前回のコメントで、現在サッカーに夢中な小4の息子さんに関し「将来サッカー留学を考えていますが、どのタイミングで行くのが良でしょうか?」というご質問を頂きました。本日はこれをメインテーマに書かせていただきます!興味深いご質問ありがとうございます!
ちなみに2度目のコメントで「晩熟対策としての留学」をお考えということが分かりましたので、一般論としての留学時期についての話と、晩熟対策をメインとした話に、大学サッカーの話を絡めて書かせていただきます。あやぶさん、及びお読み頂いた方に少しでも参考になりましたら幸いです。
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まずコメントのご返信で書かせていただいた通り、何が正解かはまったく分からない、というのが正しいお答えになると思います。下記に個人的な考えを書きますが、僕がお勧めしないやり方で素晴らしい経験が出来る場合もあるでしょうし、僕のお勧めするやり方でやっても色々残念な事になってしまうことだってあり得ます。これを大前提とさせていただきます!
ただ留学はとても大きな費用がかかります。2週間程度の短期でも4~50万、1年レベルの留学になると3~500万かかるのが一般的です。かなり大きな投資ですよね。当然投資したものに対して、なるべく大きなリターンを得たいと誰でも考えると思います。
これについて僕なりの意見を書かせていただきます。と言っても留学にも2週間レベルから1年を超えるようなものまで色々あります。まずそれぞれに思うところを書いてみます!
■超短期留学(10日~2週間程度)
まず中学生以下の場合、2週間程度の短期留学ではあまり大きな意味はないと考えています。もちろん現地で受けた衝撃が子供のサッカーに対する取り組みを根底から変えてしまう、みたいなことが起きることも稀にはあり得るとは思います。人生何が起きるか分かりません。
ただ単発の短期留学は大概の場合観光の域を出ないのではないかと思います。思い出にはなるけど、、、というイメージです。日本サッカーも今かなりのレベルまで来ているので、国内でも十分に学べる場所はあると思います。
ただしプロを目指せるレベルの高校年代の選手が短期日程で渡航して、ヨーロッパや南米で現地のハイレベルチームと試合して、もしくは一緒に練習して様々な刺激を受けて帰る、みたいなのはもちろんありと思います。高卒でプロになるような子にはむしろ必要とも思います。逆に日本で苦労しているのに超短期留学というのは、高校年代でもほぼ意味がないと思います。
■短期・中期留学(3週間~2カ月)
3週間を超えると「観光」から「経験」になる可能性は高くなると思います。サッカーだけでなく異文化体験としても意味が出てくると思います(個人的にはそっちの方が大事に思います)。2カ月になればいろんな面で十分良い経験となるのではと思います(もちろんその中身次第ですが)。
お金に余裕があり、十分にそのお金をかけられる状況にあれば小学校年代から毎年スペインに3週間行く、みたいなことも良いと思います。今スペインが明らかに世界で頭一つ抜け出したのは間違いないですから、毎年スペインのサッカーに触れて、その中での自分の立ち位置を確認する、みたいなのは大きな意味があると思います。
しかし日本サッカーは基本的にオフシーズンがありません。夏休みもほとんど休みらしい休みがないチームも多いです。すると3週間程度でもチーム練習や試合を休んで渡航することになります。そこはリスクがあると考えていた方が良いと思います。
日本の場合、まだまだ村社会的な文化が残っているので、例えサッカーの為でもチーム練習を休むと良い顔をされない場合も多いようです(もちろんチームに寄ります)。これが2カ月になると、得られるメリットも大きくなりますが、リスクも更に大きくなります。2カ月になるとチーム練習だけでなく学校も休まないといけなくなりますしね。
また海外のサッカーと日本のサッカーは基本的に違います。もちろん日本国内でもチームによって違いがあります。評価されるポイントも違います(もちろん共通する部分も沢山あります)。海外で学んだことが非常に有益であっても、それがチームにフィットするかどうかはまた別の問題です。
チーム練習や試合、大会等を休んで海外に行き、チームとは違うプレースタイルを学び、帰国して合流した際にチームでの立ち位置がどうなるか?ここにはある程度リスクがあると思っておいて良いと思います。
なるべくチーム練習を休まずに渡航できるとすれば、中学卒業時がチャンスかもしれません。しかしそれでも3週間も確保するのはなかなか難しいですよね。卒業式、卒業イベント、入学準備等を考えると時間は限られます。
また例えば強豪高校に特待で入ったりすると、特待生だけは2月から高校の練習や試合に参加できる、なんてパターンもあります(ボウズの友達がそうでした)。その場合、留学より早くから高校に馴染んだ方が良い場合もあると思います。
ちなみに夏休みは海外も夏休みです。日本よりバッチリみっちり夏休みなのでチーム活動は一切してません。この時期にサッカー留学する場合、現地のサッカーキャンプ的なものに参加する事になるようです。すると結局は超短期になってしまうのではと思います。もしくはサッカーキャンプのハシゴになるのだと思いますが、日程を合わせるのは結構難しいのではと想像します。
そうして色々考えると、超短期留学(10日~2週間)は思い出作りに近く、短期留学(3週間~2カ月)はチーム練習や試合を休むリスクや学校を休むリスクがあり、なかなか難しいなあと思います。
ただやはり海外で学んだことがサッカーの幅を広げ、意欲を高め、視点を豊富にし、大きくレベルアップすることももちろんあり得ると思います。異文化体験も人生の大きな財産となります。思い出だってとても大切ですよね。
しかしなるべくリスクを最小限にして、得られるものを最大限にしたい、そう考えるのであれば僕は高校卒業時をお勧めします。小中学校より卒業式も早く、そこそこの日程が組めます。思い切って卒業式を蹴っちゃえば2ヶ月以上も可能です。ずっと気になってたあの娘に最後に告白!なんていう青春の1ページが失われるかもしれませんが(笑)。
ただ、どうせなら?卒業式は出て、卒業イベントも仲間と楽しんで、その上で直後に1年サッカー留学、これが僕の最もお勧めパターンです。
■長期留学(1年以上)
僕が個人的に最もお勧めするのは高校を卒業したタイミングでの1年留学です。出来ればまず大学入学を決めて、その上ですぐ1年休学して行くのがベスト。現地でトライアウトを受けてどこかのチームに入って1年間活動する形です。
そこで十分手ごたえがあり、かつ現地でアルバイトしながら生活も何とかなりそう、もしくはチームが生活費だけは支給してくれるセミプロ契約を勝ち取れる、などしたら更に休学を延長するのも良し。そして現地でプロになれちゃったりしたら?もちろんそのまま退学するのもあり。
もしくは1年で帰ってきて大学に入り、大学でサッカーを続けてJリーグを目指すのももちろんありですよね。大学サッカーは高校までと違ってU18などと言う区切り(年齢制限)がないです。何才だろうと大学生なら試合に出られます。
仮に現地で色々上手くいかなかったとしても、それは間違いなく人生にとって大きな財産になります。むしろ色々大変で上手くいかなかった方が人生経験としては大きいでしょう。精神的にタフになり、視野も広がります。大学経由でプロになれる確率も間違いなく上がると思います。
ただ休学でも半額程度の学費を払う大学が多いですし、1年留学するとなると大概3~500万の出費となりますので、とんでもなくお金もかかります(ボウズが目指しているように、なるべくエージェントを通さず、かつ現地でアルバイトするような方法もあるにはありますが)。
ただ僕はそれだけの価値があると思います。サッカーをやっていなくても海外は行かせるべき、僕はそう考えています。もちろん娘にも必ず1年以上の海外体験をさせるつもりです。ワーキングホリデーならお金かかるどころか出稼ぎになりますしね(笑)
続く(高校卒業時をお勧めするのには他にも大事な理由があります)
↓絶対お勧め!