大学の近く、西千葉の駅前にあるわーさんの家は細い道をしゅっと入るとある。
最初の西千葉の印象は、学生の街にも関わらず、活気がない。寂しい。というものだった。
そんな西千葉にも、お気に入りのカフェがあった。
ラーメン屋の二階にあるそのカフェに初めて入った時は驚いた。
ガストしかないと思ってた西千葉にも
こんな素敵なところがあるなんて。
西千葉はどこか殺風景でカフェというカフェもほとんどなく、最低限の買い物しかできないと勝手におもっていた。
だけど、屋根裏部屋みたいで心落ち着くこのカフェは4年間ことあるごとに訪れる大切な場所となった。
cafe STAND(西千葉)
階段を登り、木のドアを開ける。
数席のテーブル席とカウンター席。
壁にはたくさんのサイン。
特に窓際の水色のテーブル席が好きで、いつもそこから外の景色を眺めていた。
昼は賑わうが、夜はスピーカーから流れる音楽が身にしみ、朝には爽やかな空気と贅沢なモーニングを楽しめる。
私は人が少ない朝と夜に行くのが好きだった。
時間の流れが遅く、考え事をしたり、気持ちを落ち着かせたいときには必ずこのカフェに来た。
毎回、面接の前日にはリラックスをして、卒論で疲れたときにはとりあえず珈琲を飲んでリフレッシュをする。
東京の友達が来たときにはおしゃべりに花を咲かせ、
わーさんと喧嘩して大荷物を持って、もう二度と西千葉には来ないと決めたときも寂しくなってこのカフェに来た。
とにかく思い入れが強く、西千葉のカフェと言われて真っ先に思いつくのはここだった。
だから西千葉を離れる前に絶対に行っておこうと決めていた。
北海道旅行から帰ってきたらすぐわーさんは引っ越すことになるので、北海道旅行の前日の朝、ここで最後に食事をした。
もう暫く来れないと思うと、一口一口じっくりと味わいたくなった。
きっと最後の日には泣いちゃうなぁ
って思ってたけど、わーさんの西千葉の家とふつうにお別れすることができた。
でも、きっと、あの家でわーさんに怒ったり、泣いたり、笑ったりして過ごしてきた日々は忘れられないし、
また新しい家でもそんな風に過ごしていくんだろうな。
次はどんな人があの家に住むのかなぁ
と思いながら、お世話になった西千葉を後にした。
また西千葉に戻ってきたときも変わらずにあのカフェが迎えてくれますよーに。


