太陽でサイクル25で最も強いX6.3の巨大フレアが発生。そして、米国で広範囲に携帯網をブラックアウトさせた原因は何なのか

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[追記]2024/02/23 スペースウェザーの記事が更新されまして、X1.8、X1.7、X6.3 の連続した 3つの太陽フレアは、「どれもコロナ質量放出(CME)を発生させなかった」と伝えています。おそらく、地球で大きな地磁気嵐が起きる可能性はなくなりました。珍しいですね。

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2024年2月23日のX6.3フレア

サイクル25で最も活発な黒点が地球側を移動中

日本時間で 2月23日の午前、太陽で「 X 6.3 」の太陽フレアが発生しました。太陽活動サイクル25で最もエネルギー規模の大きな太陽フレアです。

現時点では、このフレアによる地磁気嵐など地球への影響は、NOAA (アメリカ海洋大気庁)から発表されていないので不明です。

X6程度なら、それほど問題はないように思いますが、NOAA から発表がありましたら追記します。

知る限り、過去約 30年ほどのあいだで、地球に向かって放出されたフレアで最も巨大だったのが、2017年9月7日の「 X 9.3 」です。

以下の 2017年の記事で速報として書いています。

[記事]1990年以来27年ぶりに強力な「 X 9.3 」の太陽フレアが突然噴出される。コロナ質量放出が地球方向へ進行している可能性。影響は現時点では不明
In Deep 2017年9月7日

この際には、地球で、地磁気嵐のレベルとして上から 2番目の「G4 (猛烈に大きな)」の地磁気嵐が発生しました。

地磁気嵐の分類は以下のようになっていて、通常起きるのは、ほとんどが G1 か G2 です。

地磁気嵐のレベルの分類

G5 (極端に大きな) → 送電網などの損傷、人工衛星の障害、通信障害
G4 (猛烈に大きな) → 送電網の誤動作の可能性、通信障害の可能性
G3 (大きな) →  送電網の誤動作の可能性、通信障害の可能性
G2 (やや大きな) → 高緯度地域でのみ送電網や電波障害の可能性
G1 (小さな) → 小さな影響

G4 レベルになりますと、地上でも、携帯やインターネット網などを含めて、多少の通信障害が発生する場合もあるレベルですが、当時は、そのレベルの地磁気嵐が発生しました。

今回の X 6.3 フレア程度では、そのような大きな地磁気嵐になることはないと思うのですが、 NOAA の発表待ちですね。

 

ただ、問題はこの Xフレアを発生させた黒点が、今後 1週間近く、地球に面して移動していくということです。今後数日のうちに、新たな X フレアが発生する可能性がかなりあります。

実は現在、太陽表面には黒点がかなり少ないんですよ(黒点群領域が2つで黒点全体は45個)。

2024年2月22日の黒点の状況

 
上の画像の左にある黒点群 3590 というのが今回の X フレアを発生させた黒点群ですが、これが非常に活発で、過去約 24時間で、3回の X フレアを発生させています。 
 
 

この黒点は、おそらくは、サイクル25が始まってから最も活動の強い黒点のひとつだと思います。

ですので、今後 1週間ほど多少の地磁気嵐が地球上で継続する可能性が高いですが、スペースウェザーによると、黒点からのフレアだけではなく、同時に、それとは別の場所で、磁気フィラメントの爆発が起こっており、これもまた地球に磁気嵐を発生させることになりそうです。

2月21日の磁気フィラメントの爆発(中央の細く動いている部分)

 
 

これらの一連の太陽活動の中で、アメリカで、やや不思議な現象が起きていました。

「全土であらゆる企業の携帯ネットワークがダウンした」

のです。

 

携帯ブラックアウトの原因は?

これは昨日知りまして、アメリカの企業のネットワーク状態を監視しているダウンディテクターというウェブサイトで、昨日、モバイルサービスプロバイダー(携帯)の通信網だけが、以下のように各社で「突然」ダウンしていました。一斉に突然です。

2月22日の米国モバイル通信網の障害発生の状況(一部)

 

 

非常に広範囲の通信企業で発生していたため、個別のトラブルの問題ではなく、昨日の時点では、

「サイバー攻撃?」

というような話も出ていました。

ちょうど太陽で X.1.7 と X 1.8 の太陽フレアが続けて発生した直後だっただけに、

「太陽フレアの影響か?」

という話も出ました。

しかし、私自身はそれはないと思います(フレア発生直後に影響が発生するわけではないため)。

米ゼロヘッジは、「全米の携帯ネットワーク停止の原因は X クラスの太陽フレアだったのか?」というタイトルの記事を出していましたが、「サイバー攻撃の徴候はなかったため、全米の携帯網停止は、サイバー攻撃以外のもの」だという米国サイバーセキュリティ庁(CISA)の声明を受けて、「じゃあ、原因は何だ?」ということにもなっています。

先ほど、スペースウェザーもこのことに言及して、以下のような記事を投稿していました。

携帯電話の停止について

太陽フレアは通信システムに影響を与える可能性があるが、これら 2つの Xフレア(X1.7 と X1.8)が、今日全米で広く報告されている携帯電話の停止に寄与した可能性は非常に低い。

フレア自体は強烈だったが、このフレアは太陽放射嵐を引き起こさなかった。さらに、それらが引き起こした短波無線のブラックアウトは、ほとんどの携帯電話通信に干渉するにはあまりにも短時間であり、頻度も低すぎた。携帯電話の停止については、太陽フレア以外の原因である可能性が高い。

spaceweather.com

アメリカでの携帯電話網は現在は復旧しているようですが、携帯通信が一斉に停止した原因は、現状ではわからないままです。

しかし、今後、さらに太陽活動が活溌化していった場合、

「太陽が原因となる同様のこと」

何度も起きると思われます。

軽い通信障害なら、数時間から数日で復旧するでしょうが、たとえば、X10を超えるような太陽フレアが頻発し始めると、地球の通信状態は、携帯に限らず全般的に不安定になりそうです。

2024年から 2025年にかけて、太陽活動の極大期が来ると NASA などは予想していますが、予想どおりなら、今後さらに太陽活動は活発になっていくということになります。

今後、太陽フレアによる通信の停止や停電といった事態を私たちは何度か経験していくと思いますが、それがすぐに復旧される程度の被害であり続けることを望みます。

ただ、X20を超えるような規模の太陽フレアの直撃があれば、もうどうしようもないです。

 

 

 

 

ここはAIフリーゾーンです!

ChatGPTや他の大規模言語モデルによって作成されたテキストは、インターネット上で急速に広がっています。

それはよく書かれていて、人工的で、しばしば不正確です。

Spaceweather.comで間違いを見つけても、それは本物の人間によって作られたものなので安心してください。
          

地磁気嵐注意報(G1): CMEが地球の磁場をかすめると予想される2月25日に、

小規模なG1クラスの地磁気嵐が発生する可能性がある。

CMEは、今週のXフレアによって発生したものではありません。

その代わりに、2月21日に噴出した磁気のフィラメント(動画)によって宇宙空間に投げ出された。

オーロラ警報 SMSテキスト

3つのXフレア、ゼロCMES:巨大黒点AR3590は、誇大広告に応えている。

2月21日から22日にかけてのわずか23時間で、活動領域は3つの強力なXクラスの太陽フレア(X1.8、X1.7、X6.3)を放った。X6.3のフレアは、これまでのところ太陽周期25で最も強力であり、2017年9月の大太陽嵐以来最も強力なフレアである。

 

ここはAIフリーゾーンです!ChatGPTや他の大規模言語モデルによって作成されたテキストは、インターネット上で急速に広がっています。それはよく書かれていて、人工的で、しばしば不正確です。Spaceweather.comで間違いを見つけても、それは本物の人間によって作られたものなので安心してください。
          

地磁気嵐注意報(G1): CMEが地球の磁場をかすめると予想される2月25日に、小規模なG1クラスの地磁気嵐が発生する可能性がある。CMEは、今週のXフレアによって発生したものではありません。その代わりに、2月21日に噴出した磁気のフィラメント(動画)によって宇宙空間に投げ出された。オーロラ警報 SMSテキスト

3つのXフレア、ゼロCMES:巨大黒点AR3590は、誇大広告に応えている。2月21日から22日にかけてのわずか23時間で、活動領域は3つの強力なXクラスの太陽フレア(X1.8、X1.7、X6.3)を放った。X6.3のフレアは、これまでのところ太陽周期25で最も強く、2017年9月の大太陽嵐以来最も強力なフレアである。


昨日のX6.3クラスの太陽フレアの紫外線残光。クレジット:NASA/SDO

それぞれのフレアからの極端な紫外線は地球の大気上部をイオン化し、ハワイ(2月21日深夜)、オーストラリア(2月22日未明)、そして再びハワイ(2月22日深夜)で短波ラジオの停電を引き起こした。これらの地域の船員やハムラジオオペレーターは、30MHz以下のすべての周波数で信号の消失に気づいたかもしれない。

あなたは、これらのフレアが少なくとも1つのCMEを地球に投げつけたと思うかもしれません。実際には、その数はゼロである。SOHOのコロナグラフは、爆発ゾーンから出現したCMEを検出していない。時々このようなことが起こる。フレアはCMEなしで発生することがあり、CMEはフレアなしで発生することがある。

がっかりしているオーロラウォッチャーは希望を捨ててはいけない。この黒点は不安定な「ベータ・ガンマ・デルタ」磁場を持ち、さらなるXクラス爆発のエネルギーを秘めている。太陽フレア警報 SMSテキスト