日本政府は福島原発事故後に
「原発の安全性」を広げる方向から転換し、
「放射能の安全性」を強調する方向に切り替えました。
だまされてはいけません、事実を知って子供を守りましょう。

【洗脳】全国の小中学校で文部科学省が
放射能安全教育を推進!

「放射能は怖くない」「100ミリシーベルトを浴びても大丈夫!」

政府が主導で放射能の安全性等を強調した
教育が推進されていることが判明しました。

『女性自身』が報じた記事によると、3月に東京で開かれた「放射能学習教材と授業実践への活用」というシンポジウムでは、「一定量であれば放射能を浴びても安全」等と
子供たちに教える方法を話し合ったとのことです。

シンポジウムに参加した子どもは感想文に
「放射線は、ただ怖いものだと思っていたけど、人間は100ミリシーベルトを1度に浴びても大丈夫ということがわかりました。とても勉強になりました」と書いてありました。

低線量被ばくに詳しい
崎山比早子医学博士は言う。

「1度に100ミリシーベルト以上の放射能を
浴びると、線量にもよりますが
精子や白血球が減ったり毛が抜けたり、
いわゆる急性障害が出ます。

原子力推進側といわれるICRP(国際放射線防護委員会)でさえ、放射線に安全量はないといっています。

100ミリシーベルトが安全なんてでたらめを子供に教えて、この国はいったいどうなっているのでしょうか」

ノーベル賞も受賞した国際的な医師の団体が
ワシントンで会見し、文部科学省が子供の1年間の許容被ばく線量の目安を「20ミリシーベルト」に設定したことに疑問を呈しました。
 
 アイラ・ヘルファンド医学博士:
「衝撃的だったのは、日本政府が福島の子供たちの許容被ばく線量の基準を高く設定したことだ」

 ヘルファンド博士は、
「子供の場合、がんになるリスクが成人よりも2倍から3倍高くなる」と指摘して、
許容される被ばく線量の基準を引き下げるよう求めました。
アメリカでは、原子力関連施設で働く人の1年間の許容量の平均的な上限が年間20ミリシーベルトとされています。

●福島の子どもたちを守らねばならない
 今週初め、私は文部科学省が福島の子どもの
電離放射線の許容線量を引き上げたと知り、私は大変な不安に襲われた。

かれらが定めた毎時3.8マイクロシーベルトという値は、一年分にして33ミリシーベルト(mSv)以上に相当する。
それが幼稚園児、保育園児、小学生、中学生に対し適用されるのである。このことについて正確に考えてみたい。(訳注参照)

 放射線が健康にもたらす危険は
線量に比例する、というのが一般的な科学的見地である―
線量が高ければ高いほどリスクは大きく、リスクが発生しないレベルなど存在しない。

 すべての放射線被曝はできるかぎり低く抑えられるべきであり、一般人については自然放射線と医療措置によるものを含めても年間1mSvを超過すべきではない、と国際放射線防護委員会(ICRP)は勧告している。

また原子力産業で働く労働者については5年間の平均線量として年間最大20mSvまでとし、かつ年間50mSvを超える年があってはならない、と。

 すでに国際基準より高かった日本の労働者の最大許容線量100mSvは、福島の大事故を受けて250mSvまで引き上げられた。
(省略)
見落としてならない点は、全ての人間が同じレベルのリスクに晒されるわけではないということだ。放射線による癌のリスクは幼児
(一歳未満)の場合、成人の3~4倍になる。また、女の幼児は男の幼児に比べ、2倍感受性が強い。

 女性全体の放射線被曝による癌のリスクは、
男性に比べ4割高い。また放射線に対して誰よりも敏感なのは、母親の子宮にいる胎児である。
 母親がX線検査を受けると胎児は10~20mSvの線量を被曝する。これにより15歳までの子どものあいだの癌の発症率が四割上昇していることが、この分野では先駆的な「オックスフォード小児癌サーベイ」の調査で判明した。

 ドイツで最近行われた全国の小児癌登録データ25年分の研究では、通常運転時であっても、原発はそこから5キロ圏内に暮らす5歳以下の子どもの白血病のリスクを2倍以上上昇させていることが明らかになった。

 50km以上離れた場所でも、
リスク上昇がみられた。これは予想をはるかに上回っており、子宮の中ないし外にいる子どもが放射線に対して特にぜい弱であることを強く示している。

(省略)
 一人の親、そして医師として言う。
福島の子どもたちがそのように有害なレベルの放射線被曝をすることを許容することは、
我々の子どもたちや未来の世代にたいする
保護・管理責任の許されざる放棄である。

 国は、一般人の年間被曝は1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)と
してきたが、今回の事故が起こり、
大人どころか子どもの年間被ばく量の許容範囲を20倍の20ミリシーベルトに引き上げた。文科省は校庭活動などの屋外活動を一日8時間、残りの16時間は屋内で過ごすと想定し、毎日8時間3.8マイクロシーベルト、16時間1.52マイクロシーベルト浴びたとして、年間20ミリシーベルト(20,000マイクロシーベルト)になるという計算の上で校庭活動等の限度を毎時3.8マイクロシーベルトと定めている。

 この計算過程は報道ではっきり示されなかったこともあり、ティルマン・ラフ氏はそのまま毎時3.8を24と365でかけて、年間33ミリシーベルトと算出しているようだ。これは誤りではあるが、年間20ミリシーベルトだろうが33ミリシーベルトだろうがこの記事におけるラフ氏の論点や結論には影響を及ぼさない。(参考:『福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について』
(続く)

子供の方が放射線の影響を受けやすい理由子供の被ばくの影響が大きい理由は大きく分けて三つある。まず、言うまでもないことだが、

・病気にかかるにせよ、健康を害するにせよ、若い時期のほうが人生全体へのダメージは大きい。

 ことはもっとも重要だ。これは放射線とは関係のない常識である。
しかし、放射線の被害の場合、大人と子供の差は、これだけではない。 放射線を被ばくしたことによる DNA 損傷の健康への影響は、被ばくしてから年月が経ってもずっと継続することがわかっている(下の「広島・長崎の被爆者のデータ(あるいは、データ不足)」を参照)。 よって、

・たとえ DNA が受けた影響が同じだったとしても、若い時に被ばくしたほうが(後の人生が長いだけ)健康被害が実際に現れる可能性が高い。
しかし、実際には DNA の影響は同じではない。

・被ばくした際の年齢が低いほうが放射線による DNA の損傷が大きいことが知られているのだ。

 これは、原爆で被ばくした人たちの疫学調査(下の「広島・長崎の被爆者のデータ(あるいは、データ不足)」を参照)からもはっきりわかっていることだが、DNA への損傷という観点からももっともらしい。

本文の「放射線って体に悪いの? 」の「放射線がガンを増やす仕組み」で説明したように、放射線を被ばくすると細胞のなかの DNA が傷つけられる。 とくに、DNA の二本鎖切断と呼ばれる損傷が、長い年月を経てガンの増加につながると考えられている。

 さらに、細胞分裂が活発なときには DNA が損傷される危険が高いことが知られている。 細胞が分裂する頻度は子供のほうがずっと高いので、子供のほうが放射線からの影響を強く受けると考えることができる。

●「大人のほうがセシウムの内部被ばくに弱い」という誤解?
 しっかりと確認したわけではないが、「子供よりも大人のほうがセシウムの内部被ばくに弱い」と思っている人がいる可能性がある。 念のため、それが誤解であることを説明しておく。

 文の「シーベルトとかベクレルってなに?」の「内部被ばくもシーベルト(でも、ややこしい)」で紹介した実効線量係数の表から、セシウムのところを抜き出してみよう。 これは、「1 Bq の放射性セシウムを食べ物や飲み物といっしょに摂取したとき、それが、通算で何 Sv の被ばくと換算できるか」を示している。

セシウム 134 についても 137 についても、3 ヶ月の赤ちゃんの係数が最大だ。 ただ、そこから年齢が高くなると、係数は 5 歳児のときに最小になり、それからは年齢とともに上がっていく。

成人の係数は 5 歳児に比べると 5 割増しくらい高い。
 この換算の数字だけを見て「大人のほうが 5 歳児よりも敏感なのか。さすが 5 歳児は丈夫だ」などと素朴に思ってはいけない。

 これは、セシウムを摂取した際の内部被ばくの程度をシーベルトの単位で統一的に表わすための換算法に過ぎない。 
 どれくらい健康への影響があるかを表わしたものではないのだ。 実際、(シーベルトで測って)同じ量を被ばくした場合、大人よりも 5 歳児のほうがはるかに大きな影響を受ける。 だから、(ベクレルで測って)同じ量の放射性セシウムを摂取した場合のリスクも、やはり、子供のほうがずっと大きいのである。

(論文省略)
 私たち日本人は、これから、長い年月にわたる被ばくが健康に被害を及ぼす可能性とたたかって行かなくてはならない。 これは文字通りの長期戦だ。 そして、私らが特に守るべきなのは、被ばくに対して弱い子供たちなのだ。

 上で紹介したプレストンらの論文での小児ガンについての記述は、小さな子供をもつ人たちには不安に響くことと思う。 しかし、無闇に心配することはないだろう。

 今の日本で生じうる被ばくは、原子爆弾での被ばくとはまったく比較にはならないほど小さい。 それに、ぼ私ちはチェルノブイリの苦い教訓を活かして「最大に危険」はしっかりと回避したのだ。
 私たちが心がけるべきなのは、これから長い年月にわたって決して油断しないことだと思う。

 空間線量をこまめに測定し、線量の高い地帯からは子供は遠ざけ必要に応じて除染する。 食品に含まれる放射性物質をきちんと測る方法を確立し、内部被ばくの程度をしっかりとモニターする。

 特に、学校給食のように多くの子供が口にする物にはできるかぎり汚染されていない食材を使う。

 汚染が高いと懸念される地域では、ホールボディーカウンターによる内部被ばくの測定ができる体制を整える。
そして、少しでも放射線による被害が疑われる地域ではこまめに健康診断をおこなう。

 こういった地道な(そして多くの人手と予算を必要とする)努力を続けていくしかないし(ぼく自身はこうやって応援するだけの立場なので、偉そうなことは言えないのだけれど・・)、政府も地方自治体もそういった活動を徹底的にサポートしなくてはいけない。

 そして、「子供の被ばくについては大人とは別格で考えなくてはいけない」という客観的な事実を全ての人がしっかりと心に留めておかなくてはいけない。

 どんな立場の人であろうと「子供の食を測定する前にまず大人の食の安全を確立すべきだ」などという考えを持つことがあってはならないのだ。