「おこんじょうるり」舞台写真~後半~
みなさま、こんにちは。
昨日から雲が広がり雨模様です
肌寒くて長袖を引っ張り出したくまはちです。
公演から一週間が経ちました
早いなぁ~!!
ではでは、「おこんじょうるり」舞台写真~前半~ からの続きです。
イタコの「ばばさま」のところに居ついたキツネの「おこん」。
なんと「おこん」はじょうるりで病気を治すことができるのです。
じょうるりを覚えられない「ばばさま」の代わりに
「おこん」が「ばばさま」のチャンチャンコの下に隠れて
じょうるりを唱えることにしました。
「おめえさまがエヘンつうたら、おらが背中でじょうるりやるから
おめえさまはおらにあわせて口動かしとればいいだ」
と、「おこん」。
そこへさっそく「ばばさま」に
「藤太の腰痛を直してやって欲しい」と「藤太のかか(妻)」から
まじないの依頼が来ます!!
「ばばさま」は「おこん」を背負って、意気揚々と出発しました
「へえこんちは、具合はどうだね?」
「ばばさま」(と「おこん」)は、「藤太」の家に到着しました。
「ウーンウーン」
「おとといから今にも死にそうな声で、ウンウンうなっとるだ」
「藤太」は猟に行ってがけから落ちて、腰をぬかしたというのです。
「よしよし、今、治して進ぜるでな。エヘン」
背中が暖かくて気持ち良かったのか、いびきをかいて眠っていた「おこん」。
「ばばさま」の合図の「エヘン」になかなか気が付きません。
それでも飛び起きて、得意のじょうるりを唱えます。
すると…
「たまげたぞ。痛みがいっぺんにどっかへ消えちまっただァ」
「藤太」の腰の痛みが、すっかり治ってしまったのです
「ばばさま」に感謝する「藤太」たち。
「なんのなんの、これも人助けじゃ」
高らかに笑いすぎて、「ばばさま」はのけぞってしまいました。
(おこんがとっさに支えています!)
「藤太の腰痛を治した」という噂は、たちまち村中に広まります。
「うちの子どもがえれえ熱出しただ。一発じょうるりうなちゃくれねえかや」
「じいさまが死にそうだで。ちっくら来て、じょうるり聞かせてやってけれ」
など、次々に村の衆が押しかけてきます。
イタコの「ばばさま」は毎日繁盛、
キツネの「おこん」は毎日満腹。
二人はこうして助け合いながら、村人たちの患いを治し、
いつまでも仲良く暮らせる気がしていました。
ところがある日…
一人の「侍」が「ばばさま」の家を訪ねて来ました。
「お城のお姫さまが重い病でな、今にも死ぬか生きるかという有様で
困っておられる。そこでその方、お城までわしと同道し、お姫さまの病を
治してもらいたい。病治りしあかつきには、ほうびは望み次第にとらせるぞ。」
なんとお城の殿様からの命を受け、
じょうるりで病気を治す「ばばさま」の噂を聞いてやって来たのです。
「おら、何だか悪い胸騒ぎがするだ。
おらの占いじゃ、今度はやめにした方がよさそうじゃ。」
気の進まない「ばばさま」ですが、
「たくさんほうびをもらって、早くおめえさまに楽させてやりてえだよ」
と「おこん」は乗り気です。
しびれを切らした「侍」は
「もしも断るようなら、あやしいまじないをしているとがで、斬りすてるぞ」
と脅かします。
(なんてヤツだーッ)
仕方なく「ばばさま」は
「おこん」を背負って城までやって来ます。
「そのような汚いチャンチャンコでお姫さまの前に出るとはおそれ多い。
これに着がえなされ」
「腰元」にチャンチャンコを脱ぐように言われた「ばばさま」。
チャンチャンコを脱げば、背中の「おこん」が丸見えになってしまいます!
「ばばさま」「おこん」大ピンチです
「着げえるくらいなら、おら帰らせてもらうだ」
イタコは地べたの神様のおつかいであり、泥や汗のしみついた着物でなくては
神通力は宿らないのだと「ばばさま」はキッパリ!!
なんとかピンチを乗り切りました。(あらら、しっぽが~)
奥の間に通されると、
病気の「お姫さま」が死んだように眠っていました。
その周りには
「殿様」「お医者」「腰元」がぞろぞろ並んで座っています。
「ばばさま」「おこん」、またもや大ピンチです。
そこで…
「おらのじょうるりは、病人だけに聞かさねえと効きめがねえ。
だで、みな隣の部屋さ行っとってけろや」と「ばばさま」はキッパリ!!
機転を聞かせ、またもやピンチを乗り切ります。
「お前がおっても治らぬから呼んだのじゃ。おいで」
と「殿様」。
「ああ、やれやれ、危ないところじゃった。
では、始めるべえか…エヘン」
「デデンデンデン なんむう なんむう そわかァ すわかァ びらまんだらァ、デン…」
「おこん」はじょうるりを唱え始めます。
なんと「お姫さま」が身動きしました!!
なおもじょうるりを唱えると…
「ウ…ウーン!」
寝返りを打ちました。
さらにじょうるりを高らかに唱えると…
「あらァ、おもしろいおばあさん!ハハハ…!」
ひょっこり起き上がった「お姫さま」が笑いだしました。
病気がすっかり治ったのです
「お姫さま」の声を聞きつけ、部屋にかけこんできた「殿様」達も大喜び。
「あっぱれ、じょうるり日本一!みごとなものじゃ。神業じゃ!」
センスをパラリと開いて「ばばさま」を誉めたたえる「殿様」。
「やれやれ無事にすんだわい。
してみると、あの胸騒ぎは気のせいじゃったんか」
「ばばさま」は「殿様」からのほうびをもらい、お城から村へ向かいます。
一体どうしただい」
お城の「侍」から頼まれて、宝物を馬で運ぶ「馬方」が尋ねます。
「あれ、そんなにあるだかい。ありがてえこった」
目の見えない「ばばさま」は、宝物を手でさわって確認しながらうれしそうです。
「ようし、この宝みんなおらのもんにしてしまえ」
「馬方」はこん棒を持って、ばばさまの背後に迫ります。
「今だ!」
「馬方」は「ばばさま」の背中に打ちおろします。
「わ、何するだ!」
「ギャオ!」
「ばばさま」の背中のチャンチャンコから、
「おこん」が空中高く飛び出しました。
「わ、出たァ!」
驚いた「馬方」は走り去ります。
「おこん…どうしただ。どこにいるだ…おこん。
おこ―ん!」
「コ―ン!」
「ばばさま」は草むらに倒れていた「おこん」を探しあてます。
さわってみると今にも死にそうに、体をふるわせていました。
「おこん」は「ばばさま」の身代わりに、「馬方」のこん棒で打たれてしまったのです。
「さすがにばばさまの占いはよく当たるわ。
だども、おらでよかった」
「ばばさま」は見えない目からポタポタ涙を流しながら
「おこん」の体をゆすります。
だども、ばばさまの腕の中で、おこんはどんどん冷たくなってゆくでねえか!
「助けるだ。殺しちゃなんねえ。
ええと…デデンデンデン、デン…
ええと…にゃむにゃむ…そんわか…ふんわか・・・」
なんとか「おこん」を助けようと、一所懸命じょうるりを唱える「ばばさま」。
最初は笑っていた「おこん」。
その声は次第に泣き声に変わります。
「悲しくて泣くでねえ。おら、うれしくて泣いとるんじゃ。
ばばさまァ、おら、人のためにじょうるりたくさんうなったども…
おらの…おらのために、じょうるり聞かせてくれたのは…
ばばさま…おめえさまだけじゃった。
ばばさま、ありがと…!」
「ばばさま」の呼びかけに「コーン」と返していた「おこん」。
やがてもう答えなくなりました。
「おこんよう!」
「ばばさま」は狂ったように「おこん」の体をゆすりました。
だけど、「おこん」はもう死んでいました。
目に露のような涙をためたまま。
「おこん」のおかげで「殿様」から宝物をもらった「ばばさま」。
「おこん」が望んだ通り、死ぬまでなんの不自由なく暮らしました。
みんな「ばばさま」のことを
「じょうるり長者」とか「きつね長者」とか呼んだそうです。
耳をすませば、「ばばさま」が子ギツネ達に
じょうるりを教えている声が聞こえます。
「にゃむにゃむ、すんわかふんわか」
「相変わらずへたなんだよッ!」
「ガクッ」
コロス達の歌で物語をしめくくります。
・・・・幕。
大変長くなってしまいました。
特に「おこんじょうるり」は場面転換が多く、盛りだくさんでした。
読んでいただき、ありがとうございました
稽古中はご紹介できなかったところを公開できて、本望です
(特に「ばばさま」と「おこん」のやり取りや、「パラリ」のシーン!!)
「ぼうぼうさまの嫁っこ」も「おこんじょうるり」も
全てのシーンに役者やスタッフの想いがギュ―ッと詰まっています。
お芝居のところどころでお客様が笑ってくださったり、拍手を下さったり、
上演中も大変なパワーをいただきました。
本当にありがとうございました
劇団どんちょうの会の原点である「親子劇」で第50回記念公演を上演でき、
こうして皆様にお目見えできたことを幸いに思います。
公演後にいただいたアンケートの「声」も
近日中に一部ご紹介させていただきたいと思います。
ハガキのアンケートも続々と事務局に届いているようです。
本当にありがとうございました
何よりの励みです。
次回は
「劇団どんちょうの会 舞台写真展~地域と共に歩んだ27年~」
についてご紹介して行きたいと思います。
(くまはち)