Mtフジジャズ祭はブルーノートの伝説のスターを思う存分に拝聴できて、正に夢のような3日間であった。思い出すだけで、アートブレイキー、ハービーハンコック、ジミースミス、フレディーハバード、スタンレイタレンタイン、ジェームズスポールディング、マッコイタイナー。ああこれが現実だったのかといったぐあい。
そんな中で若き僕を最も興奮させてくれたのが、旧ブルーノートとはあまり縁のないドンプーレン=ジョージアダムスカルテットだ。このグループはチャールズミンガスにゆかりある人達で結成されたバンドで、ドラムは当然あのダニーリッチモンド。といっても当時の僕は彼等の存在さえ知らなかった。しかし彼等のヴァイタリティー溢れるプレイは理屈など関係なく20歳のハートを鷲掴みにしたものだ。
そしてそのバンドの最も印象深かったナンバーこそ、プーレン作の「ソングフロム ジ オールドカントリー」。ラテンリズムで哀愁感のあるメロディーに最高にのりまくったソロが延々と続く。今でもあの時の興奮が蘇ってくる様だ。この曲はこのお祭りがきっかけとなり、一時ジャズファンの間で話題になった。多分ジャズ界最後のヒットメロディーであろう。
あれから25年。今ではカルテットの4人のうち、3人までが天国に召されてしまった。僕は今でもたまに同曲収録のこのレコードをひっぱり出しては聴き込んで当時をふりかえってしまうのだ。
