ギュンゲン駐日トルコ大使は産経新聞のインタビューに応じ、トルコ国内のクルド人は「選挙権もあり、人権は保障されている」と説明。日本で難民認定申請を繰り返すクルド人の「難民性」を暗に否定した。

㊤川口のクルド人問題「容認しない」

――大使は以前に、「クルド系はトルコであらゆる政治活動の自由を保障されている」と述べていたが、クルド人は政治難民ではないということか

 

「国民の大半はクルド人と縁戚関係にある。切り離せる存在ではない」

《トルコ総人口8500万人のうちクルド人は1500万人とされる》

「クルド人を含めすべての国民に人権が保障されている。国会には選挙を経たクルド系議員がおり、現在はクルド語教育や報道、文化活動も可能だ。彼らが難民認定申請を繰り返しているのは知っているが、認定はあくまで日本当局の権限だ」

「2023年5月のトルコ大統領選などで、在外投票を東京の大使館で行った際、在日クルド人たちも投票した。日本でもクルド人はトルコの政治的な権利を行使している」

 

――つまりクルド人は政治難民ではないということか

「私の答えはこれまでの説明に十分入っていたと思う」

――現在、トルコと日本は短期滞在の査証(ビザ)を免除しているが、クルド人がビザを免除されパスポートだけで入国後、難民認定申請を繰り返すケースが相次いでいる。埼玉県川口市でのクルド人の現状を踏まえ、ビザ免除をどう考えるか

《日本は70カ国・地域に対し短期滞在のビザを免除。このうち中東地域はトルコ、イスラエル、UAE、カタールの4カ国。一方で平成元年からパキスタンとバングラデシュに対し、4年からイランに対し、それぞれ免除を停止している》

「1890(明治23)年に和歌山県沖で日本人が多くのトルコ人を救ったエルトゥールル号遭難事件以来、両国は130年以上の友好関係を築いている。2024年は国交樹立100周年を迎える。ビザ免除は両国民の交流上、非常に重要だ。長期的な視点で利点と欠点を検討すべきで、私自身は免除措置を今後も維持すべきだと思う」

【トルコ共和国】 人口約8500万人、面積は約7800平方キロで日本の約2倍。公用語はトルコ語。宗教はイスラム教が大部分を占める。北大西洋条約機構(NATO)、経済協力開発機構(OECD)加盟国。欧州連合(EU)には2005年から加盟交渉中。2023年に建国100周年を迎え、今年8月には日本との国交樹立100周年を迎える。

 

 

 

 

元記事↓