GPIFの躊躇にもかかわらず、日本の小規模年金が中国債券の受け入れを先導している
原題:GPIFの躊躇にもかかわらず、日本の小規模年金基金は中国を真っ先に受け入れた


Caixin(上海、編集者:周玲) - 日本の政府年金運用基金(GPIF)が中国のソブリン債に投資するかどうかを決定していないにもかかわらず、日本の小規模な年金基金が率先して中国の国債を受け入れている。

日本の公立学校の従業員に年金サービスを提供している小規模な年金運営会社である日本私立学校共済事業団(PMAC)の3月末の運用資産は2兆8,000億円(1,660億元)でした。 PMACは、日本の他の小規模な年金基金と同様に、GPIFと同じポートフォリオ構造を採用しています。
GPIFは、3月末時点で186.2兆円(1.69兆ドル)を有する世界最大の年金基金です。 ポートフォリオの配分原則は厚生労働省が決定しており、国内外の株式と国内外の債券に、基本的には4つの均等配分をベースに若干の増減を加えて運用しています。

 

 

宮園GPIF理事長、中国国債組み入れ「一つの選択肢」

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  • 外国人投資家に対する市場の制約に懸念も表明、慎重に考える
  • 1月には法人内でよく論点を整理し対応を決めていくと話していた
 

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の宮園雅敬理事長は2日、中国国債の資産への組み入れについて「一つの選択肢としてあり得る」と話した。

  ただ、外国人投資家に対する市場の制約に懸念も表明。「非常に慎重に考えざるを得ない」とした上で、「長期的にみて適切な解を求めていきたい」と話した。

  実務的な課題や結論を出す時期については回答しなかった。1月の記者会見では「法人内でよく論点を整理して、今後の対応を決めていきたい」と述べていた。

  FTSEラッセル社は10月から、世界的な債券ベンチマークの世界国債インデックス(WGBI)に中国国債を段階的に組み入れる。中国の資本規制に伴うリスクと中国経済から得られるリターンをてんびんにかけることになり、GPIFも対応を迫られている。

 

GPIFの基本ポートフォリオは20年度から、国内外の株式と債券に25%ずつ分散している。

  宮園理事長は、ポートフォリオを変更する状況にはないと説明。一方、市場動向によっては、基本ポートフォリオからの乖離(かいり)が認められる幅を活用し、「取るべきリスクを取る局面もある」と話した。

  また本年度も、新しいアクティブファンドや新しいスタイルのファンドは積極的に採用し、「将来の収益の源泉の多様化に努めていきたい」との考えを示した。