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Doodlin' Records

神戸元町のバー「Doodlin'」店主がチョイスするジャズレコード紹介。
勝手気ままに書かせていただきます。

ご存知炎の男グリフィンが78年に発表したワンホーンアルバム。アフロキューバン仕立ての「チュニジアの夜」を17分にわたって演奏しとりますが、まあ相変わらず凄い吹きっぷり。呆れ嬉しいといったところか。

実はこれ、グリフィンの名前を覚えてすぐに中古で入手したのだけど、前出の「チュニジア」だけ記憶にとどめて、それ以来レコード棚にしまったまま、かれこれ20年くらい忘れていたもの。それが何で今頃ひっぱり出してきたのかというと、僕の友達の女性でやたらこのアルバムが好きな人がいたから。といってもその子とて別の知人の家で偶然聴いたらしい。因みに彼女も知人も特別にジャズファンではないとのこと。

で、CDで探したけどみつからんという訳で、僕がこの度購入したCDレコーダーで録音する事になって、今回久々に聴いたという次第なのだ。

ところがこれが良かった。もう全編冴えまくり。特に聴いた記憶さえなかったB面に収録された、R&B風「シンス アイフェル フォーユー」なんてたまらなく黒くてポップだ。なんでこんないい物を長い間寝かしてたのやら。

僕らジャズファンはすぐに時代を区切ってジャズを分類し、その理屈が邪魔をしてつい聴く前から70年代のジャズはダメなんて決めつける癖があるのだと思う。彼女のようにもっと素直な耳に戻さなければ。

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※お店情報
プロフィールのページにお店の地図を更新しました。何べんやっても上手く保存できなかったり、出来ても画像が真っ黒やったりで疲れたよ。去年までDTPの仕事してたのが信じられんわ。
ついでに何かアンケートみたいなのも更新してみた。
チャーリーラウズは好きなテナーマン10本の指に入る1人だ。しかしこの男、日米問わず非常に損な立場にいると思う。

ラウズといえばセロニアスモンクのコンボのテナーマンとして、長年活躍した事で知られるのだけど、いかんせんモンクのグループは前任テナーが悪かった。有名なジョンコルトレーンにジョニーグリフィン、レギュラーではないかも知れんがソニーロリンズもいいレコードを残した。ラウズはそれより後の、モンクが音楽家として一つのピークがすぎてからレギュラーとして加入した事になるのだが、それが悪かった。どーもその音楽的な下降がラウズのせいにされている節が、これまでのジャズ評論にしばしば見受けられるのだ。例えば「モンクは60年代以降、平凡なテナープレイヤー、ラウズと組んだがために、その音楽性を発揮することが難しくなった」とか「ここでもラウズのテナーはモンクの世界を表現するには物足りない」とか。中にははっきり2流と書いたものまである始末だ。

しかしこれははっきり言って的はずれもいいとこ。まずクリントイーストウッドの企画したモンクのドキュメント映画「ストレートノーチェイサー」を観ていただいたら解るが、モンクの下降は誰のせいでもなくモンクの精神的、または肉体的な事情による。そしてこの映画で観られるのはモンクとラウズの絶対的なミュージシャン同士の信頼関係だ。もう音楽から逃げる一歩手前のモンクに、根気よく1小節づつコードを確認していくラウズの姿をみて、モンクはこの男と出会ったために10年間音楽家として生き長らえたのではないかと想像する。そして決定的なのはこの時代のモンクも素晴らしい。

ラウズのテナーは、この当時の他のテナージャイアンツと同じく、一聴して本人と分かる個性がある。全体的にカスれた音色で、特に低音が乾いており、フルボリュームで鳴らしきっているため異様な迫力がある。しかも彼独特のフレーズをもっていて、僕はこれをラウズ節と名付けている。この素晴らしいテナータイタンの魅力は、絶対に一旦モンクグループから切り離して評価してあげないといけない。

前置きが長くなってしまったが、本作はジャズランドからリリースされた、超がつくほどの典型的なハードバップアルバム。曲目もファンキーなブルーズにバラード、歌物と揃っていて、中でも両面に1曲づつ入ってるアップテンポのナンバーは、この当時のジャズ特有のエネルギーに満ちあふれた快演で、最高にカッコいい。何といってもピアノのウォルタービショップとドラムのアートテイラーというメンバーの力が頼もしいし、トランペットも恐らくラウズと息がぴったりのブルーミッチェルというのが好ましい。このアルバムのリーダーもサイドメンも所謂ジャズジャイアントは1人もいないし、音楽的に何か進歩的な事を演っている訳ではない。しかし、数あるハードバップアルバムの中でも本作は少なくとも、僕の中では頭一つ抜けた痛快作である。そしてその中心にラウズのズ太いテナーサウンドがある訳だ。

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※お店情報
明日26日は、店主がヘイヘイズというバンドで三宮のアマーベルというレストランに出演するため臨時休業とさせていただきます。ご了承くださいませ。アマーベルはそごうを東へ、歩道橋をわたったポートライナー沿い地下です。僕らは8時から。ドリンクのみでもOKです。
1961年の元旦に5人の使者達はやってきた。空港に到着した時、彼らは今まで乗っていた飛行機にシナトラでも乗っていたのかと疑問に思ったという。ロビーは彼らを出迎える人達で溢れかえっていたのだ。そこから即記者会見、そしてパレード!何もかもが初めての経験。狐につままれた様ななんて表現は英語にあるのだろうか。

アメリカ本国では、彼等は音楽家である前に黒人であった。どんなに素晴らしい音楽を創造していてもだ。いやアメリカに限らず行く先々の国でもそうだっただろう。しかし日本の人達は違った。肌の色は関係なしに彼等を芸術家として、大スターとして心からもてなした。ブレイキーの言葉を借りれば「人間として、ヒューマンビーイングとして」である。子供達からはまるで野球選手のようにサインをねだられた。そして何よりも自分達の音楽を真剣に聴いて評価してくれる態度に心を打たれた。行く先々でミュージシャンに質問攻めにあったという。

今よりもはるかに差別が厳しかった時代にいきなりこんな国にたどり着いた彼等の気持ちはどんなだったろう。

このレコードはまさにそのメッセンジャーズの日本でのコンサート初日の様子を収めたもの。いわれてから聴いてみると5人が今までとまるで違う客の反応に戸惑いながらも、何か喜びと感動をもってプレイしている様子が伝わってくる。ラストの「チュニジアの夜」が終わってブレイキーは歓きわまって他メンバーにマイクをわたす。どれがショーターで、どれがティモンズの声かは判らないが、一人一人の挨拶は声が震えているし、誰か一人は泣いているように感じる。ジャズレコードでこのような感動を味わえるものが他にあるだろうか。深く感じるのは、これは結果的にただのジャズの記録にとどまらず、何かしら歴史が変わった瞬間を記録したものではないかという事。この後アメリカで急速に公民権運動が広まった事実をみてもだ。同時にかつてこれほどピュアな心を日本人が持っていた事に誇りを感じる。

ツアーに同行したブレイキー夫人は帰りの飛行機がホノルルにつくまで泣き続けたという。ブレイキーは全ての日本人は私の子供だと発言し、生涯日本を愛しつづけた。彼は日本でのステージ終了直後に倒れ、還らぬ人となっている。

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痛快百貫デブ、ご存知キャノンボール アダレイの数多いアルバムの中で、「サムシンエルス」とか「イン サンフランシスコ」「ノウファット アイミーン」などの人気盤を差し押さえ、一番当店のターンテーブルにのる回数が多いのが本作。

ヴァイブの巨匠ミルト ジャクソンを大々的にお迎えして、ウィントン ケリーにパーシー ヒース、アート ブレイキーというとんでもないくらいの強者を集めたセッションで、メンバー的にみても何でこれが名盤に数えられないねん!と反対に居直ってしまいたくなるくらいの傑作だと思う。

ただ何でここまで?という位真夜中度が高い演奏。おまけに果てしなくドス黒いときた。一体このメンバーの中の誰がこの雰囲気設定をしてしまったのだろう。多分ミルト ジャクソンのせいだと思うが、少なくとも僕はこのレコードを夜10時までに聴いた記憶はない。

そしてその辺がいまいち評価されていない理由の一つだったのかも知れない。黒い=コマーシャルな演奏という評価の風潮は確かに存在した。

しかし、それは昔の話であって僕はこのアルバムこそ現在の若者が聴が聴くべき作品であると常々感じている。本作の溢れんばかりの音楽的な高みと黒さ、そして聴きやすさは、充分現在のブラックミュージックのたくさんの要素に映し出されているからだ。

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来る5月7日に当店で行われる「BLUENOTE MONDAY ハービー ハンコック特集」のポスターが出来たよ

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同級生のデザイナーが作ってくれた。毎月特集アーティストの写真を変えて作ってくれるらしい。しかも当日は僕の持っていないレアなレコードも持って来てくれるらしい。
ありがたやありがたや。持つべきものはデザイナーでレコードマニアで酒のみの友。
一時大流行したサルサ!僕も踊った踊った。

で、このサルサだけど、確かにラテン音楽には違いはないのだけども、聞いた所によると元々ニューヨークを通して発展したラテン音楽を指してのものらしい。つまり中南米産ではなく、あくまでもニューヨークで育まれたスタイルがサルサと呼ばれるものだと。

といってもニューヨークのラテン事情なんて、それほどこちらに情報が入って来ないもんで、よくわからないというのが現状。最近は映画でもスパニッシュハーレムを舞台にしたものも増えてるらしいけど、なにせあの地域は観光ガイド本では立ち入りしないようになんて書かれているし。

そんななか、このプーチョの音楽を聴いてみると何となくだがその辺の事情が理解できそうな気がする。というのは紹介するアルバムの裏のライナーノートにはプーチョ自身がメンバーの経歴を記しているのだけど、それによるとこのバンドのメンバーはすべてロウアーイーストだのスパニッシュハーレムだのニュージャージーだのというろくでもない(失礼)地域出身のアメリカ人ばかり。中南米人はいないのだ。これでプーチョも字が書けるというのもわかった(失礼)リリースが黒人ジャズ専門のプレステッジだというのもこれで納得。

にもかかわらず音楽はもうたまらんくらいむさ苦しいラテンムード。恐らく血であろう。

同時にやたら洗練されててカッコいい。この部分が恐らくニューヨークの血なのだろう。

さて本盤はいくつかあるプーチョのアルバムの中では「いそしぎ」「ゴールドフィンガー」「イエスタデイ」なんて当時のヒット曲をとり入れたかなり聴きやすいもの。おかげでキャバレー度がだんとつ高くなっております。しかしそれがまたラテンなニューヨークであるのだ。パルケエスパーニャ!

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※お店情報
facebookはじめました。これでじゃんじゃん儲けてやる!ちっとも使い方わからんけど。
楽しいお知らせがあります。

来る4月18日の水曜日、神戸の波止場にあるライブホール「上屋劇場」にて開催される「メリケン ジルバナイト」というダンスイベントに僕のバンド、ヘイヘイズで出演します。

ジルバといってもとにかく踊るだけ!ドレスコードもなし、靴も自由です。かなり楽しいパーティーになるでしょう。しかも入場料は1ドリンク付きで1200円。しかものしかも前売りなら1000円!超安いでしょ?前売りはDoodlin'でお求めいただけます。

メリケンジルバナイト
7時30分~(ヘイヘイズは8時~)上屋劇場 お一人様でもへっちゃらだよ!

当日お店は10時からの営業になります。


JM~マイルス クインテットときたら次は当然我がヒーロー、ホレス シルバー クインテットの登場だ。

トップクラスの最強バンドを率いていたのにブルーノート1社からアルバムを発表してきたからか、オフィシャルな形でのライブ盤はこの1枚のみ。

しかしミッチェル&クックをフロントに配した本盤は間違いなくグループの最高に高揚した瞬間をとらえているばかりか、ジャズ自体の一番熱い状態をも記録していると言っても過言ではない。とにかく尋常ではない躍動感と疾走感は、とうてい言葉では言い表せられないだろうし、その必要もないだろう。問答無用の痛快さに何度聴いてて雄叫びをあげたことやら。間違いなく永遠の白熱盤として一生聴き続けるであろう僕の宝物だ。

そしてこのバンドのテーマが「クールアイ」。やっぱり他バンドに比べて頭ひとつ抜け出してファンキーな名曲だ。もうのっちゃうのっちゃう!バンドテーマはこうでなくては。ライブにつきホレスの打ち出すカウントまで聞こえるのがたまらなくかっこいい!

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以前紹介した「マイルストーンズ」と並ぶマイ マイルス フェイバリット。

64年のニューヨークでのコンサート実況録音盤でメンバーはハービー、ロン、トニーのリズムセクションにテナーがジョージコールマンである。

マイルスクインテットのテナーはこの後のウェインショーターの時代のものが何といっても評価が高いし、作品数も多いのだけれど、僕は断とつジョージのいた頃の方が好みだ。ショーターは確かに僕のアイドルなのだけど、このクインテットの音楽に関してはどうもやたら難しくて僕にはしっくり来ない。凄いんだろうけど何かお高くとまっている感はどうしても拭えません。

それに比べてジョージがいた頃はまだまだ基本的にオーソドックスで安心して聴ける事が出来る。そして彼らのカッコ良さはこういった状況こそ発揮されてると思う。全曲に溢れるスイング感とダンディズムは正に白熱ものだ。観客の興奮がそのままダイレクトに伝わってくる。

そしてAB両面の最後に出てくる「テーマ」の何と楽しい事。

しかしジョージは結果的にはレギュラーとしては短命に終わる。マイルスは気にいっていた様なのだけど、どうもハービー、トニーとはうまがあわなかったらしい。そのあたりはマイルス自叙伝に詳しいのでぜひ読んでみてほしい。


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※お店情報
昨日の第1回BLUENOTE MONDAY「ジャッキー マクリーン特集」は参加者1名で大好評のうち終了いたしました。それにしてもマクリーンってよく聴くとほんとにテンション高い。頭が痛いぞ。哀愁のアルトなんて呼んだのは誰だ?
さてBLUENOTE MONDAYですが、当初週1回としていたのですが、昨日の緊急会議の席において月1回、第1月曜日に開催する事になりました。そして特集アーティストは2枚に1枚の割合でとりあげていきます。
気になる5月はハービー ハンコック特集です。参加者倍を目指してがんばります。お楽しみに。