こんにちは、本気不動産の佐藤です。
「このマンション、フルリノベーション済みって書いてあるけど、本当に“リノベ”なの?」
最近、お客様からこんな質問をよくいただきます。
結論から言えば…多くの場合、“リフォーム”を“リノベーション”と表現しているケースがほとんどなんです。
今日はそんな「リノベーションとリフォームの違い」から、「本物のリノベをするための注意点」「マンション特有の制約」「売却戦略」まで、まるっと解説します。
リノベーションとリフォームの違いを明確に!
そもそもリノベーションって何?
「リノベーション」とは、住宅の性能そのものを向上させることを目的に行う工事のことです。具体的には以下のような内容が含まれます。
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断熱材を新たに吹き付ける
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間取りを大幅に変更する
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スケルトン(骨組み)状態から再構築する
つまり、ただキレイにするだけでなく、「住宅の質」を一段階引き上げるイメージです。
一方、リフォームは?
「リフォーム」は劣化した箇所の修繕や表面的な変更を指します。
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壁紙の貼り替え
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設備の交換
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床材の変更
これらは見た目はきれいになりますが、住宅性能自体は変わりません。だから、広告の「リノベ済マンション」が全部リノベーションか?と言われると、ほとんどが“リフォーム止まり”なのが実情です。
リノベーションで後悔しないための3つの注意点
1. スケルトンリフォームの誤解に注意!
「全部スケルトンにしてフルリノベします!」なんて業者の話、聞いたことありませんか?
でも実際には構造体を残して再構築できる範囲には限界があります。
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マンションの場合、共用部分には手を加えられません
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天井・壁の厚みにより、断熱材の施工範囲も制限されることがあります
しっかり事前確認をしておかないと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することに。
2. マンション特有のルールに要注意!
マンションは専有部分と共用部分に分かれており、共用部分に関しては原則手出しNGです。
例)
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サッシ(窓枠)や玄関扉は共用部分
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排水管の接続位置も共用部との兼ね合いで変更不可なケースあり
また、管理規約に「工事は管理組合の許可が必要」と定められている場合もあります。マンションごとにルールが異なるため、しっかり確認しましょう。
3. 専門業者の選定がカギ!
せっかくのリノベーション、トラブルがあっては本末転倒です。
設計から施工まで一貫して対応できるリノベ専門会社の選定がポイントです。
さらに、不動産会社との連携が取れているとベスト。
「この物件なら、ここまで工事できますよ」といった事前情報が得られ、スムーズに進行できます。
構造・配管チェックも忘れずに!
リノベーションを進める際は、「この物件、本当に自由に間取り変更できるの?」という視点も重要です。
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ラーメン構造:柱と梁で支える→比較的自由度が高い
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壁式構造:壁で支える→間取り変更がしにくい
また、水回りの位置変更は、配管の傾斜(勾配)や距離がネックになることも。
「トイレを別の場所に移したい」と思っても、排水経路的に無理…なんてこともあるので、配管の位置は慎重に検討を。
リノベ後の販売もOK!ただしポイントは「戦略」
「将来、リノベ済物件として売却できる?」というご相談もあります。
もちろん可能ですが、気を付けるべきは以下の点です。
NG行為をしていないか確認!
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共用部分を勝手に工事していないか
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管理規約に違反していないか
こういった違反があると、売却時に大きなトラブルになります。事前に管理組合へ申請し、記録を残しておきましょう。
適正な価格設定と売却戦略が重要!
リノベーションしたからといって、過剰に価格を上乗せするのはNG。
買い手が求めているのは「利便性」や「デザイン性」など価値のバランスです。
信頼できる不動産会社と連携して、ターゲット層に刺さる販売戦略を立てましょう。
まとめ|リノベは正しく理解して正しく進めよう
いかがでしたか?
「リノベーション=なんでも自由にできる」と思い込むと、後々のトラブルにつながります。
構造の把握・配管の確認・管理規約の確認・専門業者の選定…どれも手を抜けません。
そして、もし将来の売却も視野に入れているなら、売りやすいリノベーションを意識することも大切です。
リノベも不動産も、「正しい理解」と「適切な段取り」が成功への近道です。
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