インテリジェントビジョンセンサーとは何ですか?
インテリジェントビジョンセンサーとは、積層型CMOSイメージセンサーの論理回路部にAIエンジンを組み込み、撮った画像をすぐにAIが画像処理を行うことで、クラウド上に必要な情報だけを蓄積させていくイメージセンサーのことを指します。2022/10/11

CMOSセンサーの世界シェアは?
世界のCMOSイメージセンサの主要プレーヤーには、ソニー、サムスン、オムニビジョン、キヤノン、オン・セミ(アプティナ)などが含まれる。 世界の上位5社のシェアは約70%である。 日本は約30%のシェアで最大市場であり、次いで北米、韓国が約35%のシェアである。2023/11/01

ソニーG吉田会長、TSMC合弁報道に「半導体の安定調達が大事」
東 将大 日経クロステック/日経エレクトロニクス
2021.05.26

「半導体を安定的に調達できるかどうかは、日本の国際競争力を維持するために大事だ」――。ソニーグループが2021年5月26日に開いた経営方針説明会で、同社代表執行役会長兼社長CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎氏は、同日に日刊工業新聞が報じた台湾TSMCとの合弁報道について「コメントは差し控える」とした上で、半導体の安定調達の重要性を語った。

吉田氏によれば「CMOSイメージセンサーのロジックICは、自社の山形工場でも生産しているが、かなりの部分をファウンドリーから調達している」という。「安定した調達は当社にとって非常に重要になる」(同氏)。

 CMOSイメージセンサー事業はソニーグループを支える大きな柱の1つだ。投資額は右肩上がりに増加し、2018~2020年度の3年間では5746億円に達する。

 今後、CMOSイメージセンサーの需要はさらに大きくなる。なぜなら、用途がモバイルだけにとどまらず、モビリティーやIoTといった領域へ拡大していくからだ。吉田氏は「現在の主要市場はモバイル向けのイメージングだが、今後は車載やIoT向けのセンシングが成長領域になる」と明言する。

車載向けでの用途は、主にカメラによる車内外のセンシングやLiDAR(Light Detection and Ranging)だ。カメラ画像やLiDAR、ミリ波レーダーなどのデータを組み合わせて車両認識などを行う「Sensor Fusion(センサー・フュージョン)」といった技術の開発にも取り組む。

 車載向けの研究開発は2014年から進められており、ようやく転換点を迎える。吉田氏は「これまではR&Dコストが売り上げより大きい状態が続いてきたが、2021年ごろから出荷量を増やせそうだと実感している」と話す。

IoT向けでは、現実世界の情報を取得するセンサーの需要は非常に高い。一方で、膨大な量のデータを処理するため、送受信するデータ量や消費電力を低減させなければならない。そこで「エッジAI」のような、AI(人工知能)を用いた分散データ処理が重要になる。

 ここで存在感を発揮するのが、画素チップとロジックICを積層して搭載するCMOSイメージセンサーだ。用途別に学習したAIをカメラ側に搭載しエッジ処理をすることで、データ量や消費電力を大幅に削減できる。ソニーグループは2020年5月に「インテリジェントビジョンセンサー」として商品化を果たした。「今はさまざまな実証実験を実施している段階で、事業として立ち上がるのはもう少し時間がかかる」(吉田氏)。

2021~2023年度の3年間における第四次中期経営計画について吉田氏は「2兆円以上の戦略投資を進める」と話す。急拡大するコンテンツIPやDTC(Direct to Consumer)領域を中心に、テクノロジー領域などに優先的に投資を進める考えだ。