運命の出会いに改めて感謝! | ドングリクンパパのブログ

*「過保護・過干渉の境界線」シリーズ、何回か続く予定でっす。結構色々書く事があって、色々脱線したりもして、それなりに面白くなる予定(笑)。でも年末だしね、高校のチーム活動もこれでいよいよ終了だし。ちょっとチームのことを書いておこうと思ってね。

 

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ボウズ達のチームは決して強いとは言えない。

 

そもそも学年の人数が少ない。ボウズの上の学年は3人しかいなかった。下の学年は1人だけだったがごく最近になってちょっと増えて現在3人、かな。歴代平均して6~7人なんじゃないかな。そして多分ボウズ達の代が6代目になるんだと思う。

 

つまりまだ5世代×6~7人で30人程度のOBしかいないのだ。1学年に7~80人いるような強豪高校もあるからね、それと比べたらなんと小さなチームだろうって感じだよね。

 

ジュニアまでチームがあり、ユースに来る子も下から上がってくる子が中心で、ボウズのように外から来る子もいるが、中には高校からサッカーを始めた子もいる。J下部のようにジュニア、JY、ユースと何百人の中ら選んだ子を更にふるいにかけて集めたようなメンバーとはもちろんかなり違う。

 

そして高校はやっぱり選手権のある部活が中心だからね、強豪高校は地元にも全国にもいくらでもあって、それを蹴ってわざわざJ下部でもないユースのクラブチームに入る子なんて限られるよね。ジュニアユースの子も優秀だからいろんな高校から声がかかるしね。

 

それを蹴ってユースに上がる子はまだ限られるんだよね。だから基本的にはこじんまりとしたチーム、ボウズ達もキーパー含め数人中学生を呼んで公式戦を戦っていたくらいだ、合宿に12人しか来てなくて1日35分ハーフ2試合×3日間なんてこともあったよね。帰宅したら完全に魂抜けてたもんな(笑)。

 

上記だけを読むとどんだけしょぼい所でサッカーやってたんだろうと思われるだろうけど、、、でもなんていうか、、、違うんだよな。最後だから書かせてもらおう。パパからしたら「なんでこんな凄いチームに人が集まらないんだろう?」なのだ。まあでも多分そのうち勝手に一般にも知られて行くんだろうけどね。

 

例えばボウズの1学年上の先輩は3人しかいなかったと書いた。そしてそのうち1人はサッカーをやめてしまったので(晩熟君で花開くのが遅かったんだよね、、、)、サッカーを続けているのは2人だけ。でもその2人が今どうなっているかというと?

 

1人は東北1部の大学に特待で入り、1年からトップチームの試合に出場、天皇杯にも出場、そして既に近隣のプロの練習にも呼ばれたそうだ(もうひとつ上の学年の先輩も同じ大学で1年からレギュラー)。もう1人はアメリカの大学に入ったのだが、なんといきなり2部の年間全米ベスト11に選出されてしまった。1年生がこれに選出される事はめったにないらしく、かなり凄い事になっている。当然学費等は全て免除の状態らしい。

 

県リーグは遥か下の方の支部リーグに居ました、学年に3人しかいませんでした、クラブユースの戦績もパッとしませんでした、、、そんな感じでも3人のうち2人がその状態だよ。でもこれが特別なわけじゃない。歴代OBには他にも下記のような選手がいる。

 

ポルトガル3部プロ→J3プロ→オーストリア5部プロ

マルタ1部プロ→ポルトガル5部→ポルトガル4部(1部チームU19に練習参加)

マルタ1部プロ→社会人チーム

オーストラリア・セミプロ(A下部U22に練習参加)→オーストリア5部プロ

ドイツ1部U19→社会人チーム(ホームシックになって帰って来てしまった)

東海1部大学キャプテン&東海選抜

関東1部大学等

 

他にも現高1のスーパー君は何故か来年有名J1ユースの練習に参加する事になっており、向こうが気に入れば中途加入出来るらしい。途中でJ下部ユースに入るなんて聞いたことないのでどういう状況なんだか知らないけど、まあ監督さんの繋がりだよね。

 

自チームのエースを、その子の為と思えばそうして他チームに斡旋してくれたりもする。なかなか出来る事じゃないよね。他にも高1の耳の不自由な後輩君は先日デフサッカー日本A代表候補に選ばれて練習参加してきた。ボウズの1学年上で、チームに居たのは高1年代の1年間だけだったが、それからブラジルに行った子がいて、先日見事現地でプロになったそうだ。

 

こんな小さなチームで、セレクションで集めたわけでもない子達を育てて、まだ30人程度しかOBがいないのに、上記結果は異常レベルだよ。つまり?どこからどう考えても育成が本当に素晴らしいってことだよ。勝ち負けにもこだわっているが、それ以上に選手の個性を育てる事に本気でこだわっている。

 

たまたま読んだ静学の川口監督のインタビューが、ボウズのチームの監督さんの言葉とかなりかぶっていたね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/63aa77ff74ad6fe384f8e2c0e5ed02f5fa92f6d0

 

静学は伝統的にドリブラーのチームなので、そういう選手が集まるしドリブル的な個性を中心にした育て方になる事が多いんだろうけど、ボウズのチームの場合本当に幅広い。いろんなタイプがいて、それぞれの強みをしっかり伸ばしてくれる。

 

同時に最低限これが出来ないと、という部分をしっかり鍛えてくれる。例えばボウズのチームでは守備の強度が低かったら試合には出られない。球際を重視するので練習でも怪我人が出る。走る×球際強度は当たり前の事(、、、と言ってもボウズはその辺りもまだまだだけど)。

 

プラス最低限求められるものはどちらかと言うと個人戦術的なものであり、チーム戦術的なものではない。監督さんは型にはめる事を嫌う。どんな状況になっても臨機応変に対応できる、即興にとことん強い個性を作ろうとしてくださる(とはいえヨーロッパの最新の戦術にも誰よりも詳しいんだけどね)。練習メニューはほぼすべてゲーム形式で、しかも必ず頭を使う。

 

メニューで基礎練習的なものはほぼやらない、そこは全て自主練だね。練習後に居残りでみんなやってるよね。ボウズが中3の夏に体験に行った際、練習始まって最初のメニューがいきなり驚くほど極端に狭い場所でのミニゲームだった。そして短時間で次々にメニューが変わるのだが、それらが全て面白い。

 

「選手が慣れてきたなと思ったらすぐメニューを変えるんです」監督さんはそう言っていた。慣れてしまったらどうしても型になってしまうからね。型が全てダメとは思わないが、ともかく脳に負荷がかかり続ける状態を維持するってことなんだろうと思う。そりゃ選手は鍛えられるよね。

 

社会人チームで一緒にやっているOBの先輩達にボウズは「大学に入るとやってるサッカーが全然違うから最初は大変だよ~」と言われたそうだ。3バック×マンツーマン守備×ハイプレスで、バックが3枚しかいないにも関わらずセンターバックやサイドバックもガンガン攻め上がったりもする、そんなサッカーが当たり前で育ってきているので、4バックでブロック敷くようなサッカーに馴染むのには多少時間がかかると。

 

でもそう言っている先輩達は大学でレギュラーだったりキャプテンだったりなんだよね。他のチームとやっているサッカーが違う、恐らくそれこそがボウズのチームの強みなのだろう。型に嵌められた事がない分、型に埋め込まれても即興性や個性を発揮できる。恐らくそこが一番の強みなのではないだろうか。

 

もちろんどんなに恵まれた環境でも最後は本人次第だけどね。先輩達が活躍してるからってボウズもそうなるってわけでもない、当たり前だね。でもねえ、3年前の夏を思い出すんだな、ボウズが初めてチームの体験に行った日の事。一瞬で心奪われて、その場で「入ります。よろしくお願いします」と言ったあの日の事をね。

 

元々中学公立部活は中3夏までの活動だったわけだけど、春先にコロナ来てしまって大会も吹っ飛び、ほとんど大した活動もないまま夏に部活が終わってしまった。このままだと1年以上自主練だけになってしまう、、、そんな時朝練でたまに公園で会う小学生のママさんとの立ち話でチームの事を知った。その子がジュニアに入っていたんだよね。

 

こんな近くで活動しているクラブチームがあったんだ、、、驚いてね。パパ達はボウズが小6までは都内にいたから情報があんまりなかったんだよな。それでダメ元でボウズがメールを送った。ジュニアユースに入れてくれないかと。すると今からジュニアユースはさすがに難しいけれど、ユースに入ってくれるなら今からユースの練習に参加しても構わないと言ってもらえたんだよね。

 

当時ボウズは晩熟のダメダメがピークでね。ずっと目標にしていた全国レベルの強豪高校は厳しいと思い始めていた時だった。とりあえず行ってみるか、、、そうして参加したあの夏の夜の体験の衝撃は今でも忘れられないね。今思えばそこには既にプロでたまたま帰国中だった選手含め、現在海外プロやっている選手が4人もいたのだ。

 

帰り道自転車をこぎながら親子で興奮が止まらなかった。2人ずっと言葉が止まらなかった。すげえすげえ、やべえやべえ、そんなことをずっと言って笑いが止まらなかったよな。たまたま自転車で通えるところにこんなチームがあって、中3から参加出来る事になったのだ。

 

パパは練習が始まって30分で既に完全に決めていた。そして練習が終わるとすぐボウズを呼んだ。「どうだった?」「凄かった、、、」「決まりだな?」「うん」でももう聞くまでもなかったんだよ、ボウズの興奮も手に取るように伝わってきた。そしてパパはその場で監督さんに「ぜひお願いします」と言ったのだ。

 

監督さんは「まあ焦らず何回か参加して決めて頂ければ大丈夫なんで」と言ってくれたのだがパパは「いや、決めました。お願いします。明日からお願いします」とね(笑)。後で監督さんも「その場で決める人なんてなかなかいないから」って笑ってたよ。でももう親子でそれくらい衝撃だったんだ。ああ、もしかしてこれが「運命の出会い」ってやつなのかもしれない、そう思った。

 

そして今にして思う。その予感は本当に正しかったよ。もしこのチームに出会えてなかったらボウズはここまで来られていない。へたれボウズはもしかしたら高校でサッカーは終了だったかもしれない。本当に細かく丁寧に、そして厳しく育てていただいた。本当に感謝しかない。

 

おかげでボウズはまだ諦めていない。どこまで行けるか分からないが、悔いのないところまでやり切ってほしい。いつも書いているが、結果は運が大きく作用する。でもやり切ったかどうかは100%本人に委ねられたものだ。最後の最後までしっかりやり切る事、それが育ててもらった恩義に対して、唯一選手が返せる事だよね。やり切れ、やり切れ、やり切れ。

 

最後まで!しっかりやり切れよ!

 

(皆さま良いお年を~!!)