ラウンドアップ空散で何がおきているか

 

ラウンドアップの被害をわかりやすく伝える資料がないか検索していたら、

こんな↓動画がありました。3分ほどと短く、日本語つき。ぜひご覧ください。

 

ラウンドアップ空散を止めた母親たち

 

 

アルゼンチン コルドバ

ここには農園がありました

牛などもいました

彼等は全てを破壊して

遺伝子組み換え大豆を植えたのです

今、彼らは大豆に農薬を噴霧する時

私たちも汚染するのです

アルゼンチンは世界第3位の大豆輸出国

大豆はアルゼンチンの経済ブームを生み出した

毎年アルゼンチン大豆農家は500万ガロンの

モンサントのラウンドアップと言う農薬を使う

とても有毒な除草剤だ

大豆は私たちには破壊と死です

最初は娘の病が農薬散布と結びつきませんでした

腎臓に問題が生じたのは生後3日目でした

今でも耐えられなくなります

とてもつらく具合が悪くなります

娘を失ったことを思い出すのはつらいのです

娘を失った理由が受け入れられなくて

ドアからドアへと訪問することにしたんです

ソフィアは近所で心配を持つ母親たちと

近所のすべての病気の地図を作ったのです

彼女たちの調査で地域のがん発生率が

国の41倍にもなっていることが分かったのです

イトゥザインゴで起きているのは隠された虐殺です

ゆっくりと隠れて毒を撒くからです

調査結果は彼女たちの恐れを裏付けました

母親たちは農薬噴霧ストップキャンペーンを始めました

抗議活動をしたり、市民教育を行ったり

農薬の恐ろしさを伝えました

脅迫電話がかかってくるようになりました

お前の子供を殺すぞと言う脅迫や

男が私に拳銃を突き付けて大豆にかかわるのはやめろと

だけどやめるわけにはいかなかったのです

 

10年の彼女の忍耐は実りました

大統領は保険省に農薬の調査を命じたのです

低濃度のグリホサート農薬にさらされると

出生異常が起こることが分かりました

グリホサートはモンサントの農薬ラウンドアップの主成分です

抗議によってイトゥザインゴの法律が変わりました

居住地から2.5キロ以内では法律で噴霧が禁止に

私たちが目指すのはアルゼンチン全国で

農薬の空中散布を禁止することです

法定に訴えを起こし正義を求めます

中南米でのこの傑出した環境上の成果に対して

2012年のゴールドマン環境賞は

アルゼンチン コルドバのソフィア・ガチカさんに決定しました

 

 

 

 

 

2012年ゴールドマン環境賞受賞ソフィア・ガティカさん

 

 生まれたばかりの娘を亡くしたソフィアは、

原因をさぐるため仲間と共に立ち上がった。

大豆畑近くの住民の健康調査をするうちに、

農薬空散によって村が破壊に追い込まれていることに気づく・・・

ゴールドマン賞のサイトを読むと、

彼女たちの置かれた境遇と戦い方が、

「ラブキャナル」のそれとあまりにもそっくりなのに驚きました。

詳しくは後ほど紹介しますが、

ポイントは、女の住む地域のがん患者は、

全国平均の41倍になっていたということ。そうラウンドアップ効果。

 農地はもちろん、松枯れや公園・校庭に日常的に

ラウンドアップを散布している地域にお住まいのみなさん、

周りにがんで亡くなったり、腎臓を患ったり、皮膚病ができた人が増えていませんか? 

2018.8.23

 

http://wonderful-ww.jugem.jp/?eid=1955

 

農薬空散でがんが41倍

 前記事の続き。反グリホサートの闘士、

ソフイア・ガティカの活動をゴールドマン賞のサイト

https://www.goldmanprize.org/recipient/sofia-gatica/

を中心に、その他の情報を加えて紹介します。

日本でも、今なお平然と農薬を散布している

自治体や農家も多いと思われるので、

どうぞ参考にして下さい。

 

農薬被害で幼児を亡くした母親、

ソフイア・ガティカは、大豆畑に見境なく噴霧されている

有毒な農薬散布を止めるために、地域の女性たちを組織した。

 アルゼンチンは世界第三の大豆の輸出国だ。

毎年、産業界は5千万ガロン以上の毒性のある農薬

-グリホサートー非常に使用量が多いモンサント社の

ラウンドアップの有効成分ーとエンドサルファンーを空中散布している。

モンサント社は人体にリスクはないと主張するが、

2008年の科学的研究によれば、

濃度がごく低くても、グリホサートは

ヒトの胚細胞、胎盤細胞、さい帯細胞を死滅させることがわかっている。

エンドサルファンは極めて有毒な農薬で、

人と環境への脅威となることから80カ国以上で禁止されている。

2011年5月、国連はエンドサルファンを地上から廃絶すべき物質として、

POPs(難分解性有機汚染物質)リストに加えている。

 

 1990年代終わり、ソフイアは娘を出産した。その三日後、赤ん坊の腎臓は機能しなくなった。労働者階級の母親たちはなぜ赤ちゃんが死んだのか理由を知ろうと決心した。彼女は、アルゼンチン中央部、一面大豆畑に囲まれた、人口約6000人のイトゥザインゴの村を回り、人々に語りかけ始め、地域に奇妙な病気が蔓延していることを知り、警戒心を抱いた。

 次いで、ガティカは自宅に隣人を招き、彼らの経験について話し合った。高校しか卒業しておらず、組織化の経験もなかった彼女は、こうして「イトゥザインゴ の母たち Mothers of Ituzaingó」の共同創設者となり、16人の女性たちとともに、地域を汚染している農薬散布を止めるために立ち上がった。

 彼女たちは住民を一軒ずつ訪ね、地域の疫学研究を始めた。そして農薬空散 イトゥザインゴ の家族にどれほど深刻な影響を与えているか発見した。住民のがんの発生率は国家平均より41倍も高かった(医師たちによれば、がんの多くは報告もされていないと考えているー実際のがん患者数はもっと多いかもしれない)。 また、神経系統や呼吸器系の病気、先天異常、乳幼児死亡率も高かった。

 最も恐れていたことの裏付けを得て、彼女たちはアルゼンチンのその他の環境グループとともに、「ストップ空散」キャンペーンを開始した。記者会見を開き、デモを行い、農薬の害を伝えるパンフレット作って市民を教育したのだ。ガティカはさらに、研究所にコンタクトし、村で起きていることを確認するための科学調査を行うことを求めた。

 それは難しい戦いだった。資金は乏しく、モンサントやデュポンなどアルゼンチンで営業しているグローバル企業に説明責任を求めようにも、直接のてがかりは何もなかった。彼女たちはまた、個人や警察官、中小企業主らから加えられる侮蔑や脅しにも耐えなければならなかった。2007年、ガティカは家を訪れた人物に拳銃を突きつけられ、キャンペーンを止めろと脅されたこともあった。

 それでも母親たちは戦いを止めなかった。そして彼女たちの主張は注目を集めるようになり、アルゼンチン大統領は2008年、健康大臣に対し、地域の農薬使用に関する影響を調べるよう命令を出した。その結果、ブエノスアイレス大学医学部が行った研究調査は、母親たちが行った聞き取り調査の正しさを裏付けるものとなった。ガティカはさらに、住宅から2,500メートル以内では空散を禁ずるという市条例を通過させるのに成功した。そして2010年、彼女たちは前例のない勝利を得る。最高裁判所は、人口密集地近くでの農薬散布を禁止しただけでなく、被害の因果関係を住民に証明させるのではなく、企業と大豆生産者が農薬の安全性を証明しなければならないとして、証明の負担を逆転させたのだ。

 他の地域で同じような問題に苦しむ人々はガティカに助けを求めるようになった。問題の広がりを認識した彼女は、全国でストップ空散キャンペーンを続け、住宅地のそばで農薬を使用しない緩衝地帯と水路の設置を求めている。またアルゼンチンにおけるエンドサルファンの使用禁止は2013年7月に発効したが、ガティカと彼女の仲間たちはグリホサートも全国的禁止に持ち込めるようがんばっている。

*****

 POPsのエンドサルファンがまだ使われていたのに驚きました…これは途上国だからできたことでしょうが、日本の状況はほぼその途上国並みであることを知っておかないと。きょう日、無知でいることは、健康で生きる権利を手放すのとおなじです。

 なお、ガティカたちのように、因果関係を目に見える形で示し、実際の被害者が立ち上がって政府や企業に要求をつきつけ、住民の権利と主張を通す動きを「直接行動direct action」と言います。この記事にはありませんが、ガティカは空散を止めようとして畑に無断で立ち入り、手錠をかけられて逮捕されるなど、それは過酷な経験もしていますが、それでもめげないのは女性だから。

 住民運動においては、へたに理論や屁理屈をこねくり回し、メンツと会議を重視する男性より、大局的に考え、行動でき、めげない女性の方がはるかに向いています。これは市民運動家としての山本の経験から断言できますよ~。みなさんたちの「反対運動」がうまくゆかない時、一度、トップを女性に変えてみるのもいいかもしれません。2018.8.26

 

http://wonderful-ww.jugem.jp/?eid=1956