白髪まじりの伊達男が兄貴ことジャックマクダフ。オルガンの使い手だ。

左がボス。こいつのテナーをくらって生きて帰った者はいないという。

二人を繋ぐ仁義、それをいつしか人はSOULと呼んだとか。

ところが!ここに刺客が入り込むんですな。ボスの座を狙った同じくテナー使いのハロルドヴィック。若いが何するかわかりゃしねえ。さあどうするよ兄貴!

結末は映画館で。

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「モーニン」を作曲したピアニストであるボビーティモンズは、世間一般的にはソウルフルピアニストで通っている。事実何枚かあるアルバムの大半はソウルなんたらというタイトルがついているようだ。

しかしこの人、そう簡単に所謂黒枠にあてはめちゃってよいものか。確かに彼の演奏は間違いなく黒くて「サンジェルマンのJM」の例を出すまでもなく、一旦ノリだしたら止まらないタイプだし、そんなにバカ上手という印象もない。

しかしこの人の持ってるオリジナリティたるやそうは侮れんでと言いたいのである。

この、トリオで出演したヴィレッジバンガードでのライブ盤を聴いてみてほしい。

一聴寛いだトリオ演奏に聞こえがちだが、全体を支配するムードは一種独特だ。特に冒頭の「枯葉」は傑出した出来。こうなれば既に黒も白も関係なく素晴らしいアレンジ、そしてプレイだ。ビル エバンスやウィントン ケリーのしか聴いてない人は驚くと思うよ。

JM来日時のエピソードなどからして、大変物静かでオシャレな人物であったというティモンズだが、こういった人柄も反映されてるのだろう、ソウルフルだけでは片付けられない何かを持っているのは明白である。

ソウルフルでインテリ。で、それを内からメラメラと醸し出すのがこのピアニストの魅力だ。
そして本作こそがそんなティモンズを知る最良の一枚なのだ。




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「鏡よ鏡よカガミさん、世界で一番かっこいい男はだーれ?」

「それはもちろんウェインショーターです。特にジャズメッセンジャーズに入団した頃のかっこ良さはまた格別であるといえましょう。
彼がJMに参加して初めてリリースされたこのアルバムを聴いてごらんなさい。50年近く前の録音とは思えないスマートなのに大胆でユーモラスな演奏、そして楽曲。どうやったらこんな事が出来るのやら。
メッセンジャーズの歴史をむりやり2つに分けると、このアルバムより以前と以後と断言してしまいましょう。
さて、音だけじゃもの足りない、と言われる方もおられるでしょう。そんな方のためには現在輸入盤で発売されている61年の東京でのスタジオ録画を収めたDVDがお薦め。
細めのダークスーツに身をつつみ、リーモーガンと共にフロントでブロウする姿はかっこ良すぎます。あと3年の命と引き換えにこのウェインになれるとしたら、そりゃ誰でもためらわないでしょう。
わかりましたね、世界で一番かっこいい男はウェインショーター!です。なまんだぶなまんだぶ」

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多分クラブDJがらみだと思うが、最近はスピリチュアルジャズが注目されてるんだとか。よう解らんのやけど、60年代中ほどからの黒人達による公民権運動などに精通したジャズなんかを指すんやと思う。

じゃ、てな訳で今回紹介するレコードは猛烈ドラマー、ロイブルックスによるボルチモアの「ジャズソサエティ」なるクラブでのライブ盤。
録音は70年だからまさにブラックパワー運動真っ最中の時期だったろうし、「フリースレーブ」ってのは直訳すると自由な奴隷?である。どう、スピリチュアル?

ま、それはいいとして、Wショウ、Gコールマンという、いかにもこわもてなフロントを配して、それはもう黒くて、ディープな世界につれてってくれる本作はハードボイルドでカッコいいことこの上なし。
ジャズファンク好きな人にもお薦めです。もうチェックいれてるDJはいるかな?


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ケニーバレルの演奏にハズレなんてまず無い。

何をさしおいてもまずそのセンスの良さ。これだけでもう天才。
そんな大好きなケニーのアルバムの中で、最高に好きなのがこのブルーノートに録音された初リーダー作である。

まだ現役で活動してる人をつかまえて初リーダーを挙げるのも何だが、本当にすばらしいアルバムだからしょうがない。ケニーはこの時25歳だったらしいが、圧倒的なスイング感、感性、テクニックとどれをとっても最初から完成されてたんやなと思う。

素晴らしいのはケニーだけではない。何といっても同郷(デトロイト)のトミーフラナガンのピアノのこれまたセンスの良さ。そしてケニーとの相性の良さ。特に「フーガとブルース」での掛け合いなんて芸術的とまで言いたくなる。息が合うのを通り越して何かヤバいものも感じもしてしまう位だ。

またコンガのキャンディドの参加も刺激的で成功していると思う。ブルーノートってこういう所が賢いなといつも感心するのだ。

特別ギターファンでなくても本当に楽しめるアルバムである。






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これこそがビッグバンドジャズだ!

エキサイティングでダイナミックは当たり前。

それよりこれが一番大事だと確信してる事。それがメンバーの一体感とそっから生まれるバカ騒ぎ一歩手前の圧倒的明るさ。

ライブ録音だが、客よりプレイヤーの歓声の方が聴こえてるんじゃないの?この騒がしい連中らとは、例えば忘年会の会場なんかで隣あったりしたら、そりゃ迷惑かもしれないが、こんなヒップな男共がステージに集合すれば、それはもう最高としか言えないのだ。
そしてプロ・アマ、洋の東西問わず今のビッグバンドの殆どに欠けてる要素が実はこれかななんて考える。

お馴染み「マンテカ」の楽しさ、「ディジーズブルース」の躍動感、「ドゥードゥリン」のユーモア、そして「スクールデイズ」では20年後を先取りしたラップと、Bミッチェルの世界一イカしたR&Bブローが味わえる。さらにピアノのWケリーの最高の演奏は絶対にこれだ、間違いない。

さあみなさんもボリュームいっぱいに上げてこのイカした連中の一員になろうではないか。

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