安倍官邸“大号令”か 厚労省「実質賃金上昇率」水増し工作


厚労省の毎月勤労統計(毎勤)の
不正問題が大紛糾している。
国会では閉会中審査が実施される
ことになったが、厚労省の不正処理で
「アベノミクスの成果」と強調してきた
実質賃金の向上が“水増し”された数字と判明。

ナント、本当は前年比「マイナス」だった
実質賃金が、「プラス」域にまで
かさ上げされた可能性があるのだ。

 厚労省は2004年から、
本来全数調査すべき
「500人以上規模の事業所」について、
都内計1464事業所のうち、
3分の1程度の抽出調査しかしてこなかった。

 不正を理解しながら、長年続けてきたというからフザケているが、厚労省はなぜか
昨年1月から抽出した賃金の調査結果を
「3倍」にして全数調査に近づける
不正処理を開始。
その分、全体の数字を押し上げ、
この月の勤労統計の賃金は全国で前年比
約0.6%はね上がった。
このイカサマ処理で、物価上昇分を差し引いた実質賃金まで上振れしていたのだ。

前年比「マイナス」を「プラス」域に

 17日の野党合同ヒアリングで、
厚労省の屋敷次郎大臣官房参事官は、
不正処理をしなかった場合について
「実質賃金の上昇幅はより小さくなる
可能性がある」と認めていた。
厚労省が既に発表している昨年1~11月の
実質賃金は、平均で前年比プラス0.3%。
不正処理前の同じ期間の数値は
マイナスだった可能性もあるという。

「毎勤の不正処理による実質賃金の伸び率は、0.3~0.8%程度かさ上げされたと
みられています。不正処理前の伸び率は
限りなく『ゼロ』に近いか、
あるいはマイナスだった恐れがあるのです」(厚労省関係者)

 厚労省が不正処理を始めた昨年1月と
いえば、安倍首相が経済団体に春闘の
賃上げ率を「3%にすべし」と、
異例の数値目標を掲げて要請したタイミングと重なる。秋の総裁選では、
アベノミクスの成果として
「大企業、中小企業において過去最高の賃上げ」と猛アピール。
厚労省の不正処理でカサ上げされた統計は、
安倍首相にとって格好の“プラス材料”と
なったわけだ。
不正処理は、厚労省が安倍官邸に「忖度」した結果じゃないのか。国民民主党の山井和則衆院議員はこう言う。

「今回の問題は“忖度”というレベルではないのではないか。厚労省のやったことは、統計法にもとる違法行為です。

官僚が自らの判断でそんなリスクを冒すでしょうか。官邸やその周辺から“指示”が出たと疑われても仕方ありません。当時の加藤勝信厚労大臣は、今回の一件を『知らなかった』と言いましたが、とても許されません。

職員の不法行為を見逃すことは、監督責任を問われてしかるべきでしょう。閉会中審査では徹底的に追及していきます」

 ちなみに、加藤厚労相は安倍首相から「ポスト安倍」に推されるほどの“アベ友”だ。裁量労働制を巡る厚労省のデータ不備問題といい、財務省の公文書改ざんといい、安倍政権下では霞が関の「偽装」や「隠蔽」が当たり前になっている。