【国産食品の不都合な真実】
農薬使用量は世界トップクラス、残留農薬基準量は諸外国よりはるかに高い
5/14(火) 7:16配信
日本産は“不合格”──4月2日、台湾のメディアは日本から輸入したいちご約472kgとキンカン約102kgの残留農薬が規定値を超えていたとして、すべて廃棄または積み戻しすることを発表した。
果を重く受け止め、国策で学校給食で使用する食品をすべてオーガニックに切り替えました」(奥野さん)
しかし日本では、「因果関係が認められない」として問題視すらされていないと奥野さんは続ける。
「農薬には医薬品のように発売前の臨床試験が義務付けられていないことも、健康被害が取り上げられにくい原因のひとつだといえるでしょう。
しかし、農薬が体内に蓄積し、次世代に“受け継がれる”ことはマウス実験で明らかになっています。
有名なのは『ネオニコチノイド系農薬』の研究です。与えたマウスの記憶力が大幅に落ちたという結果のほか、認知症との相関関係も指摘されている。
何より気がかりなのは胎児への影響です。妊娠した母親マウスに飲ませると、1時間後には胎盤を通って胎児の血液に移行しました。
ネオニコチノイドをはじめとした最近の農薬は分子レベルが小さく、浸透性が高い。洗浄によって落とすことが難しいうえ、体内に細胞レベルで入り込むため、遺伝子や神経細胞に影響を与える可能性が否定できません」
ペットボトル飲料からも検出される残留農薬
食品ジャーナリストの郡司和夫さんもネオニコチノイドのリスクをこう指摘する。
「北海道大学の研究チームが、市販されている国産39種の茶葉と9種のペットボトルを調査したところ、すべての商品からネオニコチノイドの成分が検出されました。同時に検査したスリランカ産茶葉からは検出されていません。
つまりペットボトル飲料として加工・製造される過程を経ても残留農薬として残るほど強い成分だということ。
もちろん国が指定する基準値よりは下回っていたものの、その値は諸外国よりもはるかに高い。
毎日飲むことを考えれば、体に与える影響は計り知れません」
健康被害と体内に残りやすい特性が危険視され、複数種類あるネオニコチノイド系農薬のうち、EUやフランスでは一部の使用に規制がかけられている。
「しかし、日本では7種類ほど使用できるのが現状であり、新生児や幼児を含むほぼすべての日本人の尿から検出されています。
大量のネオニコチノイドを散布した地域では、頭痛や倦怠感など体の不調を訴える声も少なくない。
また、日本は先進国の中でもがんによる死亡者が圧倒的に多い。農薬が含有する化学物質が体内に蓄積し、遺伝子変異を起こした結果である可能性は大いにあり得ます」(久保さん)
(後編〈世界中で問題視されている農薬が日本で堂々と使われる背景
食品添加物も世界と比較して規制が甘い現実〉に続く)
※女性セブン2024年5月23日号