「原発造ること自体間違い」 元規制委員 志賀訴訟原告団の総会




2024年5月26日 05時05分 (5月26日 10時53分更新)

北陸電力志賀原発の運転差し止め請求訴訟の原告団は25日、金沢市の県教育会館で総会を開いた。元原子力規制委員の島崎邦彦・東大名誉教授(地震学)が記念講演し「われわれの知識と現実に起こることの間には大きな溝がある。こんなに地震が起こる国で、原発を造ること自体が間違いだ」と指摘した。


 島崎教授は、2012年9月~14年9月に原子力規制委員を務めた。民主党政権から自民党政権に交代したことで「電力会社は原発の情報を出し渋るようになり、検討が進まなくなった」と強調。この結果、「原子力規制委員会は骨抜きになった」と振り返った。


 国内の電力は洋上風力発電でまかなえるとした上で「政府はやるべきことをやらずに、やってはいけないことをやっている」と批判した。


 総会には約70人が参加。北野進原告団長が、今月13日に能登半島地震後初の口頭弁論が開かれたことを報告した。北野団長は「道路が寸断し、避難計画が破綻した。地震の教訓を裁判の場で生かしていく」と述べた。(新居真由香)