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Doodlin' Records

神戸元町のバー「Doodlin'」店主がチョイスするジャズレコード紹介。
勝手気ままに書かせていただきます。

いわゆるハードバップベーシスト御三家といえばポール チェンバースにサム ジョーンズ、そしてこのダグ ワトキンスという事になります。

当然3人とも大好きなプレイヤーですが、僕は特にワトキンスの粘っこいプレイがお気に入りで、一番ブルースらしいのりが出せるのはこの人なんじゃないかなと常々思っておる次第であります。
それだけに交通事故による早死は本当に惜しいの一言。だってハードバップ最盛期に20代でなくなってるんやもんねー。

さてここに紹介するのは、そんなワトキンスが生涯残した2枚のリーダーアルバムのうちの一枚で、ただでも地味なスタンスにいた彼が、本当に地味なメンバーを集めてしまったような作品。

しかもここでの彼はベースを他の者にまかせて全編チェロを演奏しています。ところがそれの何と気持ちよい事。ジャズにこの楽器がこんなに合うというのを心底実感させられる1枚です。何でもそのチェロはレコーディング3日前に初めて手にしたという事だが、そんなの本当にありえるのか?

それにユゼフ ラティーフのフルートやオーボエがからみ、通常とは違うちょっと室内楽的でありブルーズ感覚に溢れたサウンドが楽しめます。

地味がどうした、と心からそう思える数少ないアルバムといえましょう。


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とんでもない個性のぶつかり合いが、とんでもないリラクゼーションを生み出してしまった。その数少ない例がこのピアノのアートテイタムとテナーのベンウェブスターの共演アルバムだ。

どちらもかなり古い世代の人だが、間違いなく二人の音楽にジャンルもくそったれもない。黒いも白いもない。ひょっとして僕のコレクションの中でも最も音楽的に説明出来ないアルバムかも知れない。それが一見ありがちなスタンダード集である所もまた凄い事。

A面に針を置いたとたんに耳に入る信じがたいテクニックとスイング感にみちたピアノソロ。それにたまらなく情感のこもった、誰もがたどり着く事が不可能な最高の音色ではいってくるテナー。もうここで決まりであろう。それがここまで感動をもたらす理由をきかれても、それは個性の賜物としか言いようがない。

これはもはやスタンダード集ではないでしょう。ここでのスタンダードはただ素材がそこにあっただけの事だったのではないかなと思う。逆にこういう人達だからこそ素朴な曲、良いメロディーを持った曲がはまるのかな。

そういう意味で僕と同じ昨今のスタンダードジャズにうんざりしている普通のジャズ好きな人にこそ聴いていただきたいアルバムである。


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昨日告知いたしましたアマーヴェルでの演奏が諸事情により中止となりました。申し訳ございません。
次回は3月の第4木曜日の予定です。


一般的にセロニアスモンクの曲というのは、管楽器であればテナーサックスで演奏されるのが一番適していると言われている。理由はよく解らないのだけど、本人もそれは認めている様で、自身のレギュラーバンドは基本的にテナー入りカルテット編成であった。

本作はそのモンクのバンドで活躍し、モンクの音楽を知りつくしていたジョニーグリフィンと、彼とは最高に息の合う相棒、エディロックジョー デイビスのツインテナーバンドによるモンク作品集。

そういう意味で、本作はつくづく良いアイデアの企画であると思うし、実際に息をのむほど素晴らしい熱演を楽しむ事ができる。

更に注目したいのはここでの彼らは、モンクの作品集を作る事に関して、全く余計な気負いなど抱えておらず、本当に普段のハードバップとして演奏を繰り広げている点。この手の企画にありがちな考えすぎな所がなく、実にストレートに演奏されているのだ。おかげで本作は私達にモンクの曲の面白さを、かえって印象深いものにしてくれる結果となった。

モンクが参加してなくともモンクを知る事が出来る最良のアルバムと言えるでしょう。


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※お店情報
明日23日の木曜日は定休日です。で、何をするのかというと、僕は趣味でテナーサックスを吹いていて、ヘイヘイズというR&Bのバンドで三宮のアマーヴェルというレストランで演奏します。
お時間のある方はぜひおたちよりください。
夜8時~2ステージ チャージ無料。アマーヴェルは三宮のそごうを東、ポートライナーこえたとこ。かつてのビック映劇、そのあと中華のタオだったとこ。
凄い顔ですが怪獣ではありません。ジャズメッセンジャーズにも参加した名ピアニスト、ウォルターデイビスjrのブルーノート唯一のリーダーアルバム、「デイヴィスカップ」略してDカップであります。

フロントをつとめるのはお馴染みドナルドバードとジャッキーマクリーン。

ハードバップのレコードを紹介するのに「けれん味のない」という言葉がよく使われますが、一体「けれん味」って辛いのか甘いのかはほっといても、本作などは僕が思うにはその最もたる象徴的な1枚ではないでしょうか。

1959年当時、まだ30代にとどかなかったであろう彼らのプレイには、全く迷いなどなく、心の赴くまま全開で青春を謳歌しているように感じます。40代になった僕などは聴いてて少し照れくさいような、恥ずかしいような気になるほど。それだけ瑞々しい当時の彼らだったという事であります。まだジャズ界がモードやフリーやといったややこしい(?)展開に巻き込まれるちょっと前の時代の事。

世界中の巨乳ファンに聴いていただきたい1枚であります。ああDカップ!

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世界一の男前であり天才的スターであるジミー スミスのデビューアルバム。若さ溢れる颯爽このうえない快演を堪能できる一枚であります。

A面に針を置いて、1曲目の「アーユー ルック トゥナイト」が始まった瞬間にして、来たるジミーさんの時代を充分に予測できるくらいのインパクトを感じる。オルガンという楽器が市民権を得てから生まれた僕でも、ジミーさんのレコードを初めて聴いた時は「何じゃこりゃー」と驚いたくらいだから、当時の人の衝撃たるやいかほどであったのか、推測も不可能といったところ。

オルガンジャズ、そしてソウルミュージックはここから始まったと言っても過言ではないでしょう。

何にもないところに一つのジャンルを一瞬にして築いたというこの快挙。1956年のジミーさんのデビューは歴史的な事件だ。しかるにこれは歴史の教科書にもとりあげられるべきである。そうなればジミーさんの顔写真にサングラスと髭を書き込みたいと思います。

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ピアニストのフレディーレッドが音楽を担当したオフブロードウェイの戯曲が「ザ コネクション」。

ジャックゲルバー原作で麻薬を扱った室内劇らしい。レッドはアルトのジャッキーマクリーンと共にジャズマン役としてこの舞台に出演、演奏を披露していた。このレコードは劇で使われた音楽を実際に彼らが録音したという、映画でいえばサントラ盤みたいなもの。

フレディーレッドは一種独特な音楽性をもった天才肌のプレイヤーだけど、いかんせん地味。見た目も言っては悪いが田舎のもっさい兄ちゃんにしかみえません。しかし僕はめっぽうこの人の不思議なのりが好きで、特に本作は似たようなタイプのマクリーンの熱演もプラスされた愛聴盤となっております。彼らの何のカテゴリーにも属しにくい、刺激的な演奏は聴いてて癖なる事うけあい。

「コネクション」は62年にオリジナルキャストで映画化もされており、当然レッドもマクリーンも役者として出演してるらしい。観てみたいなー。


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トランペットファンの方なら絶対に知っておいてほしい名前がホットリップス ペイジだ。

名前の通りとにかく熱いあつい。痛快もここまでくると呆れかえりそうだが、聴いていて胸がスカーっとするそのプレイは正に至宝と呼ぶにふさわしい。

カンザスシティでならしたホットリップスはカウントベイシー楽団のスターとして、とりあえず今も名を残しているが、もっとその痛快プレイを聞き込みたい方にはこのレコードがお薦め。以前紹介した日本の「モカンボセッション」同様、個人がプライベートに録音していた奇跡的な1枚で、収録場所であるミントンズという所は、少しでもジャズがお好きな方ならその歴史的な存在価値はご存知でしょう。録音は1941年。

文字通り3人のトランペッターが競演をくりひろげる本作。その中でも当時すでに古株であったのがホットリップスだ。しかしその鳴らしっぷりをたんと満喫していただきたい。聴いててこれだけスカッとするのに実際吹いたらどんなだろうと想像してしまいます。凄い人もおるもんです。

さらに面白い事にピアノがちょっと変やなと思ったらセロニアスモンクだったり、チャーリークリスチャンやケニークラークも聴けちゃったりします。これがミントンズなんでしょうな。


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※お店情報
本日水曜日は上屋劇場にヘイヘイズというバンドで出演のため、開店が夜9時半となります。そして明日は定休日です。
ジャズ好きの方で誰か店番してくれる人いないかなー。
JCTというのはジャズカルチュアルシアターの略で、80年代にマンハッタンは8番街28丁目にあったクラブ。ここのオーナーがピアノのバリーハリスで、大変素晴らしい内容を誇る店だったとか。

今回紹介するレコードのリーダーはドラマーで、ABDUL ZAHIR BATIN。どう読むねん、ちゅうか誰?この人。

名前からしてイスラームでしょうが、このレコードを入手する前も後も全然名前をきかん。写真をみてもそんなにパっとした面ではない。多分貧乏暮らしだろう。

ではなんでそんな謎の人物のレコードを大事に持ってるのかといえば、それは当然サイドメンに目がいったから。Jヒックス、Bワトソン、CブリッジウォーターにRユーバンクス。僕好みのニューヨークの強者共が勢揃い。そして期待通りの熱演ぶり。ジャズロック風シャッフルナンバーなんかあってかなりお得な1枚だ。

レコードをあさっていればこういったよく判らん盤を見つける事は多々ある。でもそういったものこそ、かえってプレイヤーの日常を伝えてくれる様な場合が多い。ニューヨークの生活に密接しているジャズだ。これもその1枚。
もちろん所帯染みてるという意味ではないよ。



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ジャズ界きっての快男児でありスーパースター、フレディーハバード。音を聴いただけでそのヤンチャぶりがうかがえるのはこの男くらいか。

それだけに2008年暮れの突然の死去のニュースは、全く予想外だっただけに本当にショックだった。

とりい出したるこの1枚は、インパルスに吹き込まれた数枚のうちの1枚で、彼らしい颯爽とした超痛快ハードバップアルバム。

フレディーはこうみえて非常に優秀な曲を書く作曲家でもあるけれど、ここでは「ハッピータイム」というナンバーをぜひ聴いてほしいもの。タイトル通りウキウキしてくるお茶目なナンバーで、彼の魅力を凝縮した様な快作だ。

しかしこのレーベル、どうもイメージが暗いのか、ジャケットにしてもその魅力が伝わってない気がする。表情も暗い。そのためか世間一般にはほとんど知られていないのが残念だ。
コルトレーンやシェップのアルバムはイメージ通りなのにねー。


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※お店情報
Doodlin'は毎週木曜日が定休日。毎週何をするかどこに行くか迷います。今週はアートビレッジセンターに「ナッシュビル」という映画を観てきました。ロバートアルトマンの変な魔法にすっかりはまりました。アルトマンの最高傑作でしょう。