
ソロス氏は、左派寄りの献金を行ってきたことで長年右派から批判を浴びてきた。
「黒幕で、極左の相場あやつり師」と評されてきた同氏はかつて皮肉を込めて自らもそう形容した。
ソロス氏をめぐる陰謀論の多くは、同氏が設立した非営利団体「オープン・ソサエティー財団」にも向けられている。
同財団は数十年前に設立され、現在は息子のアレクサンダー・ソロス氏が理事長を務めている。
財団に対する非難の中には、暴力的な抗議活動家らに資金を提供しているというトランプ大統領の主張も含まれている。
ソロス氏に対する激しい非難は27日、大統領執務室で再び表面化した。
トランプ氏は「ソロス氏を見れば、彼がすべての頂点に立っていることが分かる」と述べた。
「私が読むどの記事にも彼がでているのだから、有力な候補になると思う」トランプ氏は8月にも、ソロス父子をラケッティア活動(不正取引)で起訴すべきだと発言している。
トランプ氏は自身のSNSに、「ジョージ・ソロス氏とその素晴らしい過激左派の息子は、米国全土で暴力的な抗議活動などを支援したため、起訴されるべきだ」と投稿した。
司法省は、保守系監視団体キャピタル・リサーチ・センターの報告書「独占記事:ソロス氏のオープン・ソサエティー、テロ支援団体に8000万ドル(約120億円)を寄付」を引用した。
同財団はウェブサイト上の声明で「オープン・ソサエティー財団はテロリズムを断固として糾弾しており、資金提供など行っていない。
私たちの活動は平和的かつ合法であり、助成金受給者は人権原則と法律を順守すると考えられている」と反論。
財団に向けられた非難を「政治的動機に基づく市民社会への攻撃」と一蹴した。
オープン・ソサエティー財団は主に左派寄りの非営利団体で、これまでに240億ドル以上を拠出。
そのうち12億ドルは2024年に使われた。
同財団のウェブサイトによると、資金の多くは「教育と医療へのアクセス、人種的正義、薬物政策改革、人権拡大」への取り組みのほか、気候変動や権威主義への対策にも充てられている。
同財団の活動は100カ国以上に広がる。
アパルトヘイト(人種隔離)政策下の南アフリカで1979年に黒人へ奨学金を支給したことがはじまりだった。
80年代には共産主義に反対する東欧の人々の西側諸国への学術訪問を支援した。
ソロス氏は長年、民主党への献金を続けてきた。選挙資金追跡サイト「オープンシークレッツ」によると、同氏は2021年、リベラル系スーパーPAC(政治活動委員会)に1億2500万ドルを献金した。しかし、裕福な米国人が政治献金を行うことは目新しいことではなく、共和党にもチャールズ・コーク氏などの大口献金者がいる。
メローニ伊首相、マスク氏を擁護「内政干渉しているのはソロス氏ら左翼」
【1月10日 AFP】イタリアの極右ジョルジャ・メローニ首相は9日、米実業家イーロン・マスク氏の政治介入が怒りを招いたことについて、それは同氏が左翼でなかったからであり、イタリア政治は長年にわたり外国人の干渉を受けてきたとの見解を示した。
第2次世界大戦後のネオ・ファシズムの流れをくむ極右政党「イタリアの同胞」の党首を務めるメローニ氏は、マスク氏は言論の自由を行使しただけだと擁護。
政治に干渉しているのは、米投資家で慈善活動家のジョージ・ソロス氏ら左派の有力者だと非難した。
ドナルド・トランプ次期米大統領の政権で「政府効率化省」のトップに就くマスク氏は、ドイツのオラフ・ショルツ首相や英国のキア・スターマー首相をはじめとする欧州の指導者への攻撃を繰り返し、欧州全域で反感を買っている。
だが、メローニ氏は年次記者会見で、マスク氏が自ら所有するX(旧ツイッター)に行った投稿が「危険な干渉」に当たるとの見方を否定。
「問題は、富裕層が世界中の政党、政治団体、政治評論家らに資金を提供し、国民国家の政治的選択に影響を与えることだ」「マスク氏はそんなことはしていない」と主張。
「イーロン・マスク氏は自国で、自らが支持する候補者の選挙運動に資金を提供したが、それは米国の制度においてごく一般的なことだと指摘したい」「だが、私はイーロン・マスク氏が世界中の政党や政治団体、政治評論家に資金提供しているとは聞いていない」と続けた。
さらに「これは、たとえば、ジョージ・ソロス氏がやっていることだ。私はそれこそが国民国家の内政と主権に対する危険な干渉だと考えている」と主張した。
保守派に批判され、しばしば反ユダヤ主義陰謀論の標的にもなっているソロス氏は、1970~80年代に投資家として蓄えた富を用いて「オープン・ソサエティー財団(OSF)」を創設。
同財団は、「良い統治(グッドガバナンス)」や民主主義構築プログラムから、リベラルな公共政策の推進まで、世界中の幅広い活動やNGOを支援している。
ソロス氏は米国の選挙で多額の献金をしてきたが、SNSは所有せず、政府の役職にも就いたことがない。
ソロス氏は米国の選挙で多額の献金をしてきたが、SNSは所有せず、政府の役職にも就いたことがない。
■「左翼ではないから」
マスク氏を「天才」と評しているメローニ氏は、「問題は、イーロン・マスク氏が影響力を持ち裕福であることなのか? それとも左翼ではないことなのか?」と問い掛けた。
そして「しばしば国民国家に背く行動をとったり、政治団体の指導者らに資金提供したりする大資本家たちをきのうまで立派だ、慈善活動家だとたたえていた人々」を批判した。
メローニ氏は、自身は「ソロス氏から金を受け取っていた人々とは違い」、マスク氏から一切資金提供を受けていないと断言。
自らの政権が、マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める米宇宙開発企業スペースXと、巨額のサイバーセキュリティ―契約を結ぶとの報道を否定した。
メローニ氏はまた自らは他国の内政へのコメントは控えているが、これまで何度も外国から攻撃を浴びてきたとも主張。
「左翼」は、マスク氏が総選挙を控えたドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を声高に支持することに猛反発しているが、2022年イタリア総選挙の際、ドイツの有力政治家たちが「干渉」したことには沈黙していたと批判した。
なお、メローニ氏は会見中に2回、マスク氏を誤ってドナルド・トランプ氏と呼んだ。
専門家はマスク氏の政治的取り組みについて、経済的利益と密接に結び付いていると指摘している。
専門家はマスク氏の政治的取り組みについて、経済的利益と密接に結び付いていると指摘している。
マスク氏は、1945年以降のイタリアで最も右寄りの指導者とされるメローニ氏を熱心に支持している。(c)AFP

