静岡は400mm超の大雨のおそれ
東海から四国太平洋側は警戒継続
2020/06/30 15:50 ウェザーニュース

梅雨前線の活動が活発になり、西日本から東海にかけての広い範囲で雨が激しく降っています。明日7月1日(水)にかけては特に東海で警戒が必要です。

梅雨前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気の影響で雨雲が発達し、西日本から東海、関東にかけての太平洋側を中心に局地的に激しい雨となっています。15時までの1時間の雨量は高知県魚梁瀬で29.0mm、静岡県静岡で20.5mmを観測しました。

24時間の雨量は九州南部や四国の多い所で300mm近くに達し、各地で土砂災害の危険性が高まっています。
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静岡では1か月分の雨が一度に



西日本の太平洋側は今夜にかけて雨が続き、四国の太平洋側や紀伊半島南部の多い所では200~300mmの雨が予想されます。東海は前線の動きが遅くなることから、明日1日(水)の昼過ぎまで断続的に激しい雨となり、山沿いの多い所では総雨量が400mmを超えるおそれがあります。

静岡県の山沿いで降る6月の平年の雨量が400~500mmですので、1か月分の雨が一度の降る計算になります。土砂災害や河川の増水、氾濫など災害の危険性が高まりますので、厳重な警戒が必要です。
明日の通勤・通学時間帯は関東も横殴りの雨

日本海の低気圧と、夏の高気圧との間で気圧差が大きく、沿岸部を中心に強い風が続きます。関東や東海は明日1日(水)の通勤・通学時間帯に平均で10~15m/sの強風が吹き、瞬間的には20m/s以上に達する見込みです。

強い雨に風が加わり、横殴りの雨に見舞われます。鉄道などの交通機関に影響する可能性もありますので、時間に余裕をもって、行動するようにしてください。


JR東海の金子慎社長は26日、静岡県庁を訪れ、リニア中央新幹線建設をめぐる水資源の問題で対立する静岡県の川勝平太知事との初会談に臨んだ。金子氏は6月中に静岡工区の準備工事に着手できなければ、予定の2027年開業が困難になるとして同意を要請したが、川勝氏は認めず物別れに終わった。JR東海は事実上の期限としていた月内着工を断念し、開業の延期と計画の見直しを表明する見通しだ。



総額9兆円超の総工費を投じる国家的プロジェクトは着工から6年で正念場を迎えた。神奈川県や山梨県など沿線の自治体や企業は、開業に間に合うように駅予定地周辺の開発を進めているが、延期になれば影響は大きい。東京・品川-名古屋間の開業遅れで、37年にも予定する名古屋-大阪間の延伸時期も見直される可能性がある。

 会談で金子氏は「(国や各自治体から)開業の期待を背負っている」と早期着手の必要性を訴えた上で「水の問題について、しっかり対応していく」と理解を求めた。川勝氏は「リニア自体に反対しているわけではない」としつつも「環境と両立するかを考えなければならない」と応じた。「環境保全のための条例にかかる話だ。専門部会を開く」と、同意は条例をクリアする必要があると言明した。

 川勝氏は会談終了後、記者団にJRが求めている準備工事は「本体工事と一体であり、認められない」と従来通りの考えを明らかにした。金子氏は会談中、数回にわたって準備工事着手の可否を質問したが、川勝氏は明確な回答を避け続けた。

リニア建設をめぐっては、南アルプスを貫くトンネルの掘削工事に伴い、大井川の流量が減少することを懸念する静岡県が建設に反対し、静岡工区が未着手となっている。国土交通省が仲介役となって有識者会議が設置され、現在も環境対策について議論している。

 川勝氏は今月11日にリニア建設に関わる予定地や林道を視察。16日には流域自治体の首長と意見交換会を開き、準備工事を認めない方針で一致した。

 会談は県のウェブサイトで異例のリアルタイム配信された。

 リニアは最高時速約500キロで東京・品川から名古屋まで最速40分、大阪まで最速67分で結ぶ。


リニア中央新幹線をめぐり、先週、静岡県の川勝知事とJR東海の金子社長が会談したあと、川勝知事がJR側が着手を急ぐ準備作業は認められないという考えを示したことについて、赤羽国土交通大臣は30日の記者会見で、JRから開業時期が遅れるという報告はなく、現時点で2027年の開業予定に変更はないという認識を示しました。
リニア中央新幹線はJR東海が2027年の開業を目指していますが、静岡県内のトンネル工事は、水資源への影響を懸念する県が着工を認めていません。

先週26日には川勝知事と金子社長が会談し、川勝知事は会談後の記者会見で、JR側が着手を急ぐ工事の準備作業は認められないという考えを示しました。

これについて赤羽国土交通大臣は記者会見で「知事の会談での発言と、その後の会見での発言が異なっていたとJRに受け止められ、混乱が生じて、JRが静岡県に改めて確認中だと聞いている。そのやり取りについて、私から申し上げる立場にはない」と述べました。

そのうえで赤羽大臣は「JR東海は、会談後も開業が遅れるとの認識は示していないし、国にもそうした報告はない。現時点で2027年開業の予定は変わっていないと承知している。リニア中央新幹線の早期実現と、建設に伴う水資源と自然環境への影響の回避と軽減を同時に進めることが重要で、国としても必要な調整を行っていく」と述べました。