米フィラデルフィア連銀のチャールズ・プロッサー総裁は、米連邦準備理事会(FRB)が発表した賛否両論のある米国債追加購入プログラムに対して、確固とした反対を表明する用意はないことを示唆した。
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米フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁(11日)

 プロッサー総裁は11日のフィラデルフィアでの講演前、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「この政策を打ち出さなければ良かったと思うが、現時点でそれを阻止したいという意味ではない」と語った。

 

  プロッサー総裁は今年、フィッシャー・ダラス連銀総裁とエバンズ・シカゴ連銀総裁、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁とともに、FRBの米連邦公開市場 委員会(FOMC)で投票権を獲得する。FRB理事全員(7人の定員中、現在、1席は空席)と12人の地区連銀総裁のうち5人がFOMCでの投票権を有す る。ニューヨーク連銀総裁は毎年投票権を有するが、他の連銀総裁は年毎に交代で投票権を得る。投票権のない地区連銀総裁もFOMCでの協議に参加するが、 投票権のあるFOMCメンバーには正式な反対表明の権限があることから一段と注目される。

 

 FRBが昨年11月に米国債追加購入プログラムを発表した際に、FRB当局者の間で意見の相違があったにもかかわらず、バーナンキFRB議長は同政策を維持するために大半の支持が得られたようだ。

 

 FRB内部での数カ月間に及ぶ協議の末、昨年11月に発表された6000億ドル規模の米国債追加購入プログラムを中止したいと考えているかどうかとの質問に、プロッサー総裁はFRB政策の急激な変更は支持しないと表明した。

 

 プロッサー総裁は「進んでは停止するといった政策は混乱を招く」と言及。その上で、急激な変更はFRBのコミュニケーションを「困難」にし、FRBの取り組みについて国民を混乱させかねないとの見方を示した。

 

  同総裁は明確には表明しなかったものの、現在、この政策に対する強い攻撃姿勢が強まっていると懸念していることを示唆した。プロッサー総裁はこの政策の熱狂的な支持者ではないことに加え、自身が一段の金融緩和への支持を検討するには米経済がさらに大幅に鈍化する必要があるとの見方を明らかにした。

 

 プロッサー総裁は、「こうした政策が何か実質的なものに大きく影響すると考えたことはない」と言及。「ある程度こうした政策は良好だが、効果は非常に限られたものとなろう」との見方を示した。

 

  同総裁は今後、FRBによる一段の金融緩和策を自身が支持するには、「米経済が非常に軟調になり、インフレ期待が低下する必要がある」と続けた。さらに、 そ のような状況でも、債券購入策が米経済の一段の鈍化に対処するのに適切な方法かどうかは明白ではないとの見方を示した。

 

 その上で、プロッサー総裁はFRBが独自の政策の長期的な結果に十分な注意を払っていないことを懸念していると明らかにするとともに、FRBのアプローチに同意できない場合には、意見を述べ、政策に反対することもいとわないと述べた。

  同総裁は、「われわれは国民に対し、できる限りの透明性とコミュニケーションを提供する義務を負っている」と主張。「異議や意見の相違は透明性ならびにコ ミュニケーションの一部だ」と語った。同総裁は前回、2008年にFOMCでの投票権を有していた際には、2回にわたり反対票を投じた経験がある。

(1月12日 WSJより引用)

最後の締めくくりの文章が強烈である。要は、今年もプロッサー総裁は、反対票を投ずるのではないかという予測が流れる可能性があると言うことである。

この様な記事を読むとFRBの政策に対してさらに批判が高まり、米国債購入のプログラムに亀裂が生じることを暗に狙っているのではなかろうか?

もし、このままそういうことが起きるといったいどうなるのか?などといったとんでもない集合意識がたくさん国民の中に、投資家の中に生まれて来るのである。

この集合意識を利用してFRBはドル終焉の舵取りをかんがえているのであろう。そして当然のことながら、国際金融資本家達は、その場面でも儲けることになる。