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Doodlin' Records

神戸元町のバー「Doodlin'」店主がチョイスするジャズレコード紹介。
勝手気ままに書かせていただきます。

ここで登場、我らがハンク モブレイ。言わずと知れたマイ テナーアイドルだ。

ジャズテナー界には圧倒的な個性をもったプレイヤーが多いが、彼もそのうちの一人だろう。ソフトでありながら攻撃的で、おまけにスイング感に溢れたその独特なフレイジングは、未だに誰も模写する者が現れておらず、まさにワン アンド オンリーと呼ぶに相応しいアーチストだ。

今現在はそんな事はない様だけど、僕がモダンジャズを聴きだした頃のモブレイは頼りないプレイヤーだという見方が多かった。しかもアメリカ本国の評価は著しく低いときた。よって、これだけの膨大で素晴らしいレコーディングを残しながら何故?という疑問がずっとあったのは確か。

しかし、調べているうちに、どうやら根本的な原因はモブレイ本人にあったのだと気づきだした。

というのはモブレイという人物は、当時の他プレイヤー同様大変なヤク中であったうえ、かなりいいかげんな行動ばかりとっていたらしい。約束を守らずギグに穴をあける事が頻繁にあったと、色々な文献で見てとれるのだ。大体にして、あのジャズメッセンジャーズさえも、そんなモブレイに見切りをつけてウェイン ショーターに切り替えている。
その後のJMがジャズの歴史に名を刻んだのは、みなさんご存知の通りだ。

だからして、そんな性格でなければひょっとしてロリンズやコルトレーン、シムズ、コーン並みの評価をいただいていたかも知れないし、現にそのくらいの技量をもった人だったとは思う。

でも逆にそんな奴だから、このサウンドを出せたのかも知れない。

これだけは地下鉄はどうやって地下に入ったのかくらいわからんのである。

それにしても、今回まったくアルバムを紹介してないである。

それを考えると夜も寝られなくなっちゃうのである。


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男の中の男といえばコールマン ホーキンス。

むさくるしくも、情熱的。優雅でありながらもワイルド。そんなサウンドとスタイルは、周りのジャズがどないに変わっていこうが生涯変わることはなかった。いや変える必要もなかった。

それは正に男はこうありたいという見本。男は黙ってサッポロビールなのだ。うーん寝てみたい。

そんな男ホークを最高に贅沢な形で満喫できるのが、この62年のニューヨークはビレッジゲイトで行われたライブ録音盤。ワンホーンカルテットで、実に匂ってきそうな男の、男の、男の世界が展開されます。

昔からホークは自分とは違うスタイルの若手をひっぱってくるのが好きで、それがまた男らしいところなのだが、ここで選ばれたピアノはトミーフラナガン。センス溢れるムード作りは流石に渋い。
それに弓弾きハミング奏法でもり上げてくれる名手メジャーホリーのベースをそろえ、世代もスタイルの違いなんかもどこ吹く風とばかりに、むせび泣き歌う男ホークを聴きながら、今日も一人ビールを片手に男の、男の、男の世界にひたるひととき。

まあその優雅さ。まあその贅沢。怖いですねー、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。



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ブルーノートに数枚のアルバムを吹き込んだトロンボーン奏者グラチャンモンカー3世。
仰々しい名前の通り大体がフリーよりで、ちっとばかしこ難しい演奏が多い人である。

しかし、今回紹介するこのアルバムだけは、変な形で例外となってしまった様だ。

いつものようにトニーウィリアムスやボビーハッチャーソンといった同じ系統の小難しいプレイヤーを集めて、またもや自分達の世界の音楽を展開しようと意欲まんまんのモンカー氏。

しかしトランペットの人選を間違えた。よりによってリーモーガンを連れて来てしまったのだ。

恐るべし子供と呼ばれ19歳でシーンの中央に躍り出、一貫して華麗に吹いて吹いて吹きまくってきたこの天才の前には、流石にモンカー達の思惑はふっとばされたみたい。どんなに緻密で変則的な曲をもってきてもモーガンのパラッパラッパーで一気にモーガン的痛快ナンバーに大変身だ。小難しさどこ吹く風。天才リーモーガン、恐るべし。

おかげで実に聴きやすい、それでいてモンカー風面白ジャズの出来上がりときた。よかった良かった。$Doodlin' Records
このでかい顔、パパイヤ鈴木ではないよ。スリーサウンズでお馴染みのピアニスト、ジーンハリス トリオによる超ゴキゲンのライブ実況盤のご登場。

とにかくソウルフルでハッピー感覚に溢れかえる彼らのプレイには開いた口がふさがらないほど。絶対の幸せを保証します。これ聴いてのれない人は病院へ行ってください。

ドラムはミッキー ローカー。関西のジャズファンには馴染み深い人でしょう。ほんまもんのジャズとは何かを教えてもらえる世界最高峰の一人だ。
そして本来トリオはこの人のものである、ベースの大御所レイ ブラウン。いたるところでハッ!と聞かれるのはこの人のかけ声。常にお客とコミュニケーションをとるその姿勢も含め、偉大をはるかに通り越してます。
そしてそして、例のハリのある音色で歌ううたう、テナーは「ザ マン」タレンタイン。もう何も言えません。カッコよすぎます。

彼らこそジャズだ!

このコーナーで紹介するレコードは大体が50~60年代のもので、ジャズの歴史から考えるにそれはまあ仕方のない事だと思いますが、この録音は86年。当時新譜として購入したもの。つまり当時はまだ彼ら4人は現役バリバリのミュージシャンだったのだ。それが今やミッキー以外は全員この世にはおられません。寂しいと同時に今、こんなに素晴らしい音楽を教えてくれる人達って現在どのくらいおられるのだろうと思う。

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女性オルガンプレイヤーといえば真っ先に浮かぶ名前がシャーリー スコット。

しかし残念ながら僕はそれほど強い思い入れはない。女性だからかどうかはわからないが、彼女のプレイにはいまいちオルガンジャズ特有のディープなのりや深みがあまり感じられず、旦那であったスタンリータレンタインとのやたら数多い共演盤も含め、たいていはあっさりと聴き流してしまうのがほとんど。

ま、そこがいいと仰るファンの方も多いのでしょうが。

しかし例外もある。文字通り全曲ホレスシルバーの曲で占めたこの1枚。もちろん「Doodlin'」も収録。
元々はピアニストであった彼女だけに、ピアニストのナンバーは演奏しやすかったのか、他と比べて颯爽としたサウンドに聴こえます。ここではそのあっさり系が功をそうしたとでも言いましょうか、僕が聴いた中では一番彼女の個性が良い方に出ていると思う。

逆にシルバーの曲があんまり良いからという意地悪な見方も出来ますが、僕は意地悪ではないから、そんなこと一切思いません。


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※お店情報
お店の宣伝用にコンピCDを制作中。うちの店でかかりそうなハードでディープなナンバーが全18曲、2枚にわたって収録されています。お店近くの中古レコード屋さんのどこかでレコード、CDをご購入に方に贈呈されます。
ブルーノートに3枚あるポール チェンバースのリーダーアルバム。何といっても万人が名盤と認める「ベース オン トップ」があるため、どうしても他の2つは影が薄い感じ。

でも番号順では一番最初にあたる本作の参加メンバーが凄い。ドナルド バードにジョン コルトレーン、ケニー バレル、ホレス シルバーそしてフィリージョー!どや顔ものとはこのことなり。ひょっとしてブルーノートのアルバムの中でも1~2を競う豪華さ?そして言っちゃうと実際その通りの超痛快であり圧倒的にカッコイい作品なのだ。

更にここで注目されるのは、本作が絶対に単なるブローイングセッションに終わっておらず、れっきとしたベースプレイヤーのリーダーアルバムに仕上がっている点。痛快ハードバップの間に絶妙なタイミングで挿入されるリズムセクションのみのナンバーやワンホーンのナンバーは、「ベースオントップ」に匹敵する密度の濃さだし、もちろん名物変態弓弾き奏法もたっぷり味わえるナンバーもあり。

この時代にしてアルバムにある種のコンセプトをもたすというのがブルーノートらしいし、本作はその典型的アルバムといえましょう。


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※お店情報
開店して1か月。ジャズファンのお客様も増えて、貧乏ながらも楽しく気楽な日々が続いています。目指せ神戸No1オタクバーであります。
しかしこの1か月で「テイクファイブ」のリクエストを4回いただいた。みんなに愛されている曲なんやなーと改めて思います。だから何とか早いめに入手したいなー、と思いながら中古に行ったら何故かみつけられず。かわりにラスティー ブライアントやプーチョ アンド ラテンソウルバンドなんか増やしてしまう今日このごろ。
かつてニューヨークのあちこちのクラブで夜な夜なくりひろげられてたジャムセッション。

かなりプライベートな形で行われていた様だけど、当時の強者たちが腕を競い合う様はさぞ興奮ものだったろう。

これを大きなコンサート会場に移して興業を打つ事を思い付いたのが当時いちサラリーマンでジャズオタクであったノーマングランツという人。これはそのJATPと名付けられた一連の企画の栄えある第一回目の公演を記録したもの。

時は1944年。のちのちは超×5クラスの大物が軒並み参加したこの企画もこの地点ではまだかなり地味目。しかしイリノイジャケーや後にはポップスで大スターとなるナットキング コール、ギタリストならお馴染みレスポールなどみんな20代。JJにいたっては二十歳ちょうどという若さだ。

そして演奏はその若さがとんでもないパワーとなって爆発してるもの。エキサイティングここに極めれり。客は狂喜乱舞間違いなしだろう、凄い!

グランツはその後バーブレーベルを立ち上げジャズ界一の成功者として名を馳せるが、その始まりがこんな素晴らしいのだからそれも納得というもの。しかしその行動力たら並みではないなー。真似できません
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※お店情報
明日でDo。odlin'は開店1か月。
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ソニークラークとソニーロリンズとソニークリスの区別もつかなかった頃に購入した1枚。

確かポールチェンバースとフィリージョーの名前を何かで先に覚えてて、それで聴いてみようと思ったのだと記憶している。
勿論ブルーノートなんてのも知らなかったし、スタンダードと有名バップナンバーで構成された6曲のうちの1曲も知らなかったはず。それでも1回聴いただけで全曲を大いに気に入ってしまったのはやっぱり演奏も曲目も素晴らしいからとしかいいようがない。
特に「朝日の如く爽やかに」はぞくぞくときたなー。

のちのちジャズの本などを通して、かなりファンの多い名盤のうちの一つと知り、やっぱりなと納得したものだ。

今日原稿を書くにあたって久しぶりに聴いてみたが、初めて聴いた時のときめき感はやっぱり変わっていない。いやむしろ倍増されてるかも。
というのは今こうして腰をすえて聴くと、つくづくドラムのフィリージョーのキレが違う。改めて感服した次第。
ど素人が聴いても入り込めた原因のひとつはここかなと思う。


$Doodlin' Records※お店情報
名古屋在住で、出張の度にDoodlin'に寄っていただくNさん。シダー ウォルトンの話になり、ミューズの「ライブ アット ブーマーズ」を、僕がVol.1しか持ってなく、Nさんが2しか持っていないという事がわかって「パジャマの上しかない人と、下しかない人みたいやなー」と笑っていたのですが、このたび名古屋からわざわざ2を持ってきてDoodln'に贈与してくださいました。
これがまた素晴らしい!1よりいい。さらに僕がマックィーンのファンだというと、店に飾ればと、「シンシナティキッド」のサントラまでつけてくださった。これオリジナルとちゃうの?
Nさん本当にありがとう。感謝感激です。レコード飾る額、今探してます。どっか売ってる?
何をとってもとにかくカッコいいとしかいえんマイルス。当然大好きなアルバムだらけ。その中でもこの「マイルストーンズ」こそが僕が最初にしびれた原点なのよ。

でもこれってよくよく考えてみれば、マイルスのアルバムの中では少し意外な点も多い作品だと、最近思う様になった。何というか他作品より圧倒的に明るく騒がしいのだ。

それまでの所謂マラソンセッションの頃や、この後の超名盤といわれる「カインド オブ ブルー」なんかはマイルスらしいクールさが漂っているのに、その間の本作は全員がやたらとハイになってるように聴こえる。トレーンとキャノンボールのサックスバトルであるとか、スタジオ録音のマイルスバンドで味わえるのはこれだけだと思う。それがまたやたらエキサイティング。背中に虫でも入ったのか?

よく考えたらフィリージョー、ガーランド、キャノンボールが揃うのはこのレコードだけ。原因はそこにあるのか?

バンドへの置き土産なのかは不明だが、トリオのみで演奏される「ビリーボーイ」も、これまた超名演。特にフィリージョーのドラミングはもう世界一!それとてやたらと明るく騒がしいのがまた可笑しい。

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バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発が出た年あたりに、新生ブルーノートや東芝EMIの肝いりでデビューしたバンドがアウト オブ ザ ブルー、略してOTB。

全員が当時20代の若者だったが、まあいえばレコード会社が無理やりこしらえた企画ものバンドで、白人2人と黒人4人という編成。

当然長続きせんかった。

本アルバムはそんなOTBが初めて日本のジャズフェスティバルに出演したときの実況録音版。しかしこれが実はむっちゃくちゃカッコいいのよ。何か才能の塊というか、それでいて聴かすツボをしっかり掴んでいてエンターテイメント性もたっぷり。正直これが企画ものじゃなければ凄かったのにと思うし、今考えたらもったいないなーとつくづく思う。

メンバーの現在は今も最先端プレイヤーとして名を馳せている者、一時凄い注目されたけどその後とんと名前を聞かない者、今もニューヨークのどこか片隅で名前を発見できるもの、生死不明の者など多種多彩。今考えると何やったんやろ、OTB。

まあ世の中は上手くいかんものである。それと3連発打たれたのは槙原です。

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