こんにちは、どにゃです。
先日mjnekoさんからお裾分け頂いたコチラのミドリイシ。
これについての考察です。
(注:あくまで無知な素人の「独り言」です。学術研究レベルではありませんし、言葉足らずだったり正しい保証も確信もないので悪しからず・・・)
なお、種類がちょっと分からないので以降は敬愛の念を込めて「nekoミドリイシ」と呼ばせて頂きます。(笑)
コレ、
インディゴブルーのような、
ブルーバイオレットとでもいうか、なんとも
濃ゆい色をしていますよね。
せっかく珍しい色のサンゴを頂いたので、なんとか維持・成長させたい!ということで分析の為、早速手持ちのF.P.ドクターを当ててみたところ、400nm,450nm,475nm共にポリプ以外には反応がありませんでした。
↓400nm照射
周囲のサンゴは蛍光反応していますね。
ということは、少なくともこの本体の色は400nm~475nmに励起される
蛍光タンパクによる発色ではないことが分かります。
では
それ以上かそれ以下の波長に励起される蛍光タンパクの可能性は?というと、エイジさんのコチラの記事
「LED講座:UV≠紫外線?」を見ると、マリンアクアリウムに於ける蛍光タンパクが励起される波長域に関しては、
「およそ400nm~600nm程度」と記載されています。
さらに読み進めると、バイオレット蛍光タンパクやブルー蛍光タンパクを励起させる波長は
400nm前後であることが分かりますので、そこに反応がないことからこの
nekoミドリイシは蛍光タンパクによる発色ではなく、
光合成色素によるものかと思われます。
いや、もしかしたらもっと下の
400nm以下のUVに反応するのかもしれませんが、
400nmにピクリとも反応しない点や、nekoさんのT5環境でそこまでのUVが出ているのかを踏まえるとちょっと疑問です。
ということで、仮に
光合成色素であるという前提で進めます。
もし光合成色素である場合、コチラの記事
「雑学5.光合成色素の種類」からわかるように、青色の光合成色素の代表はフィコビリン系の
フィコシアニンです。画像をお借りします。
(※これに関しては追記訂正があります。)
フィコシアニンが要求する波長域は図の通りです。
この辺は出力の大部分をシアン~UVに振ったフルスペの比較的苦手とされる域ですね。(汗)
対して、T5の白系ランプ、ATIのaquablueSPの波長はと言うと・・・
600nmこそ欠落しているものの、まさにフィコシアニンの要求する波長にピークがあります!うむむ・・・。
この色の秘密はここか?
なんてことを考えていたら、なんともいいタイミングでエイジさんから
掲示板にこんな投稿がありました。
mjnekoさんに頂いたミドリイシってこんなんじゃないですかね?(↑掲示板に画像あり)
これは10年前に僕が持ってた奴ですが、当時はこれが蛍光なのか色素なのかよく判りませんでした。
今度、400nmあるいはUVライトが入手できたら当ててみてください。
当
時は水槽の中段だと褐色化が進んだので、ハナヤサイと並べて250W
10000K直下に置いたらなんとか色も戻り維持できてました。UVが要るのかなぁと考えてました。400nmで済むならフルスペで楽勝かも知れません
が、もっと下のUVが要るなら維持できるかどうか。。。?
ちなみに僕のはブルーと言うよりバイオレットでしたけど。そして返信にF.P.ドクターに反応がない旨、光合成色素ですかねと尋ねると、
やはりこのミドリイシでしたか。
蛍光反応から見ても、スギノキブルーなんかとは別物ですね。
考察されたように色素色のようなので、特性は確かにフィコシアニンに近いかも。
そうなれば、ハナヤサイよりも浅場環境が必要かな。赤の波長も。。。
確かに3波長蛍光灯が持つ赤のピークも有効ですが、610nmよりも580nmが効いてるかも?
これはT5の場合、白系さえ入っていればまかなえる波長です。
LEDならデコライトの3000Kあたりも手っ取り早いですね。
メタハラならやはり6500Kが楽だろうなぁ。。。
とりあえず現状のままでいくなら、白ch多めで水面に近づけて日中ガンガン、のパターンかしら。とお返事を頂きました。
エイジさんが当時維持されていたサンゴはメタハラ10000Kで、サンゴはブルーと言うよりはバイオレットですが、種類はおそらく同じっぽいです。(掲示板画像)
比較的滑らかな波長域のメタハラに対して、T5などの三波長蛍光灯はスペクトル図からもわかるようにピークが極端です。
以前エイジさんに相談した際、
「T5は緑の帯域がピンポイントで狭いため、ピンクも赤も単調な色彩にまとまりがちです。」とアドバイスをもらいました。
その為、エイジさんがメタハラで維持していた時よりもピンポイントにブルーが発現しているのかも?と思いました。
これは私の単なる想像ですが。
以上が
nekoミドリイシに対する私の考察です。
もしこれが正解だった場合、T5環境の方ならこの色を維持できる可能性が高いでしょう。
同じ枝打ち個体を引き受けた有田さんや俺海さんはT5ですから大丈夫かもしれません。
そして私は・・・残念ながら、現状では厳しいかもしれません(´・ω・`)
ウチは蛍光タンパクを持たないサンゴが苦手です。
仮にエイジさんの提案のLEDデコライト3000Kを追加したとしても、スペクトルバランスはT5のそれとは異なりますから色合いは若干変わってくるかもしれません。
「T5は面白い色の揚がり方をする」なんて一文をどっかで見たことがありましたが、その秘密は
ピンポイントで狭いピークによるものなのかもしれませんね。
以上、素人が聞きかじっただけの戯言でした。
間違い等あればご指摘下さい。(汗)
【追記】ここまで書いたところ、記事UP後にエイジさんから訂正を頂きました。
「フィコシアニン、フィコエリトリン等のフィコビリン色素は主に海洋では海藻類から抽出されているそうで、性質は似ていてもサンゴの色素とは厳密には異なります。はずです(笑)」とのことでした。
より詳しい解説はここでは省略しますので、詳細は1.023worldの掲示板「
KR93SPについて【3】」をご覧下さい。
一言でまとめると、海藻類の
フィコシアニンではなくミドリイシ由来の色素で考えた場合、バイオレットからブルーにかけての色素が吸収する波長は580nm前後となるそうです。
なのでフィコシアニンの610nmあたりとは少しズレますね。
ただいずれにしても、ATIのaquablueSPの波長には580nmのピークもありますので、有効に作用する可能性が高いのではないかと思われます。
掲示板の方が分かりやすく、また参考になると思いますので興味のある方は是非目を通してみて下さい。
エイジさんご協力ありがとうございました。
しかし・・・訂正前に一瞬だけこの記事をアップした際にお読みになられたそうで、nekoさんから新たな事実が告げられました・・・。
なので続くかもしれません。(笑)