この前、「地方にいたら結婚できない婚難化現象」(リンクあり)を取り上げました。そこでリブログされた方のコメントで、

>都市圏の方は地方より有利にも関わらず、なかなか結婚できない方も多くいるのは何故なのでしょうか?素朴な疑問でした
という質問をもらいました。確かに婚活は大都市部の方が地方よりしやすいですが、婚姻率と出生率は大都市部よりも地方の方が高いです。なぜそうなるかという一つの答えの書いてある記事を今回は紹介してみます。
 
 
>子育てには時間がかかります。子供の数が増えれば増えるほど、多くの時間を子育てに費やさなくてはなりません。
すると、犠牲になるのは働く時間です。働く時間が短くなると、手にする賃金の額が減ります。
その結果、消費活動から得られる満足感が犠牲になるのです。つまり、人々は子供を持つことからの喜びと、消費活動から得られる満足感を天秤(てんびん)にかけているのです。
>なぜなら、子供を持つことから得られる喜びは経済成長によって変化していないのにもかかわらず、たくさんの種類の消費財を楽しめるようになった結果、お金から得られる満足感が増えたからです。
>経済成長の過程で多くの種類の製品やサービスが開発され、消費することができる財の種類が増えると、手にすることのできるお金の価値が上がるのです。
すると、人々はより多くのお金を手にするために、より長い労働時間を求めるようになり、育てることのできる子供の数は減るのです。
 
お金が稼げるようになって楽しみの種類が増えるほど、お金と時間のかかる子育てをしたがる人が減ってしまうという内容ですね。これは日本特有の現象ではなく経済発展した先進国ではみな子供の数が減っています。結局のところ人間子育てや家族以外の楽しみが増えると、お金のかかる面倒くさくい家事や子育てをしたくなくなるので、その結果結婚せず子供を作らなくなるということなんでしょう。
 
>女性が結婚を遅らせて、所得を増やそうとする理由
>結婚によって仕事をできる時間が減るような(たとえば家事労働時間が増える)場合を考えてみましょう。 
日本の場合は、特に女性は結婚によって家事負担の時間が増加すると考えられます。家事労働時間には賃金が発生しません。
そして、家事労働時間が増えるにしたがって、賃金を稼げる会社等での労働時間が減ります。
すなわち、家事労働時間が増えるにしたがって稼げる所得は減るのです。
 
経済発展がすすむと女性も子育てや家事労働に時間を割くよりも、賃金等を稼ぐ労働時間に時間を割いて稼いだお金で消費活動を楽しむ方がよくなってきています。そうなると女性も結婚を遅らせる、あるいは結婚しないという選択をすることで労働時間を長くし、消費活動を楽しむための所得を増やそうとすることになります。
 
>大都市では、与えられた土地当たりに住みたいと考えている人の人数が多くなります。
すると、土地の値段が上がります。値段の高い土地に建てられた住宅、マンション、アパートの値段は当然高くなります。
マンションやアパートが賃貸に出された場合においても、支払われる家賃で土地代や建物の建設費を回収しなくてはならないので、当然家賃が高くなります。 
つまり、大都市に住む場合、高い住居費を負担しなくてはならないことになります。さらに、土地代が高いため、それを負担して店舗を経営しているスーパーマーケットが売る商品、レストランが提供する外食等、生活に必要なものの価格が軒並み高くなります。住居費に加え、全ての商品が高い傾向にあるため、大都市では生活費が高くなります。このような大都市の高い生活費は子供の人数にどのような影響を与えるでしょうか。 生活費が高くなることは、持っている所得の価値が目減りしてしまうことを意味します。1カ月の賃金が30万円だとしても、家賃が5万円、食費に5万円という地方都市での生活と比較すると、家賃15万円、食費に7万円かかる東京での生活では、子供の人数が減ってしまうことは容易に想像がつくでしょう。 つまり、大都市の高い生活費は子供の人数を減らす効果があるのです。
 
と長文解説されてますが、一言でいうと大都市では生活費が高すぎるので子育ては経済的なデメリットが大きすぎるということですね。
大都市に住むと、①生活費が上がる、②賃金が上がることで子供を育てることの機会費用が上がる、③賃金が上がることで所得が上がるという三つの経済面の効果があり、子供の人数に影響を与えます。ただし、③の効果より①・②の効果によりマイナスが大きすぎるので、都市部では地方に比べて子供が増えません。

人が集中している都市部ほど、魅力的な他の要素が多いので人間は子育てしたくなくなるのかもしれません。