コロナワクチン接種による防御よりも自然免疫の方が優れている: 研究結果

コロナから回復した人々は、コロナワクチンを接種した人々よりも免疫状態は良好であった。

新しい研究によれば、COVID-19の回復後にCOVID-19に対する防御を得た人は、COVID-19ワクチンを接種した人よりも防御に優れていた。

エストニアの研究者によると、ワクチンを接種した人は、デルタ流行時にコロナが陽性になる確率が自然免疫の人の約5倍、オミクロン流行時にコロナが陽性になる確率が1.1倍であった。

また、ワクチンを接種した人がコロナで入院する確率は、デルタ型が流行していた時代には7倍、オミクロン時代には2倍であった。

タルトゥ大学家庭医学・公衆衛生学部のアンネリ・ウスキュラ博士とその共著者らは、「我々の研究は、自然免疫はワクチン誘発免疫と比較して、感染、症状、入院に対してより強く、より長期の防御を提供することを示しました」と書いている。

これまでの研究でも、感染後の免疫はワクチンによる防御よりも優れているか、あるいは類似していることが判明している。

ウスキュラ博士とその同僚たちは、このテーマに関する文献にはギャップがあると感じ、この研究に取り組んだという。

329,496人の成人から抽出し、3つのコホートで多くの成人をマッチングさせた。1つは自然免疫のある人とワクチンを接種した人を比較したもの、もう1つは自然免疫のある人と感染歴やワクチン接種歴のない人を比較したもの、もう1つは自然免疫のある人とハイブリッド免疫のある人、あるいは感染歴とワクチン接種歴の両方を持つ人を比較したものである。

コロナワクチンの一次接種をすべて受け、感染歴がない人をワクチン接種者と定義した。

主要転帰は、免疫のない人はいつでも、自然免疫のある人は先行感染から回復後60日以降に、ワクチン接種群はワクチン接種終了後少なくとも14日以降に、ハイブリッド免疫のある人はワクチン接種後少なくとも14日以降または回復後60日以降に、臨床検査で確認されたコロナの発症とした。

2つ目のアウトカムである入院は、コロナによる入院と特定の医療コードによる入院と定義された。

研究者らは全国の医療記録を利用し、2020年2月26日から2022年2月23日までのデータを調査した。デルタ時代は2021年12月に終了した。

免疫のない人と免疫のある人を比較したコホートでは、免疫のある人の方が、重症化予防の指標である入院に対してより高い予防効果を示した。

「いずれの期間においても、自然免疫は重症化する再感染を防ぐのに非常に有効であり、SARS-CoV-2特異的免疫を持たない場合よりもCOVIDによる入院リスクが有意に低いことが証明された。

しかし、自然免疫者はデルタ時代には感染しにくかったが、オミクロン時代には陽性になりやすかった。

自然免疫者とハイブリッド免疫者の比較では、ハイブリッド免疫者の方がデルタ時代には感染から守られていたが、オミクロン時代にはややリスクが高かった。ハイブリッド免疫群ではCOVID-19による入院が1件のみであったのに対し、自然免疫群では9件であった。

「感染症の原因となる変異型に関係なく、重症COVID-19への感染進行を予防するハイブリッド免疫の予防効果は、自然免疫のそれを有意に上回った(ただし、ハイブリッド免疫サブコホートにおける入院の絶対数は少なかった)」と著者らは述べている。

この論文は11月21日にScientific Reports誌に掲載された。
 


COVID-19で入院したが、COVID-19で入院しなかった人もいた。

本研究は、欧州地域開発基金、エストニア研究評議会、欧州社会基金の助成を受けて行われた。

著者らは競合する利害関係はないと宣言した。