「沈みゆく日本」にするな!日本サッカー協会への提言(1)現状認識 | ドングリクンパパのブログ

サッカー素人、ビジネスに失敗してお掃除のアルバイトをしているハゲオヤジから日本サッカー協会に謹んで提言させていただきます。どうぞどうぞ、おっさん勘違いイタイイタイ~と遠慮なくお笑いくださいな(笑)。

 

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今回はこちらのシリーズの番外編。これに書かれている事がまずベースなので読んでない方はぜひこちらから。

 

 

さて、今回シリーズのタイトルに「沈みゆく日本」となっている。恐らくそこに違和感を覚えた方が沢山いるはずだ。経済面ではまさにそうした状況で間違いないが、サッカーに関しては?え?今これ以上ないくらい絶好調じゃん、、、どこが「沈みゆく?」とね。

 

でもパパは今から6年前の2018年、日本がまだFIFAランキングで60~50位程度の頃、日本全体で「こんなことやってるから日本はダメなんだよ!」という主張ばかりが目立っていた頃にブログで下記のように書いている。

 

(日本では)今後わけわかんないくらい上手い選手が山のように次々出てくる/日本は今後ヨーロッパや南米と格差を感じることは少なくなってくる。でも同時にアジア、アフリカなどの様々な「サッカーに関しては今まで聞いたこともない国」も一気に台頭してくる。

 

 

 

ね?ほぼその通りになってきているよね。ヨーロッパや南米強豪国と格差を感じることはなくなってきているにも関わらず、アジア大会では簡単に勝てなくなってきている。ただしアジア中東各国が本格的に台頭してくるのはこれからだけどね。

 

ともかく完全にパパの予測通りになってきていると言って良い状況だ。ではパパはどのような観点からその予測を立てたのか?パパは次の4点を注視していたのだ。

 

1)日本サッカー協会の歴史

2)日本の育成トレンドの移り変わり

3)世界の状況

4)育成のタイムラグ

 

このうち最も大事なのは(4)のタイムラグだ。例えば育成のトレンドが大きく変わったり、サッカー協会による大きな育成改革があったとする。それがA代表の結果に十分に表れるにはおよそ15~20年かかる。

 

その環境が日本全土にきちんと整備されるまでのタイムラグが5年+その中で小学1年から育つ子が22歳になるまでのタイムラグが15年、合わせて20年だ。むろんその前から影響は出始めるが、本当にしっかり出るのにはそのくらいのタイムラグを見ておく必要がある。

 

例えば10年ちょっと前に「テクニックはあるがサッカーは下手な日本人」という言葉が一世を風靡したんだよね。バルサで育成に携わり日本に初のバルサスクールを立ち上げた村松さんがそういうタイトルの本を出版されたんだね。

 

 

 

でもこれについて6年前の記事でパパはこう指摘している。日本では長らく単純な縦ポンサッカーが主に行われてきて、その反動として「ドリブル重視スタイル」が注目を集めるようになった。でも歴史を調べてみるとそれが本格的に全国に普及し始めたのは2000年当たりからなんだよね。

 

多彩なボールタッチメニューが売りであるクーバーコーチングスクールがこの頃スクール数を大幅に伸ばし始めていた影響もある(1号店は1995年オープン)。そして2005年に「ドリブル×ショートパス」スタイルでセクシーフットボールと騒がれた野洲高校が全国優勝してその流れが決定的になったのだ。

 

タイムラグを考慮すればそれが本格的に結果として出てくるのは2020年頃になるになるだろうというのが当時のパパの予測だ。つまり「テクニックはあるが~」の本が出版された2010年頃の日本のA代表にはそれがまだほとんど反映されてないんだぜ?日本人のテクニックが爆発的に伸びるのはむしろここからだぜ?とね。

 

記事には「実は10年後世界がコーンドリブルなどの日本の育成に大注目している、、、そんな可能性がまったくゼロではない」とも書いている。日本人の勤勉性とコーンドリブルは非常に相性が良いしね。そして6年後の今、まさに世界は日本の育成に間違いなく注目している。わずか6年でFIFAランキング17位まで上げた。あのドイツが16位なのだ(ユーロで順位を上げるかもけどね)。

 

ちなみに話ちょっとずれるけどその後村松さんがどうなったか知ってる?これも6年前に書いているけど村松さん、日本に帰国後、日本のドリブル育成の奥深さにすっかりハマってドリブルで有名なチームを渡り歩いて大研究、日本が世界で勝ち抜くにはこれだ!ってコーンドリブルのDVDまで出したから(笑)。ま、そういうもんなんだよ。

 

でも「テクニックはあるがサッカーは下手」この言葉に概ね間違いはなかったと思うし、この言葉が日本を変えたのも間違いないのだ。ま、どっちも大事、当たり前。村松さんらが九州に初のバルサスクールを作ったのが2010年頃、そのあたりからスペイン流の「認知判断」という言葉が日本中で流行り出した。その九州バルサスクールから育ったのが久保選手、富安選手だね。

 

その後「技術×クローズドトレーニング」vs 「認知判断×ゲーム形式トレーニング」についてあちこちで議論されるようになった。ドリブル重視vsポゼッション重視も然り、そういう議論が行われるようになったこと自体とても豊かなことなんだよね。

 

このように2000年初頭から2010年初頭にかけて、日本では育成トレンドのとても大きな変化があり、日本全国でそれまでと比べものにならないほど豊かな育成が行われるようになった。同時にサッカー協会による育成フォーマットの大きな変革があったのもこの頃だ。

 

制度としてJリーグの育成アカデミー(下部組織)が始まったのが2002年。その後すぐに制度上の義務となり全チームがアカデミーを持つことになった。プロチームが育成組織を持つ、これがサッカー界にプラスにならないわけがない。ヨーロッパ諸国でもまずそこを整備して国の強化を図った歴史がある。

 

また各年代にヨーロッパのような年間を通したリーグ戦が導入されるようになったのが2003年辺りから。それまでのトーナメント中心のスタイルから大きな変更となった。これも育成におけるインパクトは非常に大きい。これらの変化を20年のタイムラグを意識してまとめてみよう。

 

*縦ポンに代わるドリブル重視の育成ブームの結果がA代表に十分に表れるのが2020年

*Jのアカデミー下部組織の整備の成果がA代表に十分に表れるのが2022年

*各年代における年間を通じたリーグ戦構築の成果がA代表に十分に表れるのが2023年

*スペイン流認知判断ブームの結果がA代表に十分に表れるのが2030年

 

このような状況判断を元に(細かく書くともっともっとあるけどね)パパは6年前ランキング50~60位の頃にはっきり断言したのだ。ここから日本はわけわかんないくらい上手く強くなるぜ、とね。そしてまさに今「テクニックもあるしサッカーも上手い」日本が誕生しつつあるのだ。

 

ただ、、、とても残念ながら上記予測をバッチリ当てたパパの、次の予測では日本のピークはここまでなんだよ。このままだとピークは2030年辺りで、そこからまた日本は徐々に沈み始めてしまう可能性大。

 

申し訳ないけど今の小学生が大人になる頃には、、、なんだよね。それは何故か?そこにももちろん明確な理由があるのだ(そしてこのシリーズはそうならない為にどうするべきか?という話まで書く予定だ)。

 

続く