核分裂性物質
 


 高エネルギー(高速)中性子または

低エネルギー熱中性子(低速)中性子を捕獲した後に核分裂を起こすことができる核種。


以前は核分裂性物質の同義語として使われていたが、核分裂性物質には高エネルギー中性子のみで核分裂する物質(ウラン238など)も含まれる。結果として、核分裂性物質(ウラン235など)は核分裂性物質のサブセットである。

ウラン235は低エネルギーの熱中性子で核分裂するが、これは中性子の吸収から生じる結合エネルギーが核分裂に必要な臨界エネルギーより大きいためである。対照的に、ウラン238が熱中性子を吸収して放出される束縛エネルギーは臨界エネルギーより小さいので、核分裂を可能にするには中性子がさらなるエネルギーを持たなければならない。従って、ウラン238は核分裂しやすい物質である。

最終更新日:2021年03月09日(火










 


 

 

原子力発電について  


原子力発電のしくみ 


原子力発電は、ウランの核分裂による熱を利用しています。

ウランの核分裂による熱を利用しています。
ウラン235に中性子が当たると核分裂を起こします。このとき、熱エネルギーと中性子が放出され、この中性子がさらに別のウラン235に当たるとまた核分裂を起こします。これを核分裂の連鎖反応といいます。
原子力発電所では、制御棒*や水を使って中性子の数やスピードをコントロールすることで、安定的に核分裂を起こすようにしています。


原子炉の中では原子爆弾のように一気に核分裂することはありません。
自然界に存在するウランには、核分裂しやすいウラン235と、ほとんど核分裂しないウラン238があります。原子爆弾はウラン235の割合を100%近くまで濃縮し、瞬時に大量のエネルギーを発生させるものです。
一方、原子力発電所で使う燃料にはウラン235が3~5%、ウラン238が95~97%の割合で含まれているため、一気に核分裂させようとしても、ウラン238が中性子を吸収して核分裂を抑えます。3~4年かけて核分裂をさせて、少しずつエネルギーを発生させています。



日本の原子炉は「軽水炉」を採用しています。
日本では、中性子のスピードを遅くする減速材と核分裂によって発生した熱を取り出す冷却材に水(軽水:ふつうの水)を使用する原子力発電所(軽水炉)を使用しています。
この原子炉には、沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)の2種類があります。浜岡原子力発電所では3・4号機に沸騰水型軽水炉(BWR)、5号機に改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を採用しています。