晩熟君の苦労はいつ始まるのか?(島流しは何歳から?)vol.1 | ドングリクンパパのブログ

それはある日不意にやって来る。郵便受けにしれっと入っているのだ。

 

「某○月○日、船が出港します。つきましては荷物をまとめて港にご集合ください」

 

断ることは出来ない。必ず乗らなければならない船である。行先は?

そう、晩熟島流し諸島である、、、

 

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Q 晩熟の影響が出るのはいつからですか?

A 小学校5年生から徐々に出始めます

 

Q それ以前には晩熟早熟の影響はまったくないのですか?

A 多少あります。ただそれ以降の影響と比べると限りなくゼロに近いものです

 

晩熟君が、晩熟ゆえの苦労をするようになるのはいつからだろうか?いわゆる晩熟島流しの刑がお白州にて言い渡されるのは具体的に何歳なのか?

 

晩熟の苦労がどんなもんでいつまで続くのか、という涙涙の島物語はいつも愚痴と共に良く書いてるが(笑)、いつから~、というのは書いてないので今日はそのあたりを。小学生のお子さんにとってはジュニアユースを選ぶ際に重要なポイントのひとつになると思うんだよね。

 

早熟晩熟に関するスレッドを読んだりすると、これが曖昧なまま不毛な言葉のなじり合いをしているのを見たりすることもある。でも確かにこれ、分かりにくいんだよね。小学校低学年でも身体の大きな子が大活躍しているのを見たりすると、それが早熟なようにも見える。

 

ただまず早熟晩熟と身体の大きさは必ずしも一致しない。小学校3年生の頃、A君はB君より10cm大きかったとする。2人標準的な時期に成長スパートに入り、それぞれ伸びて最終身長も同じ10cm差だったら?

 

小学生時代に10cmも差があればA君は早熟、B君は晩熟と考えてしまう人もいる。しかし早熟晩熟を決めるものは基本的に「二次性徴(成長スパート)が早いか遅いか」である。だからこの場合は2人共早熟でも晩熟でもない。2人共標準君である。

 

もちろん中には小学校時代身長が小さかったが最終身長は大きいという人もいる。良く例えに挙げる中村憲剛選手がまさにそうだ。クラスで1番前レベルだったのが最終は175cmである。つまり憲剛選手は小学生の頃も晩熟の影響が多少あったはずだ。では中村憲剛選手は小学校低学年の頃から晩熟に苦しんでいただろうか?

 

否。憲剛選手は小6まで全国大会で名を馳せるドリブラーだった。それが中学時代になると急激にプレーが通用しなくなり一度サッカーをやめてしまっている。復帰後、厳しい体格差の中で自分にできることは何か?と考え抜いた先にパス&トラップの鬼が誕生していったのである。

https://www.soccer-king.jp/sk_column/article/205475.html

 

憲剛選手の晩熟レベルはかなりひどいものだった。ところが小学生時代にはほとんどその影響を受けていない。これは特殊な事だろうか?実はそうでもないのである。逆にこれが晩熟君の平均的な成長過程に近いと見て良い。詳しく書くとこうなる。

 

小4:影響ほとんどなし

小5:ほんの少し影響が出始める

小6:影響がはっきり目につくようになる

中1:影響が加速する

中2:影響が非常に大きい

(その後は晩熟の度合い次第)

 

実際パパが知っている限りでも「中学で苦労している晩熟君だけど小6まではエリート君」という子が何人もいる。まあでも小6では大概苦労が始まってるけどね。小6でもやや苦労してたけど、技術があるのでジュニアユースはJ下部に入りました~、みたいな子とかね。そういう子が中学時代にこぞって「キビシ~」時代を過ごしている。

 

憲剛選手のように晩熟でプロになった選手の話を読んでも、小学校時代は大活躍していたが中学生になると、、、というパターンがほとんど。つまり影響を受け始めるのはやはり早熟君や平均君の二次性徴が始まりだしてから、なんだよね。

 

つまり、、、これはもしかしたら人によっては残酷な宣言となってしまうかもしれないが、小4まではほとんど晩熟影響は出ないと考えて良い。全くないわけではないが、その後の影響と比べるとレベルがまったく違うのだ。

 

また小学校年代は基本的に自主練やスクール等で沢山練習している子としてない子で非常に大きな差がある。サッカーに限らず技術というのはやり始めた頃が一番大きく伸びるからね。上に行けばいくほど積み重ねた時間に対し跳ねかえりが小さくなる。それはどんな分野でも同じだよね。

 

当然そのわずかな差を生み出すための努力が問われるのだが、小学校年代は誰でもなんでもやればやるほどぐんぐん伸びる時期。みんな出来ないことだらけで練習から得られる跳ねかえりが非常に大きい為技術で差別化しやすい年代なのだ。

 

つまり実は小学校年代が最も「小さくても上手い子が活躍できる」年代なんだよね。小学生の親御さんにとっては、大きくて速い子が我が物顔でプレーしているのを目の前で見ているのでにわかに信じがたいかもしれないが、上の年代に行っても基本それは変わらない。むしろその傾向がさらに強まるのだ。

 

1)上の年代になればなるほど技術が高止まりしやすく、相対的にフィジカルの重要性が高まる。

2)中学年代は早熟君と晩熟君のフィジカル差がそれまでとは比べ物にならないほど大きくなる。

 

この二つの影響により中学年代の晩熟君の苦労は計り知れないものとなる。逆に言えば小4までの子において

 

「身体が小さいから活躍出来ない、きっと晩熟の影響だ」

「身体が小さくても活躍出来ている。晩熟なのに凄いぞ」

 

と考えてしまうことは、、、気持ちは分かるけど、、、なるべく避けたいところなのだ。小4までは活躍出来ても出来なくても早熟晩熟の影響とはほぼ無縁と心得ておいた方が良いよね。何故って、その子が生物学的に本当に晩熟なら、その後に巨大津波のような晩熟ゆえの苦労が押し寄せることになるのだから

 

晩熟島行きの最初の船は小5に出る。ではなぜ小5からなのか?vol.2に続く(続けてアップします)

 

 

 

↓極度の人見知り。小学時代は弱小チームで負けてばかり。中学時代は補欠。晩熟だったわけでもないのにそのレベルからプロになるってほんとあり得ないレベルの大逆転だよ。最終的にはなんとCL出場!!でもそこにはやっぱり理由があるんだよね。まさに苦労人だ。中村憲剛さんとの対談も興味深い。晩熟君に限らず青少年必読の書。