SARS-CoV-2感染におけるウイルス脂質エンベロープを標的とする口腔リンスの潜在的な役割

 

新しい研究では、初期のCOVID-19疾患におけるウイルスの複製と感染の部位としての喉と唾液腺の重要性がますます示されています。 SARS-CoV-2は、それが出芽する宿主細胞に由来する外側の脂質膜を特徴とするエンベロープウイルスです。脂質生体膜を破壊する薬剤に対しては非常に敏感ですが、感染予防における口腔洗浄の潜在的な役割については議論されていません。

 

ここでは、

エタノール、

クロルヘキシジン、

塩化セチルピリジニウム、

過酸化水素、

ポビドンヨードなど、

広く利用されている歯科用うがい薬コンポーネントによる

ウイルス脂質膜破壊の既知のメカニズムを確認します。

 

また、これらの薬剤の濃度に基づいて、

SARS-CoV-2脂質エンベロープを破壊する潜在的な能力について

既存の製剤を評価し、

いくつかは臨床評価に値すると結論付けています。

 

コロナウイルスを含む他のエンベロープウイルスに関するすでに発表された研究が、SARS-CoV-2の感染を減らすための潜在的な方法として口腔洗浄を検討する必要があるという考えを直接支持していることを強調します。これをテストするための研究には、適切に設計されたウイルス不活化アッセイで既存の、または特別に調整された新しい製剤を評価し、その後臨床試験で行うことが含まれます。人口ベースの介入は、有効性を判断するために結果を積極的にモニタリングしながら、利用可能なうがい薬で実施することができます。これは、主要な臨床的ニーズの研究不足の領域です。

 

https://academic.oup.com/function/advance-article/doi/10.1093/function/zqaa002/5836301

 

コロナウイルスの感染対策と殺菌処理を考える

こんにちは!メッツBLOG編集部です。

今回は世間を騒がせている『コロナウイルス』の構造にスポットをあて、
感染対策を考えてみたいと思います。

こちらの記事で、ウイルスの構造
『エンベロープウイルス』と『ノンエンベロープウイルス』について
紹介させていただきました。

”ウイルスの抵抗力は、鎧よりも筋肉?”
 

コロナウイルスはエンベロープウイルス


ウイルスには”エンベロープウイルス””ノンエンベロープウイルス”の2種類が存在します。
エンベロープとは封筒のこと、つまり

ウイルスが膜状のものに包まれているか包まれていないかの違い

です。

コロナウイルスは、エンベロープウイルスです。

【エンベロープウイルス】
コロナウイルス(SARS-CoV)・B型肝炎・単純ヘルペス(口唇ヘルペスなど)・エボラ・AIDS・インフルエンザ他

【ノンエンベロープウイルス】
アデノウイルス・A型肝炎・ポリオウイルス・コクサッキーウイルス(手足口病など)・ノロウイルス他


エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルス

ここで大事なのが、ノンエンベロープウイルスは、アルコールの効果が低いことに対して、
エンベロープウイルスは、アルコールなどの消毒剤で膜を破壊し、ウイルスにダメージを与えることができるということです!



エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルス、除菌の違い


 

コロナウイルスの感染対策


厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A(医療機関・検査機関の方向け)」には
"手などの皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、
物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。"
との記載があります。

そのため、まずは感染症予防として一般的な
『石鹸での手洗い+アルコール消毒』で接触感染を防ぐ、
『マスク+うがい』で飛沫感染を防ぐ
ことが重要と考えられます。

 

https://www.mets-tokyo.jp/case/2020/02/13/27