インタビューより | 中国武術研究家のブログ

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東京八卦掌研究会

 断崖絶壁で練習する僧侶であるが、

 

 

 

 

 そういう練習をしていた頃もあったが、今は60にもなり、そのような練習はしないとのことである。

 断崖絶壁で練習すれば危険であり、自ずと気を抜くことはないが、平地で練習すれば、そこまでの必要はなく、注意散漫になりやすい。本当の危険は平地での練習にあるそうである。

 まさしく禅である。

 ただ、私はその境地の前に、あの断崖では足がすくんでとても動けない。そういう境地には達せない。

 僧侶はようやくそういう境地の入り口に来たと言っていた。まだ修行半ばだそうである。

 同時に秘技の用法も示していた。実は私の想像通りであった。それが本当に秘技かはわからないが、秘技とか秘伝があるものではないと思う。簡単だ、すぐ覚えられるようなことを言っていた。

 簡単なものこそ難しい。師から直接教わり、修行し、掴めたかどうか。そういうことだと思う。僧侶の場合は、山奥の寺で修行すること、それこそが秘伝なのだと思う。

 歴史に名が残っているような人の伝えた武術をいろいろ学んできた私の経験はそうだし、僧侶も似たようなことを言って言る。

 オズの魔法使いで、ドロシー達の欲しい物は実は最初からあったように、武術の本質も本当は最初から自分の中にある。それを教えるのが先人の教えなのだと思えるのだ。

 それが正しいかどうかは私もまだわからない。私もまだ道半ばだ。