マンションの寿命と資産価値|長持ちさせる管理と住民の行動とは? | 佐藤竜志 オフシャルブログ

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はじめまして
不動産業25年以上の経験から、不動産に関することはもちろん
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マンションの寿命を延ばし資産価値を守る方法を不動産歴25年のプロが解説。国交省ガイドラインをもとに、管理・修繕・居住者が今日からできる行動までわかりやすく紹介します。

こんにちは、本気不動産の佐藤です。

今日は「マンションの寿命をどうやって延ばし、資産価値を守るのか」という、とても大切なお話をします。

最初に結論からお伝えします。
マンションは“誰か一人”が頑張っても長持ちしません。
共同住宅だからこそ、“みんなで守る資産”なんです。

 

 


■ マンションの寿命は「管理」と「意識」で変わる

よく
「このマンション、あと何年もつんでしょうか?」
「将来、住み続けられるのか不安です」
というご相談を受けます。

正直に言うと、
建物の寿命は築年数だけでは決まりません。

・どんな修繕を
・どのタイミングで
・どんな意識でやってきたか

この積み重ねで、10年単位で差が出ます。

私は不動産歴25年、
売買1200件以上、査定4000件以上を経験してきましたが、
「築年数は古いのに、なぜか高く売れるマンション」
「新しそうなのに、敬遠されるマンション」
この違いは、ほぼ管理状態です。


■ 国交省ガイドラインが示す「寿命を延ばす5つの要点」

マンション管理の基本になるのが
**国交省の「長期修繕計画ガイドライン」**です。

約80ページありますが、今日は要点だけお伝えします。
※なお、費用目安は今の物価だと1.3〜1.5倍で考えるのが現実的です。

① 鉄部・金物・ドアなど“身近な劣化”

玄関ドアのガタつき、
金物のサビ、
ゴムの劣化。

こうした細かい部分、実は資産価値の印象を大きく左右します。
「なんとなく古い」「管理が雑そう」
そう思われる原因は、だいたいここです。

② 設備・照明・機械・通信網

エントランス照明、
エレベーター、
消防設備、
インターネット回線、
受水槽やポンプ。

生活の安全と快適さ=資産価値
定期点検を前提に、修繕計画へきちんと反映されているかが重要です。

③ 給排水管は「共用部分」が命

室内だけ配管を交換しても、
共用部分が古ければ赤水は止まりません。

大規模修繕のタイミングで
共用管の更新が計画されているか
ここは必ずチェックしてほしいポイントです。

④ 外装は“見た目”と“安全”の両方

タイル、モルタル、吹付、石張り。
浮きや剥離は、
見た目だけでなく落下事故のリスクにも直結します。

古くても
「このマンション、きれいだな」
そう思われる建物は、ちゃんと評価されます。

⑤ 防水工事は最重要

水は建物最大の敵です。

屋上、バルコニー、外廊下。
クラック自体よりも、
そこから水が入ることが問題。

特に北海道など寒冷地では、
凍結と融解の繰り返しで劣化が一気に進みます。
防水を怠ると、鉄筋が錆び、建物の寿命は一気に縮みます。


■ 今日から居住者ができる3つの行動

難しいことは必要ありません。

① 清掃

バルコニーや外廊下の埃を取るだけで、
水はけが良くなり、防水の寿命が延びます。

② 早めの報告

「ちょっとおかしいな」
と思ったら、管理組合へ一言。

小さな補修で済むものを放置すると、
後で大規模工事=大きな負担になります。

③ 湿度・結露対策

室内湿度80%は完全にNGです。
結露は内側から建物を傷めます。

換気と原因の把握、
これも立派な“建物メンテナンス”です。


■ 知ることが、行動を変える

国交省のガイドラインは無料で読めます。
全部読まなくても大丈夫です。

「どこが傷むと寿命が縮むのか」
これを知るだけで、
清掃・報告・意識が変わります。

また、
自分の階だけで判断せず、
気づいたことは声に出して共有してください。

マンションは、
上から傷みが出る建物です。
他人事ではありません。


■ 購入前・居住後に必ず確認してほしいこと

・修繕計画の内容
・今、マンションで起きているトラブル
・見た目がきれいに保たれているか

築年数より、中身と管理です。


■ まとめ

マンションの寿命と資産価値は、
知識 × 行動 × 共有で守れます。

特別なことは不要です。
今日からできる小さな積み重ねが、
10年後、20年後に大きな差になります。

質問や気になる事例があれば、
コメント欄や公式LINEから、ぜひ聞いてください。

それではまた次回。
本気不動産の佐藤でした。