親知らず
何故このタイミングで痛むのだ
静まれ鈍痛
とりあえず、様子見て大人しくなるのを待とう。
18時30分に学校に戻る予定があって
それまで津田沼で暇潰ししていた。
なんとなく前から気になっていたカフェに行く気になった。
時刻は16時54分
中途半端な時間だ。
どうしよどうしよと思いながら幕張本郷で乗り換え、私は京成線に乗っていた。
慣れない京成線
人も多くてイライラしていた
結構遠い
勝田台までの駅数はたいしたことないのに妙に長く感じる。
勝田台に着くとやっとほっとした。
だけど時間がない
北口を出て急いで向う。
ただまっすぐなのに遠いなぁ
どこにあるんだろう
と思いキョロキョロしていた。
寒いし、よく分からないし、とにかく早く見つけたい。
マフラーに顔を埋めて、音楽のリズムに合わせ、足早に歩く。
とにかくまっすぐまっすぐ歩く
みっけた
TRAIN CAFE (勝田台)
店内に入ってびっくりした
あ、小谷さん
と思った。
小谷さんとは中学校時代に楽器を教えてくれたプロの演奏者で、
音楽家にありがちなちょっぴり神経質で面倒なおっさんなのだ。
コーヒーとタバコが大好きで、
小谷さんが歩くといつもその匂いがして、
それでいて私はその匂いが大嫌いだった。
私は
お前は泣かないから上手くならないぞ
という理論のようなそうじゃないようなことを言われたことがあった。
泣いてうまくなるならみんなやっとるわ
当時の私はずっと思っていた。
結局卒業するまで1回も泣かなかった。
よく見たら、そこにいたのは小谷さんではなく普通のサラリーマンだった。
余計なこと思い出したわ
そう思いながら席に着く。
つり革やシート
まさに電車内といった感じだ。
豆電球がちかちかして可愛らしく、電車特有の広い窓ガラスからは外が見下ろせる。
ここはちょっとした高台にあって見晴らしがいい。
小谷さんのせいでコーヒーを飲む気がしなかった。
じゃ、抹茶オレで
愛想のいい店員がせっせと作り始める
2人いるらしく、
明日は雪らしいわよ
という主婦っぽい会話が聞こえてくる
きめ細やかな泡と鮮やか緑
芝生に積もった雪みたい
砂糖が控え目なので抹茶の味がしっかりしていた。
翡翠色だ
そして驚くことに
店内の奥で店員さんがゴソゴソすると、
その振動が伝わって私のシートがゆらゆら動くのだ。
この天井の低さと狭さが一人で来るにはちょうど良い空間だった。
時間が迫ってる
ドアを開けると、
ぴゅーっと冷たい空気が入ってきた
帰り道
行きに感じていたほど遠くはなかった。
駅前に大判焼きの露店
それを見て、小さい時に父がよく買ってくれたのを思い出した。
当時は美味しさがよくわからず、少し物足りなくて、よく文句を言っていた。
今、何してるのかなぁ
どうせテレビでも見てごろごろしてんのか
と考えると家に帰りたくなってしまった
幕張本郷にあづさのシート
おじいちゃんおばあちゃん元気かなぁ
今日は色々な人のことを思い出した
知らない道を歩くと、少し不安だからなんだか遠く感じる。
慣れない電車に乗ると、少し緊張するからいらいらしてしまう。
だけど、知ってしまえばなんてことはない。
春休みが待ち遠しい





