自民党の長島昭久衆院議員(安全保障調査会副会長)は、事実上の封鎖が続くホルムズ海峡に自衛隊を派遣し、日本関係船舶だけでなく他国の船舶も護衛することが日本の国益に資するとの認識を示した。
長島氏は25日のインタビューで、現行法では仮に自衛隊を派遣しても日本関係船舶しか護衛できないと指摘。自衛隊の役割を拡大するため特別措置法の制定が必要だとの考えを明らかにした。米シンクタンク「外交問題評議会」出身の同氏は石破茂政権で首相補佐官(国家安全保障担当)を務めた。
ホルムズ海峡を巡っては米国が日本などに対し、航行の安全に貢献するよう求めている。高市早苗首相は先週の首脳会談でトランプ大統領に法的制約を説明。現行法の枠内で対応する方針だが、与党内からより踏み込んだ方策を検討するべきだとの声が上がった形だ。
米国とイランの和平協議の先行きが不透明な中、長島氏は状況次第で迅速に派遣できるよう与党内で議論を始めるべきだと述べた。今後1、2カ月の停戦を想定しているが、戦闘の長期化で日本やアジア諸国のエネルギー需給がひっ迫すれば、停戦前に派遣が必要な状況になる可能性も否定しなかった。
共同声明
日本、英国など計6カ国は19日、ホルムズ海峡に関する首脳共同声明を発表した。同声明はイランによる非武装の商業船舶や事実上の同海峡封鎖を「最も強い言葉」で非難した上で、安全な航行の確保に向けた貢献を行う用意があると表明。日本などは他国にも賛同を呼び掛けており、参加国は25日時点で約30カ国まで拡大した。
長島氏は、同声明の初期メンバーである日本が自国の船舶のみを保護の対象にするのであれば、イランと単独交渉してホルムズ海峡を通行するインドと「あまり変わらない」と語った。他国の船舶も護衛する考え方はこれまでの日本政府の外交姿勢とも整合的だとの見方を示した。
戦略的にも国際社会に貢献することは重要だと語る。日本関係船舶のみしか護衛しない場合は将来、日本が安全保障リスクにさらされた時、他国からの協力を得ることができなくても「文句を言えない」事態になると話した。
特にアジア諸国は石油の中東依存度が高く、エネルギー供給状況は厳しい状況にある一方で、中国は豊富な備蓄があると指摘。万が一、アジア諸国が中国の備蓄に頼らざるを得ない状況になれば、中国の影響力が増すと述べた。そうしたことも「戦略的には頭に入れて、日本は行動を考えるべきだ」と主張した。
そしてそして!
マイケル・グリーン(Michael J. Green)は、アメリカの著名な政治学者・戦略専門家で、特にアジア太平洋地域(インド太平洋)の安全保障、外交、日米関係、中国政策に詳しい人物です。日本語でも「マイケル・グリーン」または「マイケル・J・グリーン」と表記され、日本のメディアやシンクタンクで頻繁に登場します。
- 学歴: ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で博士号取得。東京大学での留学経験もあり、日本語が堪能。
- 政府経験: ジョージ・W・ブッシュ政権時代に国家安全保障会議(NSC)でアジア担当部長(日本・朝鮮半島・豪州など担当)、後にアジア上級部長兼大統領特別補佐官を務めました。知日派(ジャパン・ハンドラー)として、安倍晋三元首相らとのパイプ役も果たしました。
- アカデミア・シンクタンク:
- ジョージタウン大学外交政策学部教授(元アジア研究部長)。
- 戦略国際問題研究所(CSIS)で上級副所長、アジア・日本部長、Henry A. Kissinger Chairなどを歴任(現在はノン・レジデント上級顧問)。
- 現在:シドニー大学アメリカ研究所(United States Studies Centre)所長(CEO)。アジア・パシフィック・イニシアティブ(API、東京)の特別招聘スカラーも務めています。ja.wikipedia.org
- 日米同盟の強化
- 中国の台頭への対応
- インド太平洋戦略(Quad、日米豪印協力、自由で開かれたインド太平洋=FOIPなど)
- 日本・韓国・豪州・インドとの多国間連携
- 朝鮮半島問題
- 政府経験: カーター政権で国務次官補、クリントン政権で国防次官補(国際安全保障担当)を歴任。1995年に「東アジア戦略報告(Nye Initiative)」をまとめ、日米同盟を基軸としたアジア政策の枠組みを構築。中国の台頭に対し、「封じ込め(containment)」ではなく「統合(engagement)+バランス(balancing)」の二本柱戦略を提唱しました(日米同盟強化で中国の攻撃性を抑えつつ、WTO加盟などで国際社会に取り込む)。
- アカデミア: ハーバード大学で長年教鞭。知日派としても有名で、日米関係やアジア太平洋の安全保障に詳しい。
- 主な著作: 『ソフトパワー』『The Future of Power』『Soft Power and Great-Power Competition』(米中大国間競争とソフトパワーに関する論文集)など。中国のソフトパワーについて繰り返し分析。
- ソフトパワー分析(ナイの核心テーマ):
- 中国の強み: 経済成長の成功モデル(開発途上国への魅力)、文化・外交の魅力(一帯一路、孔子学院)。
- 中国の弱み(限界):
- 領土紛争(南シナ海、尖閣など)で近隣国からの反発。
- 党による市民社会の厳格統制(言論・人権問題)が、民間レベルの魅力や信頼を損なう。
- 全体として、中国のソフトパワーはアメリカに及ばず、ナイは「中国は巨額を投じてもアメリカのレベルに達していない」と指摘。undispatch.com
- 米中関係の戦略:
- 「パワー・オーバー(支配)」ではなく「パワー・ウィズ(協力)」を提唱。気候変動、感染症などのグローバル課題では米中協力が不可欠。
- 米中は経済・文化・生態的に相互依存しており、完全デカップリング(切り離し)は非現実的。冷戦や多極化の単純アナロジーを避けるべき。
- アメリカの優位性: 2025年頃の論考では、中国よりアメリカが有利な「7つのカード」(同盟ネットワーク、イノベーション、大学・文化、地理的優位など)を挙げ、長期的にアメリカが優位と分析。newsweekjapan.jp
- 対中政策の提言:
- クリントン時代のように、日米同盟を強化しつつ中国を国際ルールに統合。
- 台湾問題や南シナ海では軍事バランスを維持しつつ、不要な挑発を避ける。
- スマートパワー(ハードパワー+ソフトパワーの組み合わせ)の重要性を強調。中国の台頭を「脅威」として過剰反応せず、賢明に対応すべき。
