医師からの警告…これからの感染対策、じつは「マスク」と「ワクチン」だけで安心する人が「やってはいけない」こと

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栃木に暮らす医師・本間真二郎さんは、「自然に沿った暮らし方が、すべての病気を遠ざける」という考えの自然派医師です。

ザ」や「新型コロナ」など、ほかの感染症に置き換えても同じことになります。つまり、医師が薬を出さなくても、自分の力が健全に働いていれば、ほとんどの場合、病気は治るのです。

 そのことをよりていねいに、深く掘り下げていったところ、

 ・人のからだをつくり、健康に生きていくもとになるものは、日々の生活にこそある

 ・病気になったということは、その日々の生活が、自然からはずれているためである

 ・病気を治しているのは、自分の力そのものの、自然治癒力である

 これらのことを確信しました。

「人はなぜ病気になるのか」という長年の疑問

病気を遠ざける「シンプルな方法」

「他者軸」から「自分軸」へ

いずれにしても、病気や健康の問題は、突き詰めると、「食」であり、「食」の前にある「農」の問題に行きつきます。そして「農」も、人の「健康」も、そのもっとも大切な部分を支えているのは微生物であったのです。そして、そのことを実践して、確かめるためにこの地へとやってきて15年がたちました。

 さて、ここ数年、新型コロナウイルスの出現、情報化社会の加速、AI(人工知能)の登場など、急速に時代が変化しているのを実感します。新型コロナウイルスに関しては、ウイルス学者として、多くの情報発信する場をいただき、たくさんの反響もありました。

 多くの人々にとって悩ましい数年間でしたが、この期間は、これから急速に変化していく世の中を生きていくうえで、私自身も大きな学びと課題ができました。以前からそうでしたが、新型コロナウイルスの世界的な流行とそれによる社会の大きな変化により、よりはっきりとしたことがあります。

 それは、私たちはあらゆるところを「人まかせ」にしすぎている、つまり、「他者軸に頼りすぎている」ということです。

 たとえば、新型コロナウイルスをもらっても、「感染するのか」「発症するのか」「重症化するのか」「死亡するのか」などは、すべてウイルスという「他者」ではなく、自分の免疫力という「自己」の力により決まります。

 それにもかかわらず、根本的な内なる力を高めることよりも、「人との接触を避け」「消毒をし」「マスクをし」「ワクチンを打つ」という他者軸に頼った感染対策を、私たちは2年も3年も続けてきました。こうした「他者軸」による対策は、感染を防ぐという効果が少し期待できるかもしれません。

 しかし、いっぽうで私たちの免疫力や抵抗力を落としてしまうという側面があるため、すべて根本的な対策ではないのです。その結果、マスクの着用率、ワクチンの接種率も、一時は「世界一」ともいわれてきた日本ですが、感染の拡大がその後も続いてきたことはみなさんが経験したとおりです。

 くり返しますが、何かに頼ること以上にもっとも有効な対策は、感染に対するみずからの力を上げること、すなわち「自己軸」の対策なのです。

 このように、今の世の中の大きな問題には、「自己軸を失っていること」「他者軸に依存しきっている」ということがあると思います。医療に限らず、生活、政治、経済、農業、教育などのあらゆる分野でもそうなっています。

 本来は人まかせにしてはいけない大切なことなのに、社会全体のあらゆるところまで人まかせにしていることが見受けられます。それが、社会のさまざまな問題を引きおこしている要因であることは間違いありません。

 ・米や野菜づくりを、自然に即した方法で続けていくこと

 ・土地の麴菌で発酵食品をつくり、病気を遠ざける暮らしを多くの人に伝承していくこと

 ・さらに、水まわりの整備、山林の整備、電気などのエネルギーの自給

 ・農業コンポストや、コンポストトイレづくり……など

 このように、やってみたいことにあふれています。実際、転居とはいっても引っ越し先はこれまでの住まいの隣町で、医師としての職場である七合診療所への勤務は今までどおり変わりません。

 自然に沿った暮らしをしていると、あらゆることが広く見えてきます。自給自足を実践することが、さまざまな問題を解決するためのひとつの策であり、第一歩になりうることも実感しました。

 そして、暮らしにおいて何が正しいということはなく、答えなどありません。100人いれば100とおりの答えがあり、「こうするのが正しい」というものはないのです。私自身も衣食住から子育てのことまで、日常のなかで、「どうやって生きればいいのか」ということを、ただ確かめたくて実践してきたのです。

 ですから、私の暮らしのまねをしてくださいというわけではありません。それぞれが、自分なりのやり方で、自然に沿った無理のない生活を考え、実践し、楽しく、健康に暮らしていただければと思います。

 普段、患者さんと接したり、人と話をしたりしているなかで感じるのは、多くの人はすぐ前の結果だけを求める傾向が強いということです。本当は自分のことだけでなく、子どもや孫、家族、地域、日本、さらにはほかの国の人たちにまで視野を広げて、先のことを考えるのが今を生きる人間の責任でしょう。

 また、人間だけではなく、動物、植物、微生物、さらには地球そのものにとっていいことは、自分の健康にとっていいことになると思います。それが自然に沿うということの本質になります。