感染夫妻の行動、詳細公表 名古屋市会見
 60代の日本人夫妻の新型コロナウイルス感染が確認された名古屋市。15日夜に市役所で開かれた会見では、前日の緊急会議では明かしていなかった感染者の行動経路を詳細に公表した。日中の相談窓口への質問が多く、夫に加えて妻の感染も確認されたことを受け、情報開示の必要性が高いと判断したという。

 市によると、夫妻は7日にハワイからの直行便で中部国際空港に到着。便名は明かさなかったが、航空会社から搭乗者1人ずつに感染者が同乗していたとの情報を提供するとの確約を得たためだという。

 夫妻はその後、午後8時7分発の名鉄特急ミュースカイの2号車に乗り、名古屋市内の最寄り駅から自宅へ徒歩で帰宅したという。

 列車情報の公表について、市は夫妻からは同意を得たが、名鉄とは協議する余裕がなかった。それでも、夫はこの段階でウイルスに感染していた可能性が高いため「市民の安心安全を考えると一刻も早く公表すべき情報」として公開に踏み切ったという。夫妻ともに医療機関への移動には公共交通機関は使っていない。

 市健康福祉局の幹部は「個人情報の保護と市民の不安解消をはかりに掛け、必要だと判断した情報があれば今後も公表を続けていく」と話した。

(谷悠己)