大東流 | 中国武術研究家のブログ

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東京八卦掌研究会

 

【歴史秘話】大東流合気柔術 武田惣角の武の伝承とは?光道師範 阿部勝利×武術格闘家 熊澤伸哉

 

大東流は謎の多い流派である。まず、創始者が胡散臭い。源義光が創始者とされているが、その時代から、万もの技が伝わってくるなど考えがたい。また、中興の祖となっている武田惣角の弟子によって内容がひどく異なっている。

実は同じ時代に中国で生まれた、謎の道士が伝えたと言う八卦掌と似たような構造になっているのである。

武術なんてそもそもそんなものだとも言えなくはないが、なんか同じような時代に別の場所で似たような起きるのは不思議だと思ってしまう。

また、少林寺の秘技、心意把が生まれた時代、日本でも同じような技法が実は生まれている。日本の方は、ほぼほぼ失伝しているが、中国は残っているみたいである。

また、八卦掌と大東流は一見すると別物であるが、実は非常に似ている技法である。だが、逆に似ている技法であるが、原理が根本から異なっていると言ってもいい。物事を表裏から別々に見ているかのような感じである。

日中にはどうもこういうことがあり、とても不思議である。

上の動画にもある武田惣角は沖縄に行ったのかであるが、私も非常に気になって、沖縄にも行ってみたことがある。結論的には行っていないのではないかと言うことだ。少なくとも、沖縄の空手の技法と大東流は関係がないと思う。大東流に空手の臭いは感じない。

八卦掌、大東流も北の技法である。温暖な沖縄の技法とは親和性がないようだ。

また、武田惣角は小野派一刀流を修めていたとのことであるが、大東流の技法と、小野派一刀流の技法はあまりにも違いすぎる。私はその関係性は薄いと見ている。伝わっているとされる大東流の刀術も小野派一刀流とは異なっているのだ。

要するに、大東流は謎だらけなのである。

私は武田惣角に直接会ったことのある人の話を聞いている。生きた時代がそうなのであろうが、人を殺してきた人の目であったそうである。大東流の系譜が胡散臭くとも、武田惣角が実力者であったのは間違いはない。動画の先生の話と異なり、大東流は本来、人を殺める技法である。そういう方向性を嫌って出来たのが、いわゆる合気道かもしれないし、今の時代、大東流もそう言う方向が主流なのかもしれない。余談であるが、中国の八卦掌も今、似たような傾向のように感じる。

関係者・研究者の見解では大東流は武田惣角が独自に作ったと言う見解が主流であるが、それにしても、一人でここまでゼロから作れるであろうか、何かしらモデル、あるいは、八卦掌で言う、謎の道士がいたのではないかと言う気もしてならない。

いずれにしろ、武術にこういう謎があるのも悪くはない。

そして、八卦門もそうであるが、門内の人間にとって、そんなことはどうでもいいなのである。今ある技ができるかどうかが関心事であって、歴史は門外の人からいろいろ教えてもらうことが多い(笑)。