パパ、ボウズのプレーに激怒!の巻(3) | ドングリクンパパのブログ

「なんだこの点数は!ちゃんと勉強してるのか!」

「なんだあのプレーは!ちゃんと本気で練習してるのか!」

 

例えばそうして結果を叱り、結果から推測して取り組みが甘いと怒鳴り散らす、それでは子供の心がどんどん離れていくだけだよな。そもそも出来る限り怒らない方が良いし、怒らないで済むならそれに越したことはない。でも俺はやっぱり怒るべき時もあると思うよ。

 

でもその際に子供がそれを心から前向きに受け止められるかどうかは、結構複雑な条件が必要になる、そんな気がするんだよな。

 

■子供との信頼関係

まず普段の子供との関係に圧倒的に信頼関係があるかどうか?良く言われるのが親から言われても響かないが、他人に言われると響く、というもの。

 

「お前、それ逃げてるだけなんじゃね?」

 

そんな言葉を親がいくら言っても聞く耳持たない。でももし自分の親友がふとそんなことを言ったら間違いなく響くよね?でも親ではない他人でもまったく信用してない、心底嫌ってる学校の先生が言っても当たり前だけど響かないよね?コーチでも同じだ。

 

つまりその言葉が響くかどうかは、その相手とどのような関係にあるかで決まる。普段冗談を言い合って笑いころげ、時に真剣に語りあう。親子がそういう親友のような関係にあれば思春期だろうがなんだろうがちゃんと言葉は響くよね。

 

■聞く耳/心のベクトルの把握

仮に親友がその言葉を言ったとしても、それが自分の気持ちと明らかにずれていたら当然響かない。例えば子供が内心「俺はもしかしてサッカーじゃないのかもしれない。○○がすごく面白く感じている。どうも自分はそっちの方が夢中になったり真剣になれそうな気もする」と感じているとする。

 

既にサッカーから気持ちが離れて、自分で自分に合った道を歩み始めている時に「それ、逃げてるだけじゃね?」と親友が言ったところで響くことはない。でも親友同士なら「いや、違うんだ、オレ、他に本気でやりたいことがあるんだ」と気持ちを語り合う事が出来るかもね。そして親友も「そっか。そういうことなら応援するぜ」となるかもね。

 

親がその親友君のように、まず普段から自分の気持より先にきちんと子供の心の声を聞きとろうとしているかどうか?そして子供の意識の方向をしっかり見据えて、子供の心のベクトルをきちんと把握した上で叱ってるかどうか?そこがずれていればやっぱり子供の心は親から離れていってしまうよね。

 

今回の場合だと、普段からいろんな話を聞いてボウズが今どんな気持ちでサッカーに向き合っているか、監督さんから普段どんなことを指摘されているか、それに対してボウズがどういう気持ちでいるか、よ~く良く知ってたから自信を持って怒ることが出来たんだよな。

 

監督さんに対しては「ありがたい」とボウズは言っていた。つまりその事に自分でもしっかりやらなきゃと心から感じていたという事だよね。でも仮にもしパパの指摘がずれいていたら、必ずそれはボウズの表情に出る。心から納得してなければ誰でも顔に出るよな。

 

そうしたら色々言うのをやめて「まずしっかり気持ちを聞く」から入り直すのさ。

 

■高過ぎない目標設定

更にそれが「やればできる範囲のことなのか?」という点も非常に大切だと思う。できもしないことを言われたら「そんなのムリゲーだろ、、、」で終わってしまう。それくらいならできるかも、そう思える範囲にしておくことが大事だよね。

 

■結果ではなく過程にアプローチする

結果を褒めたり叱ったりするのは簡単だ。でもその結果に至ったのには様々な理由がある。子供なりに最大限の努力をした上での結果がダメな場合もあるし、大した努力もしてないのに結果が出てしまうこともある。そもそもその結果を出さなければいけない状況に疑問を感じていることもある。

 

子供が全力を尽くした結果がダメだった場合、むしろ良く頑張ったと褒めた方がいいし、大した努力もしないのに結果が出まくって調子に乗り過ぎてるなら「お前は恵まれてるだけだ。勘違いするな」と話す必要がある。何かしら頑張れない理由があるならその理由を丁寧に聞いてあげた方が良いよね。

 

■最終決定権が子供にある事

親はアドバイスをしても良いが、子供の行動を決定してはいけない。情報を沢山与えた上で、最終決定は子供が下す事。今回の事で言えば「いや、あそこは後ろに戻していいんだ」とボウズが主張するなら全然それでいいんだよな。子供と意見が食い違った際に、無理に親の意見に従わせるようなことは100%NGだ。子供が心底納得して行動する事、つまり子供の意思で行動することが大前提だ。

 

■褒めるとセット

そうした条件のもとに、最後にありきたりだけど「褒めるとセット」で叱ること。でもこの時の「褒める」がウソ臭いとこれがまたダメなんだよな。つまり褒めるなら本気で子供の良い部分を探すことが大事だよね。まとめるとこんな感じかな?

 

*普段子供と信頼関係が築けている事

*常日頃から自分の意見より先に、まず子供の声を聞こうとする事

*子供の心のベクトルをしっかり把握した上で叱ること

*求める改善レベルを、子供が「それくらいなら出来そう」と思える範囲にすること

*結果ではなく過程にアプローチする事

*最終決定権が子供にある事

*子供の良い部分を本気で見つけ出し「理路整然と褒めること」を「叱る」とセットにする事

 

パパの場合大概順序としてこうだね。最初にガツンと怒る。それから時間を置いてお互い気持が落ち着いている時にゆっくり理路整然と褒める。そしてもう一度何故怒ったのかをゆっくり説明する。

 

まあでもパパだっていつも完璧に出来てるわけじゃないさ、もちろんだよ。子育てなんて100点満点を目指さなくていい、最初からパパはそう考えてる。70点くらいは出来てるかな~くらいが案外丁度良いのさ。

 

-----------------------------------------------------

 

こんな年齢になって親が子供のサッカーにこんな細かく関わっている事を問題視する向きもあるだろうね。はっきり言ってそんなもんクソ喰らえだね。何歳になろうがアドバイスが必要ならする。ボウズが30代になっても40代になっても必要ならアドバイスする。

 

でもその頃は逆にボウズが俺にアドバイスもしてくれることもあるだろうね。状況によってお互いにアドバイスし合う。それが人と人の関係として理想だろ?アドバイスというより会話だよな、情報交換だよ。 年齢なんて関係ねえよ。

 

子離れ親離れと、人と人との関係をごっちゃにしないことだよな。子供の自立を損ねる過干渉と、むしろ子供の自立を促していく親子の会話はまったく別物だと俺は考えてる。もちろんほったらかす時間・機会を作ることもとても大事だ。

 

でもほったらかせばそれでいいってもんでもないと思うんだよな。むしろ「その日」までにどれだけ密度の濃い会話を積み重ねる事が出来たか、そこを大事にしたいと考えている。同時にその日が来るまで親子で十分に遊びつくしたいとも思っている。

 

時が来ればボウズは巣立っていく。もう遠い先の事じゃないよな。なんの心配もねえよ、ボウズはどこに行ってもそれなりにちゃんとやれるよ。いい奴だしいろんな人から愛されるだろう。でも巣立っても親子は一生親子だ。時折戻ってくるボウズと酒を飲みかわす。今やってる事はその日々に飲む酒の仕込みだ。良い酒が出来る事を祈っている。

 

、、、んでボウズ、下戸だったりしてな(笑)。

 

 

 

↓おまけ動画。激怒した日の夜ピックアップした2つの良かったシーンと、次の試合で果敢にチャレンジしているシーンひとつ。高校年代もいよいよラストイヤー。悔いなくやり切れ!