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Doodlin' Records

神戸元町のバー「Doodlin'」店主がチョイスするジャズレコード紹介。
勝手気ままに書かせていただきます。

ジャズメッセンジャーズ結成時から一貫してライブのクロージングとして演奏されてきたのが「ザ テーマ」。

バンドの体質としてライブ盤が多いメッセンジャーズのこと、このテーマが収録されるケースも多いのは当然の成り行き。

ところでこの「ザ テーマ」、どうやら特別に作曲者が存在してなくて、いわば自然発生的なものであるらしい。しかも当時マイルスがバンドで使用していた「テーマ」と同じ曲であるともいわれている。よくわからんけど面白い。

当時の有名バンドは各自バンドテーマを持っていたようで、それらはみなバンドの盛り上げに一役かっていたのだろう。JMの「ザ テーマ」はそんななかでもずばぬけて魅力的なものであると思う。ここぞというタイミングではいるその技は正にバンドとしての名人芸。そしてそういったショウアップがいかに大切なことか心底実感できる訳であります。

紹介するレコードはそんなJMの記録のなかでもリー モーガン、ウェイン ショーター、ボビー ティモンズが在籍した、最盛期中の最盛期のもの。つまりそこに収録されてる「ザ テーマ」こそがテーマの中のテーマといえるかも。バードランド名物、ピーウィー マーケットの声も特別にはずんでいるというもの。

ただでも凄すぎるJMの最高のメンツにして最高のライブ。そのレコードで聴く「ザ テーマ」。あなたはじっとして聴いてられるか?生で聴いたらどんなやったやろ、こわすぎて想像したくないですな。

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※お店情報
ついにワイン赤、白共はじめました!
そして今日はBLUE NOTE MOMDAY ジャッキー マクリーンの日です。ワインとマクリーン、いいかもよ。
お待ちしてます。
当店名物、アホばかりといわれる60年代末からのプレステッジのオルガン路線。その中の一枚で、オルガンを弾くのはこのデブ、チャールズ キーナードだ。僕の飲み友達の洋一郎によく似ている。

うちにあるLPジャケットで確認してほしいが、コラージュされた2人の洋一郎のうち、右側の口開けてのけぞっている姿にはくっきりと乳首が浮き上がっているではないか。その点からして大変面白い人だったのではないかと推測される。

実際のところ洋一郎に関してはルー ドナルドソンのところにいたオルガン奏者としか知識がないのだが、聴いたところではバカノリ、バカテクを信条としてる様で、当時のファンキーだが過激でダークネスで、たまにちょっと疲れる他プレイヤーに比べて頭一つハッピーな感覚を持っているデブとみた。

参加メンバーもブルー ミッチェル、ファットヘッド、グラント グリーン、ミッキー ローカーというオールマイティー型の素晴らしい所が揃っていて大変聴きやすく、そのへんもまた他のより気にいっているポイントのひとつ。

特にミッチェルの名曲「ブルーファロウク」は実に伝統にのっとったブルース演奏が楽しめます。



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Doodlin'の月曜日は「BLUE NOTE MONDAY」

その名の通りブルーノート漬けの夜になります。そして毎週重点アーティストを決めて特集したいと思います。

第1回目の4月9日は「ジャッキー マクリーンの日」

リーダー、サイドメン問わずマクリーン先生を中心に構成いたします。マクリーンファン全員集合!
それまでにマクリーンの一番好きなアルバムを教えてください。参考にします。

日本では「クールストラッティン」という人気盤を持つピアニスト、ソニークラークの初リーダーアルバム。

ソニー以下、アートファーマー、ハンクモブレイ、カーティスフラー、ウィルバーウェア、ルイヘイズって面子は誰がどう決めたんでしょ?誰かが特別に力演する訳でもないのに、全員が実にマイペースで非常に均等なバランスを保った良質なアルバムに仕上がってます。

といってもそういったものはブルーノートに限らず、当時はそれこそ掃いて捨てるほど量産されていて、実際には通りいっぺん的な演奏に終わってしまってるケースも多いのは確か。でもこのアルバムなんかは地味でおとなしめな印象なのに、しっかりと、実に心地よく聴き通す事ができます。それは間違いなく各メンバーの個性と力量、そしてそれを引き出すブルーノートの企画力あってのものでしょう。

ただ全く売れなかったらしいけどね。


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ボビー ハッチャーソンとハービー ハンコック。この2人がおりなす内省的で緻密、にもかかわらず情熱に満ちあふれた音楽性は、その後の誰もがたどり着く事が出来ないくらいの高尚さをかもし出している。まさに非のうちどころがない大傑作アルバムである。

僕は約20年間に渡って家でこれを聴くのが好きだった。頭の中を真っ白にして聴き込んでいるうちに、自分の体が家からは遠くはなれた別世界に浮かんでいる様な不思議な気持ちになったものである。今まで「コテコテデラックス」のジャック マクダフやハル シンガーに印をつけていた自分とは大違い。何て知的でおしゃれな僕。

2012年1月。無謀と言われるなか僕は自分のお店「bar Doodlin’」をオープン。それにより家のジャズアルバムはそちらに移って行った。よりコテコテ三昧の日々がスタートしたのだ。毎日アホばかりと言われるプレステ10000番台を大音量で鳴らし、グルーブに身をまかす。これでお客さんさえ来ればパラダイスだ。

ところが、ある日そのパラダイスを求めて鳴らしてみたこの「ハプニングス」。でも何か変。今まで聴いていたのと印象が違う。理由はすぐにわかった。酒場に合わないのだ。同じパラダイスでも酒場に合うパラダイスと合わないパラダイスがあった。「ハプニングス」は後者だったのだ。あまりにも高尚すぎる。それにしても環境が違えばこうも感じ方が違うものなのか。あれほど好きだったのに困ったこまったコマドリ姉妹である。

とりあえず「ハプニングス」はそのうちCDでも購入して家で聴こう。でもまた店でもかける時間やタイミングが変われば印象が変わるかも。まだまだ何がどうなるかわからない日々。悪戦苦闘は続く。

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※お店情報
明日1日の日曜日は定休日。僕はヘイヘイズというR&Bのバンドで上屋劇場で行われる東北大震災復興支援チャリティーライブに出演します。5時から。僕らはトップで他にもいいバンドがたくさん出演します。入場料1000円で売り上げは寄付されます。みなさんぜひおこしくださいな。
ドナルド バード(以下ドン)が88年に発表した傑作アルバムを紹介します。

ドンほど60年代を通して自身の黒人としてのルーツや誇りを音楽に反映させようとした人物はいないのではないか、とは以前にもここで記した通りだけど、それは88年という時期にも全く変わっていなかったという事が証明される1枚であります。

情緒たっぷりのブラックネスが味わえるタイトル曲。自身のテーマ曲といっていい「フライ リトルバード」の再演にして劇演。ジャズブルーズを蘇らせた「ブルーモンク」と、全ての曲にドンがこれまで歩んできた道の奥深さと意味を感じない訳にはいきません。

参加メンバーである当時の新進気鋭であったケニー ギャレット、マルグリュー ミラー、スミティースミスらも、ここでは普段ではあまり感じられないソウル色てんこ盛りの好演で、ドンについていこうとしている姿が浮かんできます。若いメンバーを従えたドンのプロフェッサーぶりが大いに発揮されてるというもの。

ドンに限らず、周りが勝手に設定したその人の最盛期を過ぎた時期でも本当に素晴らしい作品を発表しているケースは無数にあります。我々はその事を絶対に理解してから、あーやこーやとへ理屈をこかないといけない、と強く主張したいのであります。


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※お店情報
まだオープンしたてで日々苦労してます。そのせいでもないですが先日、あの偉大なクリフォード ジョーダンの命日だったのを気づかなかった。知ってりゃ何か追悼したのに。不覚じゃ。
今日はおそまきながら同志と「クリフォード ジョーダン ビッグバンド」を夜中まで聴いて涙しました。
来年は没後20周年だ。アメリカに墓参りに行くか、店に坊主をよぶか。
マイルスと同世代のトランペッター、アート ファーマーが亡くなって、もう何年になるだろうか。今でも覚えているが当時にスイングジャーナル誌で読んだ訃報記事にはショックをうけた。

記事によるとファーマーが病気で亡くなったのはニューヨークの低所得者を収容する施設の病院だという。アートファーマーといえばトランペット界に独自のスタイルを築き上げた天才的プレイヤーである。リリシズム溢れるその音楽性は正に芸術といってよいだろう。

そんな人がなぜそんな所で生涯を閉じなければならなかったのか。アメリカという国はジャズは自国が生んだ唯一の芸術などと言っておきながら、その発展に君臨した者に対する扱いがこれか?音楽なんて所詮そんなものなのか。そして山のようにいる我々音楽ファンは、結局プレイヤーのためには何もならない存在なのか。色んな事を考えてしまった。辛い話である。

紹介するレコードはそんなファーマーの芸術を知るにはもってこいの1枚。Sキューン、SスワロウにPラロカという白黒混合リズムトリオにカーラブレイの曲を取り上げるなど、彼の音楽がいかにボーダレスなところにあったかが伺い知れるというもの。ファーマーにしかなしえない、時代を超えた傑作である。


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テキサスから来た猛烈テナープレイヤー、ブッカー アーヴィンは果てしなく俺をワルにしてくれる男だ。

このアルバムは奴の最高傑作であるばかりか、ジャズとは何かと聞かれた時はズバリこれだと答えてしまうくらい素晴らしい1枚である。

それは何故か?答えは簡単だ。田舎臭いから。砂埃を感じるから。6曲中4曲がブルーズ、ないしブルーズ的だから。そして酒場の音楽以外なにものでもないから。つまりそれがジャズだと。

恐らく当時のアメリカではヒューストンからメンフィス、シカゴ、デトロイト、フィリー、DCとどこの街の酒場でもこんな音楽が流れ、演奏されていたのだろう。クリントイーストウッドの映画に必ず出てきそうな酒場でだ。野郎どもはビールをくらい、入ってきたねえちゃんにちょっかいをかけ仕事のうっぷんをはらしていたのだろう。経営者兼ウエイトレスのオバハンはいつも愛想も口も悪いときた。

アーヴィンのジャズはそんなアメリカの至る所の酒場風景を今の世に知らしめてくれる生身のジャズだ。洗練もおしゃれも全く無関係。人生はホンキートンク。ビールのんでブルーズに踊り、涙する。ジャズは本来そんな奴らに支持されていた音楽ではなかったか。

うちもそんなジャズが似合う酒場でありたい。


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※お店情報
明日25日日曜日、29日木曜日、共に営業いたします。お待ちしております。
お馴染みリー モーガンによる、録音当時は未発表に終わっていた2つのセッションを収めたLP2枚組。そのうちタイトルとなった1枚目の方はショーター、ハービーを迎えた豪華メンバーでありまするが…。

その反面、2枚目の方はといえば、ジュリアン プリースター、ジョージ コールマン、ハロルド メイバーン、ウォルター ブッカー、ミッキー ローカーというやたらオタク心をくすぐる、当時のいわば半有名メンツばかりで録られた、やたらリラックスしたセッション。

言うまでもなく、僕は断然後者を愛してやまない訳なのであります。

60年代のリー モーガンのアルバムはとてもバラエティーにとんだものが多いのだけど、このセッションはそんな中でも、よっぽど集まった連中に気を使わなくても良かったのか、頭ひとつ抜け出してご機嫌な楽曲とプレイに終止しております。

特に気合い一発、手の抜き方を知らないメイバーンのピアノがとんでもなくハッピーでグルービー。おまけにドラム名人ローカーの叩くカリプソリズムが絶妙にからまり、正に極楽。他にも当時の映画なんかでよく使われている真っ黒な8ビートシャッフルやブーガルーなんかが決まりまくっていて、その手のモノ好きなクラブDJなんかにも大いにお薦めします。

ブルーノートの未発表というのは色々あって確かに面白い。でもそれらは必ずしも演奏の出来、不出来だけでは片付けられない、何かしら諸事情があっての産物であるようだ。地味なメンバーだけどこんなに楽しいセッションが何で発売されなかったのか。気になるところではある。


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世界中のジャズファンを魅了し続けるピアノトリオアルバム。みなさんもたくさんお気に入りのアルバムがあるでしょう。僕の場合はこれ、デューク ピアソンの「プロフィール」ブルーノートです。

まずは何といってもA面に針を置いたとたんに鳴り出す「ライク サムワン インラブ」のきらびやかさ。のっけから何という音の広がりなのだろうか。まるで清流に反射される木漏れ陽の様ではないか。それに自作の「ゲイトシティー ブルーズ」。どうやったらブルーズをブルーズのまんまここまでエレガントに仕上げる事が出来るのか。極上の気分にさせてくれるデュークピアソンの魔法にただただ引き込まれるばかりだ。ダチョウ倶楽部のリーダーに似てるという以外は全くケチのつけようがないではないか。完璧である。

改めて言うまでもないが、ブルーノートのタレント発掘能力というのは、どのレーベルよりも何歩も抜きん出ている。そのなかで一際きらびやかなうえにポピュラー感覚に溢れているのがピアソンだ。だから本当はもっとメジャーなレーベルでもいい仕事ができたかも知れない。しかしブルーノートだからこそこんな素晴らしい演奏が残せたのかも知れない。それに彼が黒人だった事も付け加えなくてはならないかも。

ただ判っている事は破格の才能に対して全うな評価を与えられないまま早くに亡くなってしまったという事。残念極まりない。残された全ての演奏を聴いてみたい、数少ないアーティストである。



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