このプロファイリングは、EU加盟国のリスク評価機関に所属する若手研究者育成を目的としたEU‐FORA (The European Food Risk Assessment Fellowship)プログラムの一環として、スウェーデン農業科学大学(Swedish University of Agricultural Sciences)により実施されたものである。
リスクプロファイルでは、野外コオロギ繁殖場と対照して、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)及びGFP(good farming practices)に基づく屋内ヨーロッパイエコオロギ飼育システムを想定している。利用した方法論には文献スクリーニング、可能性のあるハザード特定が含まれ、更に、得られたエビデンスに対して関連のある算入基準を組み込んだ。これらの基準には、農場はOne Health原則(訳注:人の衛生、家畜の衛生、環境の衛生の関係者が連携して対策に取り組むべきであるという理念)に向かうべきとの理念のもと、ヨーロッパイエコオロギの全生存期間に渡り、家畜衛生及び食品安全の側面が含まれる。データ不足の場合は、直翅目属の近縁種(バッタ、イナゴ、他種コオロギ等)の対応するエビデンスを利用している。しかしながら、動物衛生と食品安全において、著しいデータギャップが存在している。HACCPタイプのシステムが実施された場合でも、リスクプロファイルにおいて以下に挙げる相当な懸念が特定された。