バイオックスメーカーのメルク社、医師の「ヒットリスト」を作成

ミハイル・フォン・リーボン著


2009年3月31日


http://www.news.com.au/business/story/0,27753,25273468-462,00.html 


ある国際的な製薬会社が、巨大製薬会社が製造した抗関節炎薬を批判した医師を「無力化」したり、信用を失墜させたりする必要があるとして、ヒットリストを作成した。


米メルク社のスタッフは、主に研究者や学者で、バイオックスやメルク社に否定的な医師のリストと、推奨される行動方針について電子メールを送り合った。


昨日メルボルンの連邦裁判所で、製薬会社に対する集団訴訟の一環として明らかにされたこの電子メールには、何人かの医師の名前に対して「中和する」、「中和する」、「信用を落とす」といった言葉が含まれていたとオーストラリアン紙は報じている。


また、同社は批判的な研究者に対して、研究機関への資金提供の停止をほのめかしたり、学術的な任命を妨害したと主張するなど、脅迫的な戦術を用いたとされている。


原告の代理人であるジュリアン・バーンサイドQCが法廷で読み上げた電子メールの抜粋によると、「我々は彼らを探し出し、彼らが住んでいる場所を破壊する必要があるかもしれない」とメルク社の従業員は書いている。


メルク社とそのオーストラリア子会社であるメルク・シャープ・アンド・ドーム社は、バイオックスの服用により心臓発作や脳卒中を起こしたとして、1000人以上のオーストラリア人から損害賠償を請求されている。


この薬は1999年に発売され、従来の抗炎症薬のように胃に負担をかけないことから、人気絶頂時には世界中で8000万人が使用していた。


心臓発作や脳卒中を引き起こすという懸念が提起され、これらの副作用の可能性を検証する臨床試験が安全上の理由から中止されたため、2004年に自主的に販売が中止された。


原告のグレーム・ピーターソン氏(58歳)は、2001年5月から背中の痛みと関節炎のために毎日服用していたところ、2003年に心臓発作を起こしたと主張している。


メルク社は昨年、バイオックスの影響に関する米国での数千件の訴訟を48億5000万米ドル(71億4000万ドル)で解決したが、有罪を認めたわけではない。


同社はオーストラリアで集団訴訟と戦っている。メルク社の代理人を務めるピーター・ガーリング氏は、ピーターソン氏が2003年12月に心臓発作を起こすまでの数ヶ月間、バイオックスを服用していなかったと非難した。


ピーターソン氏はこの主張を否定した。裁判はクリス・ジェソップ判事のもとで続けられている。