韓国の放射性物質検査強化「好ましくない」と批判 世耕経産相


韓国が日本から食品を輸入する際に行っている放射性物質の検査を強化することについて、世耕経済産業大臣は、記者会見で「好ましくない」と述べ、韓国側の姿勢を批判しました。

韓国政府は、福島第一原子力発電所の事故を受け日本から食品を輸入する際に行っている放射性物質の検査を、水産加工品など一部の品目について23日から2回に増やすと発表しました。

世耕経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で、検査の強化は日本が韓国への輸出管理を厳しくしたことに対する対抗措置ではないかと問われ「日本が今回とっている、あるいは、とろうとしている輸出管理上の措置は国際的に認められた事務的な措置だ。この措置に関して、ほかの分野に波及させていくような姿勢は好ましいものではない」と述べ、韓国側の姿勢を批判しました。

一方、福島第一原発にたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処理方針に関して韓国政府が日本側に具体的な説明を求めていることについて、世耕大臣は「取り扱いは総合的に議論している最中だが、検討状況は韓国大使館に対して説明している」と述べました。

そのうえで「今後も韓国に限らず、国際社会に対して丁寧な説明を行っていきたい」と述べました。

復興相「風評 払拭(ふっしょく)するよう努力」

復興相「風評 払拭(ふっしょく)するよう努力」
渡辺復興大臣は、閣議のあとの記者会見で、韓国政府が日本産食品の輸入の際に行う放射性物質の検査を強化すると発表したことについて「大震災から8年が経過した現在、原発事故への偏見や日本産食品に対する輸入規制が残っているのは大変残念だと思う」と述べました。

そして、現在の放射性物質の状況については在京の大使館に説明を行い、ことし4月26日に韓国大使館に対しても説明したことを明らかにしたうえで、「今後も科学的根拠に基づいて、しっかりと風評を払拭するよう努力したい」と話しました。