(前回からの続き)
晩熟島行きの最初の船は小5に出る。ではなぜ小5からなのか?
小5)大島の刑
それは早熟君の二次性徴(成長スパート)が始まるのがその時期だからだよね。もちろん中には小3、小4で始まってしまう超早熟君もいる。ただそういう子は稀、でも1年早熟君くらいならゴロゴロいるわけ。そういう1年早熟君が成長スパートを迎えるのが5年生春。
特に大所帯の強豪チームやセレクションチームとなるとスタメンには大概ずらっと早熟君が並ぶ事になるので、5年生でもそこそこ厳しくはなる。基本的には所属チームが強豪であればある程晩熟船の出港が早くなると考えて良いと思う。しかしそれはまだほんの序の口だ。
小6)三宅島の刑
小6になると標準君もスパートに入り始める。スパート期の成長っぷりは単純にそれまでの2倍速と考えて良い。日を追うごとに晩熟君以外、ほとんどの子のスピードやパワーがグイグイ増してきて、晩熟君だけが取り残される状態になる。強豪チームのみならず少年団レベルでも晩熟君が「あれ?」と思い始める頃だ。
ただし1年早熟君がオスグッドやクラムジーで悩み始めるのもこの頃。身長が急激に伸びて縦のスピードは増すがアジリティがやや失われる為、素早さが売りで技術のある子なら晩熟君でもまだやれる。
中1)八丈島の刑
しかしこれが中1になると厳しさは更に増す。早熟君はクラムジーを超え、大人の身体に近づいてくる。スピードやパワーに加え、アジリティも取り戻す。この頃になると晩熟君と早熟君の体格差は大人と子供のようだ。ほぼ勝負にならなくなってくる。
しかし標準君がごっそりクラムジーの時期に入る為、それでもまだなんとかやれる子はやれるかもしれない。1年晩熟君はここでスパートに入る。
中2)小笠原父島の刑
中2になると標準君達がクラムジー期を超え、プレーがグンと安定してくる。スピード、パワー、アジリティ全てにおいて晩熟君とは比較にならないレベルになる。1年晩熟君は自分も身長が伸びて来ているが、クラムジー期に入るので厳しい状態が続く。2年以上の晩熟君はもう話にならない。ひとりぽつんと取り残される。まさに島流しだ。
中3)小笠原母島の刑(2年以上の晩熟君)
中3になると1年晩熟君もようやくプレーが安定してくるが、まだまだ差はある。が、ともかく1年晩熟君はここで帰りの船に乗ることが出来るだろう。しかし2年晩熟君はここでクラムジー期に入ってしまうという恐ろしい悪夢が待っている。まさに悪夢だ。
もちろん人によるものの2年晩熟君の長いトンネルのピークは中2~中3の時期になることが多いだろう。ごく稀に高校に入ってもスパートが来ないなんていう3年を超えるような超超晩熟君もいるが、そういう子が何島に行くのかは、、、もう面倒なので調べない(笑)。
ちなみに2年晩熟君もクラムジーがなければ中2がピークだ。ボウズは中2で10,5cm伸びた。そのくらい大きく伸びると影響が出やすい。7~8cmの伸びが2~3年続くようなスパートの仕方だとクラムジーになりにくいだろうね。
実際のところボウズのように最初ぐんぐん伸びてクラムジーになってしまったのにすぐ伸びが止まる、、、これ最悪中の最悪だ。やっと島から帰りの船に乗ったと思ったら何故かエンジン止まって漂流中、、、
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もちろん成長は人によって様々だ。ただ晩熟からプロになった選手の話や、実際知っている子の推移を見ても一般的にはおおよそそんな感じではないかと思う。ボウズの推移もまさしくそんな感じだ。
身長(4月計測)と共にボウズの経過を書き出してみるので少しでも参考になれば。カッコ内は同時期の平均値との差である。ただ実際に相手にするのは平均より大きな早熟君であることがほとんどだけどね。
小4:127cm(6.6cm差) 体重25,4kg(5.3kg差)
影響なし。めっちゃイケイケ、学年末に三菱養和に合格、バカ親は2次セレクションを5分見て合格を確信
小5:131,9cm(7.2cm差) 体重26,5kg(7.6kg差)
影響が出始める(口唇裂の手術があり3ヵ月練習参加できず、の影響も大きかった)4月の初戦東京ヴェルデイ相手にいきなり2G1Aでエース候補 → 手術後はギリレギュラー
小6:136,5cm(8.8cm差) 体重28,4kg(10kg差)
影響濃厚になる、夏以降レギュラーから外れる
中1:141,4cm(11.5cm差) 体重33,2kg(10.8kg差)
影響大、かろうじて地区トレセンに入ったもののその中ではまるで歯が立たず
中2:146,5cm(13.5cm差) 体重38,5kg(10.3kg差)
影響更に大、厳しすぎるレベル。地区トレセンから部活トレセンに降格、部活トレセンの中でも大苦戦
中3:157cm(8.5cm差) 体重47,5kg(6.5kg差)
影響ピーク。ヤバい、ヤバすぎる、中2終盤から公立部活でスタメン危うし(一応スタメンは外れなかったけど途中交代も多かった)。中2より体格差は減っているのでクラムジーの影響が大きかったと思われる
高1:162,4cm(6.2cm差) 体重51,0kg(7.6kg差)
影響ピーク時の半分程度?2学年上相手のU18県3~4部で苦戦しつつも多少はやれた
高2:164cm(6.1cm差) 体重55,0kg(5.6kg差)
影響ピーク時の30~40%程度?1学年上の県3~4部でまずまず良かったり悪かったり。同学年なら1~2部でもなんとかやれそう?(注:親バカ基準)
高3:影響ピーク時の20~30%程度(予測)
大1:影響ピーク時の10~20%程度(予測)
大2:影響ピーク時の10%程度(予測)
(ちなみに小5のトレセンはセレクション参加を辞退、小6はギリレギュラーだったのでチーム内で選ばれず)
年代トップレベルのデータもついでに。年度は同じではないけど十分参考にはなるね。これを見るとボウズの身体はまだU14レベルだ。もちろんU18のデータには一生追いつけないだろうけどな。まったくヨダレ出るほど羨ましいレベルだ。ボウズもせめて平均身長×65キロくらいまで行けたらな~と思う。
U14ナショナルトレセン 平均身長165.9cm 平均体重54.4kg
U15日本代表(FP)平均身長176.8cm平均体重62.7kg(体脂肪率14.3%)
U16日本代表(FP)平均身長174.5cm平均体重63.9kg(体脂肪率15.2%)
U17日本代表(FP)平均身長178.7cm平均体重67.8kg(体脂肪率12.3%)
U18日本代表(FP)平均身長177.3cm平均体重69kg(体脂肪率10.5%)
続く(vol.3最終話は島流し先輩の話など。続けてアップします)
↓パパお勧めのスマホ連動体組成計販売終了しちゃったみたい。格安で評判良かったのに残念。タニタはここ最近の評判が非常に悪い。合計点数が高くてもここ最近のレビューに酷評が多くて買う気にならない。オムロンもあんまり。今ならこれかな?
結局どんな高級品買ってもジムに置いてあるInbodyみたいなプロ用とは数値に差がある。本当に正確に知りたいなら100万オーバーの機材が必要になる。でも日々の増減を見ていくなら安価なもので十分だ。体重が増えた、体脂肪が減った、そういうのを毎日見て原因を考える。そのたゆまない習慣こそが真の力になっていく。