ブリードミドリイシの土台から生育環境を探る。 | 夜明けのマリンブルー

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さんごとおさかなでインテリア水槽を。

こんちは、どにゃです。

最近は全く購入しなくなってしまいましたが、以前はブリードミドリイシをよく購入していました。

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そこでいつも思っていたのが、「どんな環境(水深)で育てられたのだろう?」ということでした。


しかしショップさんに尋ねても把握していませんし、私自身もそんなことを調べる術はありませんのでどうしようもありませんでした。

しかし最近ふと思いついたことで、かつ似たような記述を見たコトもないので書いてみたいと思います。


今回は光の話なので水質に問題がない前提で進めます。




まず、ウチの水槽は陰になっている部分を除くと石灰藻がほとんどつきません。
よくライブロックの良否の指標のひとつとして石灰藻について触れられてますし、水槽の調子の指標として語られていたりもします。

しかしウチでは石灰藻がついたライブロックを入れても光の当たる場所から白っぽくなって消えていきます。


そもそも、宮古島旅行記の水中写真をご覧頂ければわかるとおり、超浅場のSPSが生息する場所の岩肌には藻類が繁茂していて石灰藻はほとんどありません。
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水槽内だったら「コケまみれ」と言われるレベルです。(笑)

海外は未経験なのでわかりませんが、少なくとも宮古島であちこちのポイントでシュノーケリングした限りでは、その程度の水深で石灰藻がビッチリという場所はなかったです。


つまり「超浅場のミドリイシと石灰藻」は実に不似合いなワケです。

石灰藻が何mくらいから生え始めるのかはわかりませんが、少なくとも青い光が好き(赤い波長が嫌い)なので、もっと深い場所に生えますからLPS水槽が最もマッチするでしょう。



つまり水槽に石灰藻が生えるということは、その水槽の光環境(強度や波長)が「中場~深場を再現している」ということになります。

イコール、「それでは浅場ミドリイシの飼育はできない」という意味ではありませんが、少なくとも光環境は超浅場の再現にはなっていないと言えます。




ところがブリードミドリイシの土台に着目してみると、まるでライブロックかのように石灰藻がしっかりついているものがあります。
逆に、石灰藻があまりついていないものもあります。
被覆具合で接着からの経過時間も考慮して下さい。
コケや海藻などの藻類はショップさんが入荷時にクリーニングする場合もあるので何とも言えません。


「石灰藻は浅い場所では生えない」という条件を前提とした場合、そのサンゴが育成された環境をある程度絞れるかもしれません。


浅場のミドリイシを育成する際にあまり深い場所だと作業が困難ですし、最低限の光量は必要なはずですからそこまで深くは沈めていないと思われます。


しかしこれだと、それほど深くないにもかかわらず石灰藻が生える、ということになります。
つまり光はやや弱く波長もやや深場よりの環境だったと考えられます。

一瞬矛盾していて意味不明ですが、この条件を可能にするのがあります。

「濁り」です。

濁りさえあれば、それほど深くない場所でも光量が下がり、スペクトルも減衰されやすい帯域が低下し、深場(青)寄りへとシフトします。
逆に、藻類が多くついたもの(石灰藻が少ないもの)は透明度が高い海域で強い光を浴びていたことになります。



私は実際に養殖場を見てきたワケでもありませんし、あくまで一定の条件を基にした想像に過ぎませんが、あながち間違ってはいないような気がしています。

で、つべで探してみたところ、いくつか見つかりました。


こちらはかなり浅い場所なのがわかります。
砂地なので多少濁りがあるのかな?



後半で出てくるサンゴの個別写真を見ても、土台には石灰藻はなく、藻類が生えています。

このサムネ、太陽光で見てこの色ってヤバいですねw

このようにメンテナンスをされているようです。




こちらは2-3Mくらいでしょうか?透明度はボチボチ?
サンゴが成長していく様子も写されています。




こちらは少し深い場所で、濁りもあるように見えます。




こちらは引きの映像なのでサンゴの種類がわかりにくいですが、序盤~中盤~終盤と順に深くなっているようです。
終盤の場所はLPSなのか、かなり深そうです。





撮影時の干満や天候や水質の違いもあるので一概には言えませんが、
やはり浅い場所ほど石灰藻が少ないのは間違いなさそうです。
水槽でも、青みが強い照明ほど石灰藻が繁茂しているイメージが強いですからね。



というワケで、ブリードミドリイシを最初にレイアウトする際は土台の状態を観察して、石灰藻が多ければ光が弱め(青め)の場所へ、少なければ白い光が強い場所へ置くと色合いがよりキープしやすいかもしれません。
もっとも、同じロットのサンゴなら同じファーム出身ですから置かれていた場所もほぼ同じハズですけどね。
その後はサンゴの反応を見ながら調整するといいでしょう。


サンゴの色や種類で置く深さを考慮するのもアリですが、導入時はなるべくそれまで育った環境に近い方がサンゴにとってはストレスが少なく済むと思います。
ショップの長期在庫で人工の照明に慣れた場合は当てはまらないかもしれませんけどね。

今回は分かりやすくブリードで考えてみましたが、この考察はブリードに限らず土台付きのワイルドでも当てはまると思います。


どこに置いたらいいかわからない!という方の参考になれば幸いです。


昔の自分に教えたかったなぁ。(笑)



ま、石灰藻だけで100%判断はできないと思いますし、何の根拠も裏付けもない素人の戯言です。
全然当てはまらない可能性もありますので悪しからず。