小学生にお勧めのサッカー練習法/上手くなる法則編(3) | ドングリクンパパのブログ

(2)からの続き

 

公園に行くといろんな親子がサッカーの練習をしている。例えばある日こんな練習をしている親子がいた。子供は低学年、トータル1時間くらいの練習だ。

 

1)リフティング

2)コーンドリブル

3)パパさんの指定したシチュエーションでのトラップ~相手をかわす練習

4)最後にパパさんと1対1

 

3)までのメニューをやっている間はお子さん明らかにダレダレ、嫌々やらされている感じ、申し訳ないけど「へったくそな子だな~」と見てた。ところが最後の1対1になった途端動きが激変、キレッキレで、え?この子、こんなドリブル出来るんだ~と感心したんだよ。ただ残念ながら1対1はわずか5分で終了。

 

ではこれを法則の式に当てはめてみよう。上記親子練習から例としてリフティング練習と1対1を取り上げてみる。

 

A)リフティング練習

 

■技術・戦術ポイント

*技術 5点/5点満点中

*戦術 0点/5点満点中

合計5点/10点満点中

 

リフティングの是非論は置いておく。技術はしっかり身につくものと仮定。戦術的要素はなし

 

■フィジカル・ポイント

*コーディネーション・アジリティ能力 2点/5点満点中

*体力・筋力1点/5点満点中)

合計3点/10点満点中

 

リフティングはコーディネーション能力を多少高める事が出来るが、アジリティは身につかない。体力筋力面へのアプローチは少なめ。

 

■モチベーション・ポイント

*1点/10点満点中

 

明らかにダレダレ、ほとんどやる気なし。やらされている感じ(1点/10点満点)

 

これをまとめて数式1)に入れると?

★リフティング練習のサッカー上達速度 (5点+3点)×1点 = 8点

 

B)パパとの1対1

 

■技術・戦術ポイント

*技術5点/5点満点中

*戦術2点/5点満点中

合計7点/10点満点中

 

実戦は最も技術が身につく。1対1はボールを触っている時間も長く、ボールを持っていない時間はディフェンス技術を磨く時間になる。チーム戦術要素はないが、駆け引きが入っているので個人戦術へのアプローチはあり。

 

■フィジカル・ポイント

*コーディネーション・アジリティ能力5点/5点満点中

*体力・筋力4点/5点満点中

合計9点/10点満点中

 

1対1は間違いなくアジリティ、コーディネーション能力を高めるのに非常に優れている。体力・筋力面へアプローチも大きいが上半身に対する筋力的な刺激は少ない(ただしキープの1対1にすると上半身も鍛えられるけどね。今回それは置いておく)。

 

■モチベーション・ポイント

10点/10点満点

 

目の色がまったく違った。動きのスピードもまるで違った

 

これを数式1)に入れると?

★B)パパとの1対1のサッカー上達速度 (7点+9点)×10点 = 160点

 

はい、結果出ました。リフティング練習はサッカー上達速度8点です。そしてパパさんとの1対1はサッカー上達速度160点です。1対1はリフティングに比べて20倍の速度でサッカーが上手くなります。20倍!!

 

ただし!これはたまたまパパが公園で見た子の例だ。例えリフティングでもその子がやる気に満ち溢れていたら、それは間違いなく良い練習になるよね。ここでパパが言いたいのは仮にどんなに優れたメニューでも、モチベーションポイントが低ければ決して良い練習にはならないということ。もう少し例を見てみよう。

 

練習メニューA

((技術戦術10点)+(フィジカル10点))×モチベーション2点=上達速度40点

練習メニューB

((技術戦術5点)+(フィジカル5点))×モチベーション10点=上達速度100点

 

この場合メニューとしてはAの方が断然優れている。サッカーのあらゆる面が鍛えられるはずだが、子供達はそのメニューが好きではなくダレダレになってしまう。Bはメニューとしてはそこそこの内容だが、子供達はその練習が大好きで夢中になってしまう。

 

その場合練習メニューBの方が2倍以上早く上達してしまう。つまりそれくらいモチベーションの重要性が高いと言う事だよね。もちろんこれはパパ個人の勝手な解釈だが、恐らくかなりの確率で間違いない事だと思う。

 

必死に良いメニューを考えて数式の左側の数値が1~2点上がっても、それで右側の数値ががくんと低くなってしまったらなんの意味もないんだよね。足し算ではなく掛け算なのだ。逆に左側の数値がほどほどでもモチベーションが10点まで上がればその成果は段違いになる。

 

にもかかわらず多くのコーチは一生懸命トレーニングメニューにこだわり、どういうメニューが上手くなるだろう?という点については色々考えていても、(×)の右側である「どうしたら子供達のモチベーションが上がるだろう?」という点についてあまり考えていないように見える。同じくらい、もしくはそれ以上に大事なのにね。

 

ところがダレている子供のモチベーションをある程度無理やり上げるやり方もある。それが子供達を「怒鳴る」ことだ。

 

続く