【トルコ・クルド系野党議員来日】「在日クルド人がトルコに強制送還されると空港で逮捕され、刑務所に収監され、釈放されても仕事ができなくなる状況がある」 ( 東京新聞)


国家を持たない世界最大の民族で、トルコやイランなど中東4カ国に約5千万人いるとされるクルド人。


クルド系野党の国会議員2人がトルコから来日し、クルド人が集住する埼玉県 川口市内で2日、記者会見した。


訪問目的はクルド人問題への理解を求めて日本の国会議員らと意見交換することで、県内では大野元裕知事とも面談したという。(出田阿生)


 2人の議員は、メラル・ダニシュ・ベシュタシュさんとヴェジル・ジョシュクン・パルラクさん。議会第3党のDEM(人民の平等と民主主義)党に所属する。


メラルさんは「大野知事にはあたたかく迎え入れてもらった。前向きな話ができた」と笑顔を見せた。  


川口市や蕨市では昨秋から、クルド人を差別するヘイトデモが多発している。感想を聞かれたメラルさんは「差別主義者の数は少なく、背後に誰かがいて彼らを動かしているのだと思う。私たちが会った日本の人は、国会議員をはじめ全員が差別に反対していた。差別反対の声がもっと上がると信じている」と述べた。 今月10日に施行される改正入管難民法は、難民申請が3回目以降の場合、申請中でも送還が可能になる。トルコ国内では政府によるクルド人弾圧が強まっており、迫害を理由に難民申請をする在日クルド人は多い。ヴェジルさんは「日本の国会で決めた法律に私たちが口を出すことはできない」とした上で、日本の議員らに「在日クルド人がトルコに強制送還されると空港で逮捕され、刑務所に収監され、釈放されても仕事ができなくなる状況があることを説明した」と語った。 DEM党の半数は女性議員が占める。弁護士でもあるメラルさんは「日本は政治に参加する女性が少なくて驚いた。約80年前に女性参政権ができたと聞いたが、女性の人権活動に携わる身としては、日本が男性社会であることが残念です」と感想を述べた。